予定は一杯詰まってて。
 日付の感覚なんてなかったりするのが実情で。
 日付の感覚って言うか、時間感覚が麻痺って言うか。
 ともかく、忙しいんだけど。
 明日は定例打ち合わせだって思ってて。
 それから、明日は、ボクの誕生日だってふんわり思ってた。

--- 誕生日(11月27日編) : 分刻みの日 ---

AM:7:00 起床
 眠い…。
 昨日寝たの何時だったか覚えてない。
 最後に時計を見たのが…3:00…。

AM:7:30 迎え
 今日の予定はかなり移動距離があるんだけどなぁ。

AM:8:30 新幹線に搭乗

AM:10:00 下車駅に到着。

AM:10:55 会場到着
 予定時間より、大幅遅れで会場到着。
 運悪く渋滞に巻き込まれる。

AM:11:00 某場所の落成イベントに参加。

AM:11:30 某場所で偉い人と会う。

PM:12:30 東京行きの新幹線に乗る。

「お疲れさまです」
「…君が隣に座るの?」

 聞くと愛想、浮かべて彼が隣に座る。

「眠そうですけど」
「うん、眠いんだよ。寝不足なの」
「え?」
「昨日、ゲームに熱中しちゃって。サッカーゲーム。後ちょっとで決勝戦なんだよね。強いよ、ボクのチーム」

 隣に座った彼にサッカーゲーム談義。

「そう言えば、明日の予定は?」
「明日?ボクの誕生日」
「…じゃなくって、…例の打ち合わせが明日あたりにはいるって言うのを某N.Kさんから聞いたんですけど」

 おしゃべりだなぁ…。

「聞き出したんです。某N.Kさんから」

 そうなの?

PM:2:00 東京駅到着。

PM:2:30 レコーディングスタジオ入。
 新曲のレコーディングと、アルバムのレコーディングも兼ねる。

「お菓子、食べます?この冬の新作だそうですよ」
「限定とかなんだ?」
「はい」

 さしだされたお菓子は、結構おいしい。
 あの、ケーキも食べたいな。

PM:7:00 本日のレコーディング終了。
 新曲は何とか終わったけれど、もう少し詰められそう。

PM:11:??
 打ち合わせやら、なにやらってやってたら、こんな時間。
 明日の打ち合わせのスタッフ確認をして、車に乗り込む。

「今から、ちょっと付き合ってもらっても良いですか?」
「何で?」
「先生にちょっと見て貰いたいモノがあるんですよ」
「いいよ」

 スタッフの問いに了承する。
 数分後付いたところはボクの見知った場所。

「こっちなんですけど」

 とスタッフ先導で入っていく、見知った場所。

「先生、先に行っててください」
「ん?」

 何だろう???

 

***

 

「ハッピーバースデー!!!」

 扉を開けた瞬間、クラッカーがうち鳴らされる。
 えっと???

「先生、時計」

 前列にいた彼女が時計を示す。

 見ると、日付越え。

「11月27日。今日は偉大なる小室哲哉の誕生日でしょう?」

 同じく前列にいた木根がおどけて言う。

「たまにはこう言うのもいいよな。テッちゃん、驚いた?」

 そして、ウツ。
 木根やウツそれから他の皆がまだ呆けているボクをいつも驚かすことが好きなボクを出し抜けたとそう喜びながら、ボクの誕生日を祝ってくれてる。

「なんか、あべこべじゃないの?」
「何が?」
「だってボクを驚かせたこと喜んでない?」
「そりゃあ、他人を驚かすことに掛けてはあなたは天才ですから?ねぇ」

 ムーーーーー。
 なんか、悔しい。

「悔しいなぁ」

 そう言いながら、ボクはこのフロアにいる全員を驚かせることを次々と考える。
 何が一番良いんだろう。

「さぁ、さぁ、王様は一番奥の席に」
「やっぱ、お誕生日席だよな」

 促されて席に座って、思い浮かんだ。

「ありがとう、皆」

 とお礼を言って、そしてボクはおもむろに、このフロアに集まっている人々の顔を見渡し、ニヤリと笑う。

「!!!!!!!」

 ボクはその会場をあっけに取らせ、そして驚かせ、逆に喜ばせる方法を一つ、発言して、パーティーが始まる。

 せっかくの機会逃すわけには行かない。
 大勢の人間のが驚いた顔を見る機会なんて早々あるもんじゃないからね。

 その場の人々と、その他大勢の祝いの言葉に感謝して。

--あとがき--
テッちゃんの誕生日の前日から。
サッカー談義の相手は徹貫。
彼女…は……名前は出してませんが某KEIKO。

会場はCLUBE-TKかな?
まだCLUBE-TKってあるのかな???
ともかく、こんな感じで。
2004/11/26