1999年より四重奏団としての活動開始、、2001年には当サイトを開設。サイトを通じて、全国の多くの方々と交流させていただいてまいりましたが、残念ながら、メンバーの転勤のため団としての活動を終了いたしました。

7年間にわたる「医療現場での弦楽四重奏演奏」という特殊な活動を通じて、それまでに得たことのない多数の貴重な経験をさせていただくことができました。

私達の職場に入院されている患者さん、外来通院中の患者さん、ご家族など多くの方々からの「良かったよ」という声を励みに頑張って参りましたが、私達が普段の診療から離れ、皆様と同じ時間を共有できたならば、医療従事者として、これほど嬉しいことはありません。

ところで、普通ならば、弦楽四重奏団はクラシック曲を演奏することがほとんどであろうと思います。「弦楽四重奏団」というキーワードで当サイトへお越しいただく方が多いようですが、恐らくクラシック中心の弦楽四重奏団を期待していらっしゃるのではないでしょうか。私達も、しばらくの間はクラシック曲を弾いていた時期もありました。

しかし活動を続けて気付かされたのですが、患者さんから求められる曲は、「明るい気分にさせてくれる曲」、「元気をもらえる曲」、「ほっと一息つける曲」、「今どきの流行歌」、「昔の名曲」などが多く、具体的にうかがってみると、演歌や民謡、童謡、アニメ、、、とクラシック以外の曲ばかりでした。もちろん、クラシックの曲の中にもそれに当てはまる作品はたくさんあることは間違いありませんが、患者さん宛に演奏後に行った希望曲のアンケート結果を見ても、残念ながらクラシックの曲はほとんど挙がって来ませんでした。

考えるに、病院という大変な入院生活の中では、「頑張っていこう」と勇気付けられる曲であったり、明るく楽しい曲、口ずさむことのできるような誰でも知っている歌、あるいは肩肘張らずに気軽に聞くことができる曲、といったピースの希望が中心となるのでしょう。

ところで、いざこうした曲の楽譜を入手しようとすると、うまい具合に、都合の良い編曲がなされている弦楽四重奏の市販譜は非常に少ないことに気付かされます。せっかく希望をいただいても、肝心の楽譜がないと演奏できず、楽譜の調達に関しては本当に苦労しました。しかしながら、「患者さんが希望される曲ならば何とかして演奏したい」という思いから、入手できない譜面はコンピュータソフト、フィナーレを使用し、団独自の方法で数多くの編曲を行い演奏に努めました。「曲目紹介」のページから、当サイトへご訪問くださる方も多く、楽譜入手に関するお問い合わせも多数頂きました。やはり多くの方々が弦楽四重奏の楽譜について少なからず興味を持たれていることを感じました。

こうして、医療現場の職員が、実際に患者さんから直接に意見をうかがいながら曲の候補を決め、さらに自分達の職場である病院のロビー、病室、談話室などで演奏するという、普通のカルテットとは一風変わった四重奏団が誕生したのでした。

つたない演奏会に何度も足を運んでくださいました患者さんとそのご家族の方々には、心より感謝申し上げます。皆様が、一日も早く軽快され退院の運びとなりますよう、お祈り申し上げます。普段の入院生活では、辛い治療や大変な場面も多いのではないかと思いますが、私達の演奏が皆様の心の和らぎの一助となりましたら大変に嬉しく存じます。

また、サイトを通して暖かく熱心なご指導をいただきました方々、、一度もお目にかかったことはないのに旧来の友のように接してくださった方々、、そして、活動を理解し、演奏の運営に惜しみない協力を与えてくれた私達の職場の皆さん、、お世話になった方々全てに、心より感謝申し上げます。

皆様とは、またいつか、どこかでお会いできますことを楽しみにしております。長い間、本当にありがとうございました。


とね弦楽四重奏団
 第一バイオリン K. Shingyouuchi
 第二バイオリン T. Kawakami
 ビオラ       T. Ogawa
 チェロ       T. Otsuka

なお、これまで長い間に亘ってご愛顧くださいました方もいらっしゃいますので、トップページ、団の簡単な紹介、掲示板、リンクの一部は、しばらくの間、残してあります。




ごあいさつ