晴れた日の海で
「んーいい天気!!」
 朝、甲板に出て私は伸びをする。
 そして、今日の天気の確認。
 早く起きるのは航海士としての鉄則。
 今日の海の様子がわからないようにならなくちゃいけないものね。
 そして、船首にいる奴の所に行く。
「こら、なんて言う所で寝てんのよ、あんたは!!」
「ん?オハヨーーーー」
 まだ寝ぼけているらしいこの船の船長は間延びした挨拶をする。
「ったくぅ、オハヨってねぇあんた、風邪ひいたって知らないわよ」
 この男の体が風邪を引かない化け物じみた体質だと知ってはいてもやっぱり心配してしまう。
「オレ、風邪ひかねぇぞ」
「そう言う問題じゃないでしょう」
 案の定帰ってくる言葉に私は頭を抱えながら言葉を返す。
 つい、こいつの顔を見ると文句の一つや2ツ言いたくなる。
 それでも、一度は裏切った私を……、文句の一つも言わず、迎えに来てくれてしかも受け入れてくれたこいつに……感謝をしたい。
 …好きだって気付いたのは……いつだろう。
 嫌だから、頭に来たから、と言うこいつの精神は普通の…、そう、今まで私が見てきたどの海賊とも違った。
「何で海賊になったの?」
 って聞いたら
「カッコイイから」
 の一言で片づけられた。
「甘いんじゃないの?」
 って言ったら
「そうかもな」
 とあっさりと肯定する。
 単純で、能天気なこいつに…私は初めて逢ったときから気になって…好きになってたのかも知れない。
「ねぇ、……そっちに行ってもいい?」
 そこは…そいつの特等席と知ってはいても…聞いてみる。
「んー?かまわねぇぞ、来い」
 相変わらずの物言いに思わず笑みがこぼれる。
 側にいたい。
 側にいさせてよ。
 もし、アンタが許してくれるんだったら…私はアンタの側にいるから…。
 ルフィが私のために開けてくれた場所に座りながら私は思う。 「ナミ」
「…ん、何?」
「…オレの側からいなくなるんじゃねぇぞ」
 不意に言われる。
 ちょっと…何でそう言うこと…簡単に言えちゃうのよ…。
「オレは、オレが船長で、ナミが航海士じゃなくっちゃ嫌だ!!だから、オレの側にいろ。ナミがいなくちゃおもしろいこともつまんなくなるだろ?」
「……分かったわよ。嫌だって言ったってアタシはアンタの側にいるわよ」
 大好きだから側にいるわよ。
 約束ぐらい、してあげるわ。
あとがき
ルナミ処女作………。
映画化第1弾?だっけナミがウェディングドレス着て麦わらかぶってたのって。
それのノベライズをちらっと読んで書こうと思った奴。
加筆ちょっとだけしてます。


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