透き通るほどの青い空 切ない10のお題・2・白い天井

 全天モニタから見える外の景色は、敵か味方か区別が付かないほどの混戦となっていた。
 惨状に顔を上げると、透き通るほどの青い空が映し出されていた。

*****

 コロニーのすっきりと晴れることのない筒状の空は、天の町並みが見えないように雲を漂わせている。

「コロニーは、すっきり晴れる事ってないわよね」
「まぁ、6キロ上空に、家や人が住んでいるからな。それが見えたら、怖いだろ?」

 オレの言葉に、彼女は苦笑してうなずく。

「地上にいたとき、真っ青な空が怖かった」
「……」

 つぶやくように言った彼女にオレは言葉をなくす。

「地球の空の青ってスゴく透明だから。でも、どうして怖く感じるのかは分からなかった。…最初は研究所にいたから。その時は綺麗だなって思ってた。でも……、どこまでも、透き通った空の青を見てたら、不意に怖くなった。この中で、自分はひとりぼっちなんだって事を教え込まれたみたいで」

 そう言いながら、彼女は俯く。

 彼女と再会して…記憶の中にある透明な青い空は最大の混戦の中で見た青だ。
 あの青は、ひどく、透明で、たくさんのユニットが壊れていく、あの雰囲気の中では場違いなほど、綺麗だった。
 あの後、彼女はひどく泣いたのを覚えている。

「…だから、コロニーの空を見たときほっとした。雲があるから」
「そっか」
「うん…」
「やっぱ、地球とは違う…か…」

 オレの言葉に彼女はうなずく。

 地球にも雲はある。
 まねたコロニーにも雲はある。
 コロニーは地球をまねて作られたものだから当然だ。

 でも、コロニーの雲と地球の雲はどこか何かが違っていた。

「今は、雲があった方がいいな。なんか、落ち着くかも」
「…コロニーには必要不可欠だからな」
「そうだね…」

 白い雲。
 たとえ、それが空の大地を隠しているものだとしても。
 雲は必要だった。

*あとがき*
地上にいるから周りの物が見えて恐怖には感じないかも知れませんが、周りに何もなかったら、浮かんでる気分になるのかなぁなんて思ってみたり。
お題の白い天井はコロニーの中にある雲っつーことで


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