US:song by globe(album Light2)words by Tetsuya Komuro
 目当ての人物は自分のことを捜していたのか、近寄ってきた。

「カミーユ、どうしたの?」

 私は近寄ってきたカミーユに声をかける。

 ハッチや、ブリッジから、このアーガマから降りる人たちと残る者達との間で交わされる会話がココまで響いてくる中カミーユは思い出すように言葉を紡いだ。

「ファのこと…探してたんだ」
「私のこと?」

 そう聞くとカミーユはうなずき

「…ファ…君はこれからどうするんだ?」

 と言葉を紡ぐ。

「これから?」
「そう…これから…。ロンド・ベル隊とSDF艦隊はティターンズの命令で解体されるだろ?」
「そうね、わたしは、リンさんに月にこないかって誘われたの。だから…月に行くつもり……。カミーユは…どうするの?…万丈さんのところ?」

 万丈さんの戻る日本には…フォウも行くと言う…。

 カミーユとフォウが惹かれ合ってるのが…ひどくわかってすごく怖い。
 私は…カミーユにとってただの幼なじみだから…。

 でも、カミーユの答えは私の思いとは全くべつだった。

「いや…オレはココに残るよ」
「へ?どうして……だって…」

 フォウと一緒に日本に行かないの?

 つい出てきそうになる言葉を飲み込みながら、カミーユの言っている意味がわからなくて私はとまどった。

「ファ…オレは守りたいんだ」
「…守りたい?」

 静かにカミーユは言葉を紡いでいく。

「そう…フォウの事もそうだし…ファのこともそうだ。誰かがココに残れば、ファ達の方にはティターンズの目がなかなか行きづらいだろう?」
「そんなっ、カミーユ、大丈夫なの?」

 私は、カミーユが心配になった。

 ティターンズはロンド・ベルとSDF艦隊を解散させ、すべての手柄を自分達の物にしようとしている。
 それでなくても、カミーユとティターンズは因縁深いのに。

「ブライト艦長とかがいるから大丈夫だよ。オレ一人じゃないから…」

 そう言うカミーユのこと…やっぱり心配になる。

「気をつけてカミーユ。なんか心配だけどね」

 私の言葉にカミーユは穏やかに微笑む。

 そう微笑んだカミーユを見るのは久しぶりだった。

 いつも緊張感が消えなかったカミーユ。
 たまには息抜きしたら?
 って何度言おうと思ったのかわからないくらい…。

「ごめん…ファ」
「ごめんって…なに?カミーユ」

 突然、謝るカミーユに私は訳が分からなくってとまどう。

「結局、巻き込んじゃってごめん」
「何言ってるの?巻き込んだって…そう言う言い方しないで、私は、自分の意志でココに来たのよ。カミーユのせいじゃないのよ。だから、気にしないでよ、そんなこと…」
「ファ…」

 カミーユが原因じゃない。
 ロンド・ベルに残ってバルマー戦役を戦うことにしたのは私の意思だ。

「カミーユは優しいね。いつも、私のこと気にかけてくれてる…。ねぇ、カミーユ、私、カミーユのことホントに心配なの。いつも、いろんな事、まともに、自分の中に受け止めちゃうでしょ?それが…スゴくつらそうで…。私、カミーユのつらさ、半分も分かってあげられてないかもしれないけど…、時々は弱音吐いてくれたり、わがまま言ってくれたりしてもいいんだからね」

 ホントは、カミーユだってつらいだろうに、カミーユは滅多に弱音を吐かない。
 だから、私が聞いてあげることで何かしてあげたいって思ったの。

「……ユイ……」
「えッ?カッカミーユ?」

 一瞬何が起こったのかわからなかった。
 ただ…気づいた時は、私はカミーユの腕の中にいた。

「…カミーユ?」

 何も言わないカミーユに私は声をかける。

「大丈夫だよ…。私は、いつも、あなたのこと考えてるよ」

 聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声でカミーユに囁く。
 カミーユは私を抱きしめている腕の力を強め、私の髪に顔を埋める。

「カミーユ……どうしたの?」

 少しだけ泣いているような気がして、私はカミーユをそっと抱きしめる。

 そう言えば、今思ったけど。

「…珍しいね」
「何が?」
「カミーユがわたしのことユイって呼ぶなんて。あまりにも自然に聞こえたから、気づかなかったけど、なんか久しぶりに聞いた気がする」
「そうかな?」
「うん」

 と、私はカミーユの言葉にうなずいた。

 昔…カミーユは私のことユイって呼んでいた。
 いつの頃からか気恥ずかしくなったみたいで呼んでくれなくなったけど…。

「落ち着いたら…連絡いれるから…心配しなくても大丈夫…とは言い切れないけど。不安にならなくていいから」

 カミーユの言葉に私はうなずく。

「無茶、しないでね?」
「大丈夫だよ、ヒイロじゃないんだから、無茶はしないよ」

 カミーユの言葉に思わず笑う。

 ヒイロはよく無茶して、皆のことはらはらさせてたっけ。

「そろそろ行かなくちゃ…」

 私の言葉にカミーユは私の事を解放する。

「じゃあ、行くね」
「うん……………。ユイ」

 その場から立ち去ろうとしていた私をカミーユが呼び止める。

「何?」
「ユイも、気をつけて」
「うん、分かった。じゃあ、また、今度ね」

 そう言って私はカミーユと別れ、ハッチへと向かった。

 

「カミーユ、こんなところにいていいのかい?ファはもう月に行ったけど」

 格納庫で、Zガンダムを整備していたカミーユはアストナージに声をかけられた。

「知っています」
「なら」

 何でここにいるんだい?
 と言いたげなアストナージの言葉を聞く前にカミーユは答えた。

「皆を守りたいんですよ。だから、オレはココに残ることにしたんです」

 と…。

*あとがき*
気持ちよく、カミファ。
だって、みなさん疑問に思いません?
カミくんとファさんの月でのラブラブっぷり!!!
あれ見た時「ありがとうスパロボ!!!」って叫んだけど。
ラブラブっぷりに疑問を持ちました。
カミーユは何故「ファが月にいる」ということを知っていたのでしょうか。
αのエンディングではアストナージ(確か。もう一回見ろって?!)に
「お前は月に行かないのか?ファは月に行ったぞ」
みたいなこと言われてて、カミ君はそれに「知ってます」って答えてんのよ。
って事はさぁ、カミ君はファさんと会話したって事だよねぇ。
人伝えじゃないはずだ!!!と確信し、この話の出番となったわけです。
私的カミファの基本。
ファさんはカミ君のわがままとか聞いてあげたいんだけど、カミ君はそれをなかなか言えない〜〜〜見たいなね。
ちなみに、このαエンディングを見たのはWストーリーを突っ走ったため(ゼクス仲間にする為に)フォウさんが生きてるバージョンはまだ見てないです。見ろって感じ??

USは、globeの「Light2」に入ってる曲です。
このごろglobeづいてますが…、いい曲なんだわ、これ。
「受け止めるに心があるから 愛って文字に近づくのかな」
目から鱗です!!!!さすが先生!!
カミファにぴったりだと思いません???
思ってくれ!!!

こんな感じなんだけど、別人???って気がしないでもないんだけど。
誰か、気のせいって言ってください。
気のせいじゃねぇ!!って言われたらどーしよう…。ムー。
まぁ、笑って見逃してぇ!!(T−T)

カミ君にユイって呼ばせちゃったしねぇ。
いいよね。


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