団員のひとりごと 第20回

〜3周年を迎えて〜

 早いものでカルテットの活動を始めて、もう3年という日々が経過いたしました。
 忙しい中でのアマチュアの活動ですから、その歩みたるや “カメ” も真っ青なくらいですが、曲がりなりにも3年やってきての最近に思うことを、つらつらと書いてみたいと思います。


1 カルテットの中で、、、
 
 ずっと2ndバイオリンを担当してきました。ポピュラーものを弾くことの多い我々ですので、家で2ndパートを一人で練習していても、まったくつまらないです。それでも以前は家で練習したりしていましたが、最近は速いパッセージや特に難しい個所をちょっとさらうぐらいで、もっぱら4人での練習中に “練習” するようなスタイルになっています。
 
 2ndは、おそらく音楽をやっている人でもないかぎり、あまり注目される位置にはないものと思われますが、オブリガートなどで音楽に豊かな色彩を添えたり、きっちりとした和声を作って音楽の構造を支えたり、、と実に楽しいポジションです。正直言って1stバイオリンを弾きたいとは、ぜんぜん思わない今日この頃です。3年もやっていると、“2nd” の人になってしまいますね。もはや、心構えが、“2nd”です。
 
 この間、音の処理やデュナーミク、アーティキュレーションなどを揃えて、なるべく4人の気持ちが揃うようにやってきました。簡単なところや、ある程度常識的なところは、もう言われなくてもみんなが同じように合わせられるようになってきたので、やっぱ “石の上にも3年” だな〜と感じます。いくつかの曲では、一緒に音楽を創っている、、、という求心力がグッと感じられることがあり、そういうことを体験すると、やめられなくなりますね。そういう時は、“少年のように” (と自分では思っている)頬も紅潮して意気揚揚です。

 プロの演奏を聴くと、一つの音符もないがしろにしないで弾いているように思われ、我々のカルテットもレベルは違うにせよ、もっと詰めて磨いた演奏を、、と思います。それが団全体の進歩につながるわけですし、そういう中での達成感・充実感が演奏している者の大きな喜びの一つか、、と思います。

 ただし、とにかく圧倒的に時間がとれないのが辛いところです。


2 個人的に、、
 
 こうやってカルテットの中で“音”を大切にする習慣が少しずつ身に付いてくると、個人レッスンの方での課題曲の演奏にも良い影響が出てきました。

 私は、もともととりあえず音符を弾き飛ばして満足していた、、、という傾向がありましたが、そうではなく”音楽的”に弾くにはどうしたらよいのか、、ということをずいぶん考えるようになりました。でも、悲しいかな腕が十分でないのと、思い込みで自分勝手な弾き方をしてしまうことが絶えないので、なかなか満足のいくものにはなっていませんが。

 それでも、個人の課題曲を仕上げてゆくのが、ずいぶんと楽しい作業になったのは確かです。

 それから、まったく個人的なことですが、3年前頃は最も好きな作曲家はベートーベンだったのですが、最近、バッハに取って代わられました。バッハは、好き嫌い、、というのを超えた特別の位置にあるように感じます。そんなわけで、私の当面5年間の目標はシャコンヌを全曲通してある程度 “音楽的” に弾けるようになること、、、そして、生涯の目標は “無伴奏バイオリン パルティータとソナタ” 全曲に挑戦!、、、という、それこそ “命が幾つあっても足りない” ようなことになりました。

 そうそう、忘れてはならないことが1つ!! 2002年10月に約260年前に作られたフランス製オールドバイオリンを購入いたしました。これが、見た目にもいい風合いで、しかも弾きやすく、音もオールドらしい暖かく落ち着いた音で、“良縁” に恵まれたと喜んでいます。肝心のかみさんとは “良縁” かどうか、、、は、まあここでは触れないことにしましょう(^^;)。


3 今後のこと、、、

 最近は、職場でも中間管理職!?的な位置になってきて、仕事は増える一方です。そんなわけで、カルテットにどれだけ時間を割けるか、実に厳しい現実です。

 ですが、こんな楽しいことは滅多にないし、しかも同じ職場の仲間と楽しめる、、なんていうのは、ほとんど奇跡ですので、できうる限り頑張ってゆきたいと思います。

 専門的に、というわけにはいきませんが、今後はスコアを見ながらCDをよく聴いて、どこをどのように弾くべきなのか、なぜそう弾くのか、、、など自分なりの見解が持てるように訓練してゆきたいと思います。そうすると、単にバイオリンを弾くだけでなく、単に合奏するだけでなく、いっそう音楽の楽しさが見えてくるのではないかとわくわくしながら想像しています。

 
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第二バイオリン 川上