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*拍手日記:
Final Distance(ロボット物):
というわけで、200題目のお題は宇多田ヒカルでFinal Distanceです。
Distanceが掛かったらアンサーでいいかな?なんて思ってたりするんだけど。

書きたいぜ、ロボット物!!!
ロボット物です。
キャストは一応ラストに書きますこっそりこの人がいいなぁって思ってるんだけど。
問題はキャラ名が無いって事だ!!!
*****
 手を伸ばせば気付くだろうか。
 手を伸ばしても気付いてもらえなくては意味がない。
 この手を取れる距離で居ても構わないか?
 今すぐ取れば…関係は変わる?

title:Final Distance

「手を伸ばせ」
 コクピットブロックのハッチを開けてオレは彼女に声を上げる。
 オレのユニットと彼女が乗る『女神』との距離は手を伸ばし合えばどうにか届く距離だ。
「届かないよ」
 目がそう言っているような気がした。
「−−−−−っ」
 オレは彼女の名前を叫んで手を伸ばす。
 オレは後悔した。
 二度と手を放さないと決めたのに、オレは彼女がのばした手を掴まなかった。
 いや一瞬掴むのをためらったのだ。
 彼女の手を掴む。
 ドコにも渡さない。
 だが、それでいいのか?
 そう戸惑った一瞬に彼女の手はオレの手からすり抜けるように届かなくなってしまったのだ。
 最初の後悔をオレはもう一度する羽目になった。
 たった一瞬の出来事への後悔。
 だから、今度は諦めるわけにはいかなかった。
 どんなに手を伸ばしてもたとえ届かなかったとしても。
 オレは手を伸ばし続けなくてはならない。
「手を伸ばせ。オレがっっ」
 なんて続ける。
 考える余裕もなくオレは手を伸ばす。
「−−っ、オレの手を掴んでくれっ」
「あたしはっっ」
 彼女のとまどい。
『敵部隊の増援が来る。無理矢理にでもさらってこい』
 無茶苦茶な艦長からの通信。
『援護するぞ』
 は隊長だ。
『帰っておいで』
 クルーの声がオレのユニットを通して彼女に届ける。
「聞こえてるだろう?みんな待ってる。オレも、お前が戻るのを。だから、この手を」
 増援部隊の攻撃が始まった。
『女神』に接近しているオレに攻撃を仕掛けてくる。
「早くコクピットの中に」
「お前もだ、−−っ」
「あたしは」
「つべこべ言わずにっ」
 機体を操っていたもう片手を外し、機体につかまって漸く届いた彼女の手を無理矢理つかみ『女神』の中から引きずりだして、オレのユニットに押し込む。
「艦長、奪取成功。今から撤退行動取りつつ迎撃します」
『了解した、では指定ポイントまで到達した後一気に撤退する』
 艦長命令に頷く。
 彼女はオレの足下にいる。
 コクピットの中は案外広くてそこが一番安定するからだ。
「大丈夫か?」
「うん。大丈夫」
 オレの顔を見て頷く彼女の表情はあまり大丈夫のように見えない。
『女神』の性能は設計者の一人の話で聞いてたからおそらく負担になっていただろう。
「お願いがあるの」
「何?」
「一回、女神を攻撃して、コクピットの位置を」
 今『女神』には誰も乗り込んでいない。
 敵の部隊が回収しようとしているがオレ達の攻撃のせいかそれとも他の味方部隊の攻撃のせいかまだ回収できていない。
「いいのか?」
 オレの言葉に彼女は頷く。
「……分かった」
 狙いを付けて、彼女の言葉通りの位置に攻撃する。
「あれは……ない方がいいの……」
 そう言って彼女はポケットからリモコンを取り出し押した。
 遠隔の自爆スイッチ。
「なんで、あんなものがあるんだろうね」
「……ごめん」
 それ以外にオレには言葉が見つからなかった。
「なんで謝るの?」
「…オレは答えられないから。言いたいこと分かるし、オレもそう思う。きっと、狂った奴が造ったからって言う答えもあるかも知れないけれど、あまりそれも考えたくない……」
「……そっか」
 オレにもたれかかって彼女は俯く。
「少し、スピード出すぞ」
「うん」
 艦に戻るため機体速度を上げる。
「お帰り」
 忘れていた言葉をオレは彼女に告げる。
「……ただいま、ありがとう」
「礼なんていらない。オレの手が届くところにいてくれればそれでいい」
「欲ないね」
「あるさ、俺自身、呆れるほどにな。でも今はそれでいいって思ってる」
「そっか」
 手をのばして届かないなら、届かせるまで。
 距離は、近い方がいいけれど。

*******
かるくなんか山場?
まぁ、というわけでキャスト紹介。
主人公、杉田智和さん。ヒロイン、相沢舞さん。隊長、置鮎龍太郎さん。艦長……小杉十郎太さん?
かな?
艦長はなんか微妙です。

まぁ、とりあえず、一旦ココでiTuneお題はお休みします。
でも、1年に100題が目標かなぁ。
2008/12/30(Tue)

Flavor of Love(under):
本当はこれで終わりだと思ってさぼってたんだけど、あと1話有ることに気付いて驚いてます。
というわけで、本日のお題は宇多田ヒカルのFlavor of Loveです。
鼻歌でつい歌いやすい歌。

under the skyで書きます。
所でunderでなかなか主人公達が書かれないで他の話ばっかり書いてるのは番外編の方がメインだからです。
というわけで、やっぱり番外編。アシュレイとカリィ。
********
「…アシュレイ…ありがとう」
 カリィがオレに礼を言う。
 あぁ、ついにこの日が来てしまったのだ。
 オレは愕然と為った。
 今まで繋ぎ止めていたモノはカリィのそれで断ち切られる。

 きっと彼女はそれを選ばない。

title:Flovor of Life

 ここは、冥き地。
 魂の安息の地ではなく、通過点。
 ここにとどまる魂は、彷徨う魂。
 今亜mですごしてきた世界に未練がある者達がとどまる場所。
 オレは、この世界を統治する者。
 というよりも、この世界の理を見守る者と言った方が正しい。
 だから、オレは魂の分別などしない。
 彼等は勝手に分かれていく。
 自分の行き先を理解して。
 時にはだだをこねるのもいるけれど、オレは基本的には関与しない。
 冥府王の力に普通の魂が近づいたら消滅してしまう可能性があるからだ。
 そうなったらもう二度と次の世に生まれる変わることはない。
 でも、その危険を冒してまで近づいたのはカリィ。
 彼女はさまよえる魂。
 流れる川の畔でボーッと惚けているところをフレイアが見つけてオレに言ってきたのだ。
「イルヴィスに見つかったら強制的に何処かに送られるから」
 との理由で。
 イルヴィスはこの冥き地の管理者だ。
 だから魂の行く道を決定づけることが出来る。
 ある一定期間過ぎた彷徨う魂は彼が分別して送っている。
 だが、フレイアはどうしても保護して欲しいと言ったのだ。
 寂しそうな笑顔を忘れることが出来ないから。
 と。
 今までフレイアはそんなことを言わなかった。
 彼女はイルヴィスが作り上げた人形。
 ただ、イルヴィスの側で笑っている者。
 それ以上にイルヴィスの仕事を見て、オレのやっていることを見て彼女はオレ達の存在理由を理解しているはずだ。
 その、フレイアが言ったのだ。
 オレは興味を持って彼女を見た。
 フレイアがそう言った彼女を。
「あぁ…」
 声を上げずには居られない。
 彼女に架せられていた宿命を運命を思って。
 彼女が彷徨わずには居られない理由を思い出して。
 カリィの魂にはその宿命がしっかりと刻み込まれていた。
 この宿命は消えることがない宿命。
 次に生まれ変わっても彼女の魂は宿命をしっかりと刻みつけているのだ。
 それが彼女に負担に為っていることにオレは気付いた。
 傷つけられた宿命は先も続く。
 だから、フレイアは気付いたのだ。
 同じ運命を延々と続けるであろうカリィに。
 ならば、彼女の傷を癒し、彼女の記憶を上書きする。
 そして昔語りをすることでその上書きされた記憶が元に戻るようにオレはカリィに施した。
 そして記憶が戻ったのなら、彼女の魂を解放する……。
 カリィからの
「ありがとう」
 は彼女の記憶が戻った証。
「カリィ……。流れに……戻るといい」
 オレは、ずっと見守っていく。
 今までもこの先も。
「アシュレイ、お前はそれでいいのか?」
 カリィがオレに問い掛ける。
 それがこの世界の理。
 オレはこの冥き地の理を守る王。
 カリィはひょんな事で、ココに来たけれど。
 それでも手放して見守ろうとそれが正しいことなのだ。
「私は、今更流れに戻りたいとは思わない。お前からさんざん流れの先見たり聞いたりしたからな。今更だと思わないか?」
「それでも…、君は戻らなくちゃ為らない」
「それが運命だというのなら、アシュレイ、私はそれに逆らうことは出来ないのか?お前の側にいたいと思ってはいけないのか」
 彼女はまっすぐにオレを見つめてくる。
 昔と変わらない。
 あの時と、出会ったときと変わらない。
 彼女の運命は気付いていたけれど、それを止める事はオレに出来るはずもなかった。
 それは理であり運命だからだ。
 理は壊れるわけにはいかない。
 少なくとも操れる立場にいる者は理を壊すわけにはいかないのだ。
 本当はこんな形でカリィと再会はしたくなかった。
「アシュレイ、私はお前の眷属じゃないのか?私は死神のルーザじゃないのか?お前が付けた名前だぞ?」
 それはカリィを守るための名前。
 眷属としての名前じゃない。
「カリィ、君は戻りなさい」
「冗談じゃない。勝手に閉じこめたのはお前だろう?それなのに今更外に出て行けと言うな」
 彼女を閉じこめたのは彼女をこの地の空気になじませるわけには行かないから。
 なじんでしまったらそれこそ、この地に永遠にとどまらなくてはならない。
「……せっかく、思い出して、お前に会えたことも思い出せたというのに。それすらも忘れろとお前は言うのか?」
「……カリィ、君は分かるはずだどうするべきなのか。何が正しいのか」
「戻っても、国はない。礎はゴルドバに集約されているのに?巫女としての運命も王女としての運命も私には既に無い。普通の何処かの街に生まれて過ごすのも悪くないだろう?でも、それ以上に私はこの地に残りたいと、お前の側にいたいと思ったらダメなのか?アシュレイ、私はずっとお前を忘れたことはなかった。忘れたくなかった。好きだから……。でもお前は冥府王で私は国の王女であり巫女だった。巫女がこの世の者ではない者に思いを寄せるわけには行かなかった。でも今は違うだろう?私はココにいる、アシュレイ・ゼブル。お前の前に…側に。……」
 ……カリィに会ったのはまだ彼女が幼い頃だった。
 かの国で巫女王女に為る者は幼い頃に洗礼を受ける。
 そして有る一定期間の後に国民に巫女位に着いたとお披露目されるのだ。
 カリィにあったのはその時だった。
 誰もオレの姿に気付かなかったというのに彼女だけはオレの存在に気がついた。
 それだけ彼女の力は強かったのだ。
 目が離せなくなっててオレは彼女を見守るようになった。
 そんな矢先に彼女に宿命がくだった。
 そしてこの地に来た。
「君はどうしてそう聞き分けが悪いんだ」
「ただ、側にいたいだけなのに、それでもダメだというのか?」
 強制的に戻してもいい。
 それが正しい。
 でも、……。
「二度と、輪廻の輪に戻れなくても構わないと?それでもいいと?」
「構わない。アシュレイと一緒にいられるのなら」
 それが出来ないのはオレの悪いところなのだろうか。
「分かったよ。君には負けた。カリィ…」
 オレは彼女の手を引き自分の腕の中に引き入れる。
「オレはずっと君を見守るつもりだった。何度生まれ変わったも見つけて遠くから見守るつもりだったんだ」
「冥府の王に魅入られているのは守護されているんじゃなくっていつ死ぬかと手ぐすね引いている様な者だと思うぞ?」
「それもそうだね」
 カリィの言葉にオレは笑う。
「ありがとう、アシュレイ。今まで見守っていてくれて。ありがとう、これから先も側にいることを許してくれて」
 腕の中で静かに言うカリィ、オレはゆっくりと頷いた。

*****
カリィとアシュレイの話。
カリィが何故、アシュレイの側にいるのかという説明が出来ました。
でもなんで来たのか寂しそうな微笑みを見せているのか。
アシュレイが声を上げずには居られなかった彼女の宿命。
とかはまだ書いてないです。
そのうち書きます。

あと1回!で200。
これが200だと思ってたんだけどなぁ……。orz
2008/12/28(Sun)

WILD HEAVEN:
本日のお題はTMNでWILD HEAVENです。
RythmRedでTMから離れていた私の心を再びTMに戻した名曲。
大好きなんだよこの曲。
しかもCLASSIXのExtended Hard Core Mixは首都高にぴったりの曲だと思います。
夜中の首都高って良いよね(京都行ったとき夜行バスに乗るので夜中の首都高を走るデスよ)。

でも、何にしよう……。
好きな曲に限って何を書こうかって悩むんだよね。
年内はオリジナルオンリーにしたいと思ってるし(って言いながら一寸前ケロロ軍曹で書いちゃったけど)。
まぁ、何とかなるよね。
そうだ、一寸ずつ進んでるミアの恋バナにしよう。

********
 それが正しいか分からない。
 でも今は知らないで欲しい。
 私がそうであることを。
 いつかは知ってしまう私のこと、そして貴方の運命。
 貴方がそれをどのような形で選択するか、私は知らない。
 知りたくないし知られたくない。
 知りたいし知られたい。
 近いうちに迎える選択肢を彼はどのように受け止めそして選ぶのだろうか。

title:WILD HEAVEN

 スクードの森の元々の街道だったところの宿場街跡でわたしとロシュオールは一日の疲れを取ることにした。
 今まで通ってきた宿場町の中では一番程度が良いところで、その宿場町の結界は元々強固なモノだったようだ。
 とは言え、スクードの街道にあるはずの要である神殿が崩壊した事による弊害はたとえ結界が強固なものだとしても、もろく崩れているのは当たり前の事で、わたしとロシュオールが使うことの出来る結界を張って漸くそれなりに一息が付けるという状況だった。
 わたしがハーシャに向かいそして今ロシュオールと行動しているのは、彼がゴルドバに来る運命を持っているから。
 どんな人間だかわたしは知りたかった。
 ロシュオール・ダルハート。
 斬首王と呼ばれたハーシャの国王の側近であり国家が有する魔法騎士団の団長であるスペルナイトマスターの称号持ち、赤の魔法騎士という色称号の所持者でもある彼。
 ある日を境に幽閉されていた人物。
 彼は何をして幽閉されたのだろうか。
 それは彼と共にこのスクードの森を歩いている内に想像がついた。
 彼は王に進言したのだろう。
 その事が王には気にくわなかった。
 あまり王のことを語らないロシュオールの口調からはそれが読み取れた気がした。
 まだわたしはロシュオールのその人となりを知らない。
 出会って1日、そうまだ1日しか経っていない。
 目が覚めたわたしは隣に…とは行っても少し離れた所にロシュオールが眠っているのを確認し結界を張った部屋から外を出る。
 森の中に横に光が走っている。
 朝が始まっていた。
 細い光は静かにその強さと太さを増しこの森を照らしていく。
 この森の神殿がドコにあるのかわたしは心当たりが無い。
 魔物が横行するこの森に朝日の光はこの森を清めていくように感じる。
 このまま彼と旅を続けることが出来るのなら……。
 そんなことを小さく考える。
 不可能だと分かっているのにそれでもわたしは……。
「ミアっ。はぁ、ドコに行ったのかと思ったよ」
 目を覚ましたロシュが息せき切って近寄ってきた。
「おはよう、ロシュ」
「おはようって…なんでそんなに暢気なんだよ。オレはミアが結界が弱まって何かに連れてかれたかと思ったんだぞっっ」
 心配してくれていたらしい。
 まだ息も絶え絶えなロシュにわたしは泣きそうになった。
 わたしを巫女だと知らないロシュがわたしを心配していると。
「ごめんなさい、ロシュ。目が覚めたから少し歩きたかったの。丁度朝になる時間じゃない?」
「だからって誰にも言わないでって言うのは、勘弁して欲しいって」
「そうね」
 本気で心配してくれていることにわたしは嬉しくでも申し訳なく思う。
「朝ご飯食べたらまた今日も進もうぜ?でも、神殿ってどの辺にあるんだろうな?」
「森の中間あたりって聞いたこと有るけど」
 確か、そのあたり。
 わたしの曖昧な記憶ではそうなってる。
 こっそり確認してみようか。
 今はまだこのたびを満喫しよう。
 いつかの時がくるまでには……。
*****
楽しい感じの話になるはずが、何処か切ない話になりました。
再び、終わりの頃で眠さ爆発m(_ _)m.zZ。
というわけで、ミアの恋バナです。
う、あんまり先に進めなかったです。

眠いから気持ち悪くなって……?あれ?眠いせいで気持ち悪くなる?
まぁ、いいや、残り、何話?
2008/12/17(Wed)

THE POINT OF LOVER'S NIGHT:
本日のお題は、TMNでTHE POINT OF LOVER'S NIGHTです。
RYTHM RED収録。
どっかにそんな岬があるそうで?木根さん原作で映画にしようという話があったらしいです。
そうしたら、どんな話になったんだろうね。

というわけで、まぁ、遅くなりましたが本日のお題。
うーんと考えて浮かんだので相変わらずunder the skyですがご了承下さい。

******
「女王陛下、貴方のやり方では国は守れませんぞ?」
 足下を見るかのような隣国の使者の言葉にレリィは影でそっと息を吐いた。

title:THE POINT OF LOVER'S NIGHT

「ふぅ」
 部屋に入りようやく詰まっていた息を吐いたレリィにヒューゴは眉をひそめる。
「どうかなさいましたか?ヒューゴ」
「疲れたのか?レリィ」
 そう問い掛けたヒューゴにレリィは小さく頷く。
「……そうか」
 ヒューゴはその言葉に部屋を出る。
 レリィが疲労しているには訳があった。
 先ほど行われた会談。
 隣国との会談だが、それはこのレオニートにとっては非常に都合の悪い会談と為ってしまったのだ。
 女王であるレリィはそれを必死に立て直そうとしたのだが、相手国の人間は狡猾なのかレリィの言葉をのらりくらりと交わしていく。
「レリィ、これでも飲むと良い」
 部屋に何かを携え戻ってきたヒューゴはそれをレリィに渡す。
「レイズのお茶ですね」
 受け取りレリィは微笑む。
 狭い国土ではあるがレオニートの特産品である柑橘の果物レイズ。
 そのままではもちろん、お茶やジャムに出来る果物として国民に慕われている『レイズ』。
 それのお茶をレリィはいつも飲むと知っているヒューゴは持ってきたのだ。
「ありがとうございます、ヒューゴ」
「構わない。今はお前の疲労を回復させるのが先決だ」
「……私の疲れなど……国民の皆様方の苦労からすれば大したことはありませんわ。私はただ平和を望んでいるだけですのに……」
 レリィの言葉にヒューゴはただ俯く。
 彼女やこの国の人間は大したことは望んではいなかった。
 元々狭い国土、隣国の争いにも巻込まれるこの国の人間はただ平和に過ごすことだけを願っている。
 女王となったレリィも例外ではない。
 普通の市民として生活していた彼女が王家の生き残りとしって女王となった今でも彼女は平穏な生活を望んでいる。
「ヒューゴ、平和であれと願う私の願いは大それた事なのでしょうか?誰もがそれを望むはずなのに……。ただ私だけがそれを願っているような……とても一人を感じます」
 クーデターで国を追われまたクーデターで王位を得たレリィは孤独をひどく感じるのだろう。
「そんなことはないはずだ。レリィ、誰もがその事を願っている。オレもレリィと出会って平穏を望むようになった。レリィ、お前はお前の望み通りにしろ。オレはお前を守るためにお前が望むことのために動こう。レリィ、お前の居るところがオレの平穏であり平和なのだから」
「………」
 彼の言葉はとても寂しい。
 自分が居なくなってしまったらヒューゴはどうなってしまうのだろうか。
 彼の幼少は暗闇だったという。
 それを思うとレリィはただたまらない気持ちになるのだ。
 それでもレリィはただ黙って頷くことしか出来なかった。

******
というわけで、レオニートのお話。
遅くなりましたが。
イントロと内容がまったくかすりもしないような話になってしまったのでイントロを変えました。
歌の『沈む太陽と光る月のシルエット 泣き出しそうな夜と君に』の所使いたかったな……。
HTML版では入ってたりして?

後6本で200?
2008/12/15(Mon)

フーガ(under):
本日のお題は、ユニコーンでフーガです。
また難しい歌って言うか、書きづらい歌って言うか。
ねぇ。

とりあえず、無尽蔵に話を増やすことが出来るunderにしよう。
本当は、書くつもりの無かったイルヴィスとフレイアの話でも。
*****
「ルビー色だな。フレイアの色は」
 髪も、瞳の色もフレイアの色は赤いルビー色。
「ルビー?カリィはそれを見たことがあるの?」
 私の言葉にフレイアは首をかしげる。
 フレイアは見たことが無いのだろうか?
 イルヴィスならいくらでも持っていそうだが。
「見たこと有るというか持っていたぞ。自分の身を飾るのは好きじゃないが見るのは好きなんだ」
 部屋にはたくさんあったな。
 装飾を施していない宝石が。

title:フーガ

 フレイアはオレが造った人形だ。
 宝石の色を持った人形を作ろうと思ったのだ。
 きっかけは遠い昔に忘れた。
 造る段階になってどういう色を使おうかと悩んだ。
 そこに浮かんだのはルビー。
 強い紫みがかった赤いルビー。
 彼女をかたどるのはそれがいい。
 心臓の部分にはルビーを入れて、そうすれば髪も瞳もルビーの色になる。
 時の流れに取り残されたオレは彼女を造るのに夢中になった。
 オレの作業にため息をついているアシュレイをよそにだ。
 ため息なんかつかれてもオレは気にも止めなかった。
 ただ、造ろうと思ったのだ。
 名前はフレイア。
 情熱の女神らしい。
 よくは知らない。
 他の世界のことをオレは別に知りたいと、思わなくなった。
「フレイア」
 そう呼べば彼女は小首をかしげて
「何?」
 と問い掛ける。
 それで十分だと思った。
 オレはそれで手に戻したと思った。
 彼女の姿形は彼女と同じだ。
 ルビーを色に決めたのも彼女がルビーを好きだったからだ。
 強い紫みの赤いルビー。
 でもオレはその彼女を忘れている。
 忘れた変わりにフレイアを手に入れた。
「イルヴィス、ルビーってどんなもの?」
「カリィと何を話しているのだと思ったらそんなことか」
 今のオレには大して意味のない宝石。
「そう、カリィが私の髪と目はルビーの色をしているって言ったの。私、ルビーをみたこと無いからイルヴィスなら持ってるだろうってカリィが言ったから」
 ルビーは持っていただろうか。
 持っていたモノは全てフレイアをかたどるために使ってしまっただろうか。
 覚えていない。
「イルヴィス?」
「フレイア、どうしても見たいのか?」
 声が震えた気がした。
 なぜ、オレの声が震える。
 オレは何を恐れている?
 フレイアにルビーを見られることをか?
 記憶が戻ることがか?
「ただ、気になっただけ。私の色がルビー色だって言うならそれでいい」
 震えを感じた?
 フレイアはオレの恐怖を感じて見なくても構わないと言ったのだろうか。
「イルヴィス?どうしたの?」
 オレの頬に触れてフレイアは聞いてくる。
 オレは………。
「フレイア、お前はオレの側にいろ。ドコにも行かず、オレの側にいろ。いいな」
 あぁ、彼女はもう居ないのだ。
 オレの側にいたはずの彼女は。
「約束するわ、イルヴィス。私は貴方の側にいる。ドコにも行かず、イルヴィスの側に。イルヴィスを一人きりにはさせない………」
 オレを胸に抱きフレイアはそう言う。
「ありがとう、フレイア」
 そうしてオレは目を閉じ眠る。
「約束するわ、イルヴィス……もう、二度と離れないと……。

「イルヴィスは愚かだよ。自らの記憶を封印し、そしてフレイアの記憶も封印してる。そう思いこませたんだ。
自分と、彼女を」
「……何のために?」
「さぁ……そこまでオレは知ってるわけじゃないさ」

*******
イルヴィス書くって決めたら案外素直にかけました。
………曲を知ってる人は、どうしてあの曲からこんな話が出来上がるのが不思議って思うかも知れませんね。
『時の流れに取り残され、君の名前も少しずつ忘れていく (中略)一人きりにさせない』
ここら辺かな?
この辺でこの話が浮かびました。

もうちょっとで200題終わると思う。
さぼろうと思ったけど、頑張ってみました。
2008/12/14(Sun)

ライオン:
本日のお題はシェリル・ノームとランカ・リーでライオンです。
マクロスFの後期エンディングでした。
前期の真綾ちゃんが歌ったトライアングラーもいいけど、こっちも良いよね。
もちろん、両方菅野よう子さん作曲。
この人も天才だよなぁ………としみじみ思ってみる。
なんであんなに違う曲調の曲を同一人物が作ったとはとても思えない曲を作れるんだろう。
聞き込めば……この曲が菅野さんだって分かるようになるかな?

何で書こうかな?
簡単なようで難しいアニソン。
underにします。
今、浮かんだ。

*******
「リー……ミディアがアルガトム帝国に捕まった」
 フェノーがリーにそう言った。
 どういう状況だか理解しているだろうに。
 このエルフの王子だとのたまったこいつはそう言った。
「……で、?フェノーはどうするつもり?」
 自分が何をすると答えもせずリーはフェノーに問い掛ける。
「オレは…助けに行く」
 そう言う顔はエルフの王子だと言うことを半ば信じられそうな表情だった。

title:ライオン

「リー、どうしてココに」
 何故か貼り付けになっているミディア。
 あたしは空から呪文を使って彼女の側に向かう。
「助けに来たのよ、バカ」
「自分が狙われてるの忘れてない?それに今ココは」
「召喚魔法の実施中って奴?」
「分かってるならあなたも巻き込まれるわよ。ここは呪文が使えばいつココに充満している魔力が暴発するか分からないのよ?」
「あたし使ってるわよ?」
 ミディアは分かってない。
 あたしが呪文使ってここまでダイレクトにやってきてることを。
「ロンにバレたの。ココに来るって事、フェノーもすぐに来ると思うわ。ヴィルド残してるし、あの子はすぐに他の子達と合流する。この外周部にロン達もすぐに来れる」
 遠くから爆発する音がする。
「な、何?」
「イフィーリの合図。ロンとフェノーが到着したって。すぐこっちに来るわ。ここは見晴らしが良いものね」
 周囲には何も無い。
 ただ貼り付けになってるミディアだけ。
 それから少し遠く離れた場所に見物席。
 あれだけ離れたって安全だと思ってるのかしら?
 足下が揺れる。
 地鳴りがする。
 あわてふためく見物席。
 あぁ、来たんだわ。
「来たわよ、ミディア。まずはこいつを押さえるわ」
 その為に、小アルカナ何も入れないでおいたんだから。
「リー、影が集まってる」
「闇の門よ、そこから出てくるの」
 そこら中から影が集まってくる。
 膨大な影が盛り上がり闇が増えていく。
 そしてミディアとあたしを見つける。
「リー、来るわよっ」
「今、展開させるわ」
 持っていたカードを展開させる。
「宙の海よ、偉大なる星々の力を結べ、アレフ・ベートを解しセフィラに至れ!!」
 影が展開されているカードの前で止まる。
「リー、どうなってるの?大体、そのカード」
「ミディア黙ってて死にたくないなら」
 地鳴りが止んだ地面に落ち着いたのか見物席の面々が今起っている状況に沸き立っている。
 そしてあたしに気付いたらしい。
 気付かれたら困るし、捕まる前にあと一回。
「私は、汝等の力を解すもの。闇の海よ、脅威となる星の宮の力を結べシン・クブを解しクリファに至れ!そして、私は汝等の力を拘束し使役するもの。バチカル・エーイーリー・シェリダー・アディシュス・アクゼリス・カイツール・ツァーカブ・ケムダー・アィーアツブ・キムラヌート」
 もがき始めた影が最期の言葉で円上に展開されているカードの中に吸い込まれていった。
「終了」
「リー、どういう事?」
「詳しくは後で、今は逃げるわよ」
 なんか頑丈に縛られているミディアの手足のひもを切り落とす。
「そうはさせない」
 あたし達の目の前に立ちふさがるフェルト。
「まさか、召喚魔法を吸収するとは思わなかった。帝国の威信丸つぶれってやつだ」
「あたしとやり合うの?」
「剣と呪文、どっちが早いかな?」
 悔しいけど、こう近いと剣の方が早いかも。
 カード展開させればで乗り切れるけど、少し落ち着かせたい。
「君には、死んでもらう」
 そうフェルトが剣を振り上げたときだった。
 剣を居る金属音。
「残念ながら殺させる訳にはいかないな。リー、ミディア。二人とも走れるか?」
 声を上げるのはロン。
 もちろんフェルトの剣を折ったのもロンの銃。
「大丈夫よ、いけるわよ」
 ロンの言葉に頷いたあたしとミディアはロンの威嚇射撃の横を抜けて走り出す。
 逃げ出した先にはフェノーが転移の呪文を展開させていてあたし達はそれを使ってアルガトム帝国から逃げてきた。
「リー、無茶しすぎだ」
「まあね。でもこれで小アルカナも活用できるわ〜」
「リー、タロットは占いに使ってよ。魔法に使用するなんて……」
 固いこと言わないのっっ。
「あんたのせいでますます帝国から狙われる羽目になったんだからね」
「ご、ごめん」
「謝るんだったら帝国つぶす方法考えて」
「相変わらず無茶言うなぁ」
「遠回しに助けてくれっていったフェノーもよ」
「うわ、やぶ蛇って奴だ」
 まったく。
「ホント全くだ」
 ロンと二人で思わず頷き合ってしまった。

******
仕事中に考えてたリーのピンチにロンが助けに来る話です。
いや、ちょっと何かが違う……。
ロン編があったんですがさくっと削除。
リー帝国の召喚魔法を利用し強奪する編としたほうが良いような気がします。

年内に終わりそうだ〜〜〜。
2008/12/12(Fri)

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