団員のひとりごと 第4回

 “夢”といえば、「夢のお告げ」などという言葉があるように、昔から大切にされたり一種神秘的な側面をもつものとして尊重されてきた。科学の発達した現在でも、「夢分析」関係の本は書店を覗けばすぐに見つかるし、決して忘れ去られたものにはなっていない。

 ところで、同じような夢を繰り返し見る、、、という経験を人はしばしば体験するようで、ご多分にもれず、私もこのところそのような繰り返し見る夢を二つほど抱えている。

 一つは、卒業のかかった重要な授業なのに、今までほとんど出席していなかったので出席点が足りない、あるいは試験に際してまったく授業の内容を知らないで受けなければならない羽目になり、非常に切羽詰まった不安に駆られるというもの。このパターンの夢にはもう一つあって、どうやら国家試験に一度落ちたらしく再受験するらしいのだが、まったく勉強しておらず、周りの人達がしっかりやっているのを横目に試験が迫ってきて非常に不安に陥るというもの。この夢の結末は、いつも意識が目覚めてきて「あれ!?たしか今は卒業して資格もとり、毎日仕事しているはずだけど、、、、ということは、これは夢だな!」と考え始めて目が覚め、そして安心するというものだ。

 もう一つは、まだ夜明け前の薄暗い異国の駅前で人を待っているのだが、なかなか現れない。駅舎は石造りで駅前の広場も石畳でヨーロッパ調、、、私の印象としては東欧の駅と感じている。その駅前を朝早くにもかかわらずけっこうな人が行き交っている。時折、知った顔に出会うが、私が待っている人とはちがう。

 ざっとこのような夢で、一つ目の夢に関しては、大学時代に二回も留年した苦い経験が焼き付いているのかもしれないが、卒業してすでに10年以上もたって仕事もやっている今になって、、、とその理由がわからない。二つ目の夢も、私はヨーロッパ文化に憧れを持っていてヨーロッパを自由自在に旅してみたいと常々思っている、、、にしてもあまりハッピーな旅でもなさそうだ。

 これらをむりやり“夢分析”してみようとしても、一つ目の夢は、まだ何事か人生における重要な通過儀礼を果たしていないことを意味するのか?二つ目の夢は、“薄暗い駅舎”“人を待つ”“東欧=ヨーロッパとアジアの接点”など意味深なキーワードは並ぶものの、その意味するところはどうもはっきりしない。

 深層心理学の教えるところでは、繰り返し見る夢は、その人にとって重要な意味が隠されている、という。今のところは、これらの意味するところは不明だが、これらの夢を大事にしつつ、自分の人生を反省しながら歩んでいきたいと思っている。

繰り返す夢

担当 第二バイオリン 川上
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