金色の夢をさがして 切ない10のお題・4・覚めない、夢

 悪夢は変わらない。
 苦しく、そしてつらい。
 それが夢だとはとても思えないまま、その夢を見続ける。
 現実と思いながら。

****

「…大丈夫か?」

 瞼がゆっくりと開き、焦点を定まらせながら、手を出してオレの顔に触れる。

「…どうしたんだよ」
「これは、…夢?」

 寝起きの掠れた声は、そうオレに告げる。

「夢だとしたらどうする?」

 寝ぼけている彼女の本音が聞きたくて、そんなことを聞いてみる。

「…うれしいかな?ここにいるから。夢なら、さめないで居て欲しい」
「そうやってずっと眠り続ける?コレが現実だって分かっても」

 頬にふれられている手を捕まえてオレは挑戦的に彼女を見つめた。

「…………何、手つかんでんの?」
「逃げるだろ?捕まえとかなきゃ」
「…何言ってんのよ」

 はっきりと目覚めた彼女はオレのつかんでいる手を離そうとする。

「どんな夢見てた?」
「うるさいーっ。関係ないーっ」
「関係なくないじゃん。俺たち一緒にいるのに」
「知らないー。それよりも先に手を離してよ」
「やだ」

 そう言ってオレは彼女を抱きかかえる。

「…ちょっとっ」
「どんな夢見てた?」
「かんけい」
「なくない。うなされてたんだぜ、お前」

 オレの言葉に黙り込む。
 目覚める前の彼女は、何かにうなされていた。

「…何の夢?」

 彼女が安心するように背中をゆっくりとさすりながら、オレは問いかける。

「戦争の時の夢?A.U?M.Uが出てきた?それとも出てきてない?」
「……戦争の時の夢かどうかは分からないけど。…居なくて、つらくて、怖くて、バラバラになりそうで。押しつぶされそうで。苦しくって……」

 小声で言う声は掠れる。
 いつ泣き出してもおかしくない、感情の慟哭。
 それが、夢に出た。

「…悪夢は終わった」
「終わってない」
「終わった」
「なんで、そんなにはっきり言えるの?」
「…終わらせたから。オレが、お前の側にいて、お前を起こして。実際悪夢は終わったじゃねぇか?」

 涙を出せないまま彼女はなく。

「怖いよ。苦しいよ。私は次はどうしたらいいの?あんな事があったらどうしていいか分からない」

 混乱する彼女はそうつぶやく。
 押し殺すように。

「夢はいつか終わる」
「……」
「あんな悪夢な事は長くは続かない」
「……」
「夢だったら、幸せな方がいいだろ?」
「…でも夢はいつか終わるって言ったじゃない」
「言ったな。でも、さめない夢もあること知っているか?」

 オレの言葉に彼女は首を傾げる。

「夢を見続けたら、夢は覚めない。誰かが言った言葉だよ。悪夢は終わらせたいと思うだろ?でも良い夢は終わらせたくない」
「夢だよ?」
「良いじゃん、夢だって。見続けたら、いつか必ず現実になる」
「なる?」

 すがりつくように見つめる彼女にオレはしっかりとうなずく。

「なったらいいな」

 無邪気な笑顔でそう言う。
 彼女の夢…願いはなんだろうか。
 オレがその願いに含まれていたらいい。
 そう、願わずにはいられない。

*あとがき*
なんだか、切ない。
彼、彼女の気持ちに気づいてない。
って事は彼もいっぱい、いっぱいらしい。

金色の夢は…TM NETWORKからです。

AU(アーマーユニット)・MU(モーターユニット):(モビルスーツとか、アーマードモジュールとかパーソナルトルーパーとか。)


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