OPERA NIGHT〜極彩色の世界〜

「あけましておめでとうございます」
 菊ちゃんと杯を交わしながら言い合う。
 目の前には菊ちゃんが作ったお節料理、テレビにはバラエティ番組。
 まったり、過ごすつもりです。

皇帝達の仕事中 

 年明けて、一月某日。
 タイムズスクエアは日本の正月明けの雰囲気とは全く違うただのにぎわいを見せていた。
 新年を祝う文字なんかが見えるのはチャイナタウンぐらいだ。
「そろそろ春節の準備ある」
 ってにーにが言ってたっけ。
 日本は旧正月も新正月(っていうか?)も関係ないから、別にいいんだけど。
 アーサーが「日本はどうしてクリスマスが終わったらもう次に変わるんだって言ってたらしいけど……。
 確かに、改めて言われてみればカオスだよね。
 スーパーなんかじゃお正月用品の隣でクリスマスの商品。
 正直指摘されるまで考えたことなかったんだけど。
 まぁ、それが当たり前なんだと菊ちゃんと笑いつつ。
 まったりとした正月を過ごせるかと思ったらとんでもなかった。
 久しぶり(中学以来)に大晦日の夜から神社に向かったよ(二年参りって言うんだよね)。
 紅白見て、除夜の鐘を聞いて、夜中寒い中、神社まで菊ちゃんと二人で。
 人ごみ、凄かったです。
 帰ってきて寝て、朝起きて二人で宴会。
と過ごす、初めてのお正月です。腕によりをかけてみました」
 お重箱に詰められた色鮮やかなお節料理。
 正直な話、お節料理全集食べられるなんてこと出来るわけない。
 きんとん苦手だし。
 今回初めて『なます』のおいしさに目覚められたぐらいだし。
 2日目は上司の上司に挨拶に行って、もう一回神社にお参りして。
 2日目が忙しかったから、まったり過ごした感がないのかも。
 そんな三が日を過ごしたのち、菊ちゃんとアメリカにやってきたわけだ。
 日本はまだまだお正月気分が抜けないTV番組とか神社に向かう着物姿の人とか見かけるのに(気分的にもお正月の延長戦状態だね)ニューヨークは新年なんてどこ吹く風、いつもと同じ顔を見せている様だった。
 お正月なんてあるのは多分、東アジアぐらいなんだから仕方ないと言うところか…多分。
 ニューヨークの会議場から目的地に向かうためにタクシーを待つ。
 ちなみに会議はまだ始まってない。
 待ち合わせ場所がココなんだよね。
「ホントに大丈夫か?」
 アーサーがあたしの肩をつかんで言う。
 かなり必死の形相だ。
 何が、そんなに心配なんだ?
「危険きわまりないところ何だぞ!!ニューヨークは!!」
 いつの時代だ!!
 数年前のニューヨークは危険って聞いたけど、今は安全なんでしょう?
「お前はどこかぼーっとしてるし、いろんな奴に目を付けられてるし、オレが一緒に行ければいいのに、クソッ」
「一番危ないのは、君でしょう?アーティ」
が、ふらふらして危ないって言うのは同意見だぜ」
ちゃん一人で大丈夫?」
「すっげー心配なんだけど」
 ………アーサー、ギル、フェリシアーノ、ロヴィーノの4人に言われる。
「愛されてますね」
 いや、違うから。
 愛されてるっていうの、これ?
 ただの子供扱いじゃない?
 でも、大丈夫。
 今日は(っていうかいつもだけど)通訳、いるもんね。
、こちらについたようですよ」
 菊ちゃんの言葉に待ってると
「アーサーの野郎が居るですよ、アルフレッド」
「そりゃ居るさ、今日は会議だからね」
「じゃあ、ボクも出るですよ!なんたって、シー君だって、立派な国ですからね」
「あれ?ピートは菊に頼まれた事があったんじゃないのか?」
「そーでした。ピー君は菊に頼まれた重要な使命があったんですよ!」
 遠くから見るとスゴくほほえましい二人組がやってくる。
 アルと眉毛に特徴がある男の子。
 眉毛を見て思わずアーサーを見てしまったのは言うまでもない。
「アルトの隠し子来た!」
「隠し子じゃねーって言ってるだろうが!!」
「同じ様なもんでしょ?ほら、子供のしつけちゃんとしないから反抗されちゃうんでしょ?」
「知ったような事言うんじゃねえ!!!」
「DDDDDDD」
「テメーが笑ってんじゃねえ」
「boooo、オレが笑って何が悪いんだい?フランクは事実をいったまでじゃないかDDDD」
「くっそー」
 アルフレッドとフランシスさんにからかわれるアーサーを見てたらなんだか気の毒になってきました。
 隠し子扱いされてる少年はピーター・カークランド。
 そう、シー君、シーランドですよ!!!
 実は初対面ですよ!!
 菊ちゃんの後をついて行ってもなかなかシー君には(アーサーには会えるのにね)会えずに、今日初めてですよ。
「お前がですか?僕は体は小さくても心はとっても大きいシーランド、ピーター・カークランドですよ!!。アーサーの野郎は……一応親戚???ですよ!!」
「親戚じゃねーよ」
「!!!親戚じゃない!!!ピー君、独立!!アーサー、ようやくピー君を一人前と認めたですね!!」
「認めてねーよ!!ふざけんな、お前はただの海上要塞だろうが!!!」
 ほほえましい親子げんか……と言ったら、いくつの時の子?ってなりそうだから、年の離れた兄弟げんかにしておこうか……と言ってもいいのだろうか。
「とりあえずですね、ピーター君、会議の間、の事をよろしくお願いします。英語が不自由なものですから、通訳などを。後でお礼はさせて頂きます」
「さすが、菊ですよー!ピー君は変形してロケットパンチの他にサンダーブレークが欲しいですよ」
「なかなか難しいですよ。それは」
 ピーター君の言葉に菊ちゃんは真剣に考える。
 真剣に考えないでよ。
 って言うか、真剣に考えるのは良い事なのか?
「無茶苦茶言うな!!菊も真面目に考えるな」
「アーサーはうるさいですよ。菊、よろしく頼むですよ」
「じゃあ、ピート、このニューヨークをにしっかり案内してくれ、ヒーローからのお願いだぞ!」
「ピー君は、そんな事で喜ぶ年じゃねーですけど、仕方ねーですよ。、よろしくですよ」
 ほほえましいな、この一家(?)。
「あたしの方こそ、よろしくね」
「本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ、アーサー、行くところは決まってるし、見たいのも決まってる」
 一つは多分(いや、絶対か?)アーサーが泣いちゃいそうな所だし。
、他の方もおっしゃってらっしゃいますが、気をつけてくださいね。確かにニューヨークは昔より安全になりました。でも、日本よりは安全ではありません。くれぐれも暗い所には入らないように」
 菊ちゃんの言葉に大きく頷いて、あたしとピー君はニューヨークの中心街に向かった。

*****

「ココですか?アーサーの野郎が来たら泣きそうですよ」
「うん、一応見てみたかったんだ。アルの独立の事」
 観光名所となっているアメリカの独立記念館。
 アルが一緒だといろいろ聞かせてもらえそうだけど…アーサーが一緒だとココは素通りしそうな場所で。
「アーサーは過保護なだけですよ。誰も構ってくれないから、構ってもらおうって過保護になるです。それがうぜーっていうの、気づいてねーんですよ」
 しょうがないと言った様子でピー君は言う。
「やっぱり、アーサーの事いろいろ分かってるんだね」
「当たり前じゃねーですか。あんなんでも付き合いは長いですよ」
 とピー君は少しだけ泣きそうな顔で言った。
とはぐれちゃいけねーからですね。ピー君と手をつなぐですよ。で、次はどこにいくですか?」
 気を取り直したのかあたしの手をつかんでピー君は言う。
「お買い物です。誕生日プレゼントかな?」
 他にも見たい物あるけど、最優先事項は実はコレだったりするんだ。
「いつですか?」
「実は明日。日本で買おうと思ったんだけど、ニューヨークに行くんだからって止めたの」
「菊の誕生日はまだだと思うですよ」
 ピー君はあたしが誰にあげようとしてるのか分からないらしい。
「って言うか菊ちゃんの誕生日ぐらい知ってます」
 一応国民です。
「アーサーの野郎の誕生日、ピー君は知らねーですよ」
 いや…、アーサーの誕生日プレゼントでもないから(貰っちゃったからお返ししたいんだけど……いつなんだろう?)。
「誰の誕生日ですか?」
「ギルかな?ルートさんもって言ったら統一の日で良いって言ってたからその日にあげたの」
 1月18日は、ギルの誕生日(プロイセン王国フリードリッヒ1世戴冠。、ドイツ帝国初代皇帝戴冠)。
「そうですか、アーサーの野郎のじゃなくって良かったですよ。
 ピー君は何処か機嫌良く、あたしの手を引いて歩き出す。
「本当にアーサーの野郎のじゃねーですか?」
「どうして?」
「アーサーの野郎はこの頃日本に行くときスゴく嬉しそうな顔をしてやがるですよ。確かにアーサーは変態でやな奴ですけど、悪い奴じゃねーですよ…。アルフレッドはどういうか分からねーですけど」
「知ってるよ」
 一生懸命、アーサーのフォローをしようとしているピー君にあたしは答える。
「だから、変態な奴だけど、嫌いにならないで欲しいですよ」
 フォローが微妙にされてない気もしないけど。
 ピー君が言ってるのは……去年のハロウィンの時の事かな。
 アルフレッドにも同じ様な事を言われた。
「アーサーは変態だけどさ。嫌な奴だけどさ、悪いとは思ってるからさ、うん。だからさ、許してあげてやってみて欲しいんだぞ」
 アルなりに頑張ってフォローしてたっけ。
「大丈夫、嫌いになんてならないよ」
「良かったですよ。って何でピー君があのヤローのフォローしなきゃならないのか分からねーですよ!!!」
 ハハハハハハ。
 ピー君は我に返って叫ぶ。
「でも、アーサー喜ぶかもね」
「ツンデレで喜ぶんですよ、気持ち悪いですよ」
「ハハハハハ……」
 アーサー、聞いたら泣くぞ。
 多分。
「それより、買い物ですよ。地図に寄ると、こっちにデパートがあるみたいですよ」
 そうだね。
 ギルの誕生日プレゼント、何にしようかな。
、さっきから何処か苦しいですか?」
「え?」
 ピー君はあたしの胸元を指す。
 そこにはあたしの手。
「あぁ、何でもないの」
「なら、良いですよ」
 ピー君は大して気にもとめずに歩いて行く。
 思わず指摘されて焦った。
 その手のしたには例のアレ。
 それに触れるのはどうやらくせになってるらしい。
 菊ちゃんに
「くせになってますね」
 と言われたのはつい最近だ。
 言われて……否定できないって気がついた。
 もう、ココにあるから気になっちゃうんだよね。
 だからって外すのはなぁ……。
は………」
「何?」
「何でもねーですよ」
 ピー君は何か聞きたそうだったけど、それ以上何も言わずに商品を眺めてはコレは?とあたしに勧めてくれた。
 何が聞きたかったんだろう。
 その疑問は全く別の形であたしに降りかかってくる。
 それは気づきもしなかった。

*****

 買い物や観光を終えて会議場へと戻ってくる。
 ちょうど、菊ちゃんの姿が見えた。
 隣にはアーサーもいる。
 会議、終わったのかな?
、お帰りなさい」
「ただいま。菊ちゃん、会議終わったの?」
「えぇ、滞りなくとまでは言えませんが、一応終わりましたよ。ピーター君も、ありがとうございました。先ほどの件出来る限り対応させて頂きます」
「わーありがとうーなのですよー」
「菊、コイツの事を甘やかすなよ」
「何をおっしゃいますか。の通訳のお礼ですよ」
「ですよー」
 二人に責められてアーサーはそれでもぶつぶつと文句を言っている。
「菊ちゃん」
 と声をかける。
「あちらの方ですよ」
 と扉の方に視線を向け言う。
 菊ちゃんは、知ってるのだ。
 あたしが買い物をした理由を。
「ありがとう、菊ちゃん。ちょっと行ってくる」
 そう言ってあたしは扉に向かう。
 開けて入れば、いろいろな人達が立ち話している。
 その中からギルを探す。
 ルートさんを見つければ一番楽なんだけど。

 声の方を向けばエリザがこっちに向かってきた。
「菊さんのそばにが居なかったから、今日はきてないの?って菊さんに聞いちゃったわ」
「今日は秘書の仕事休みにして貰って、買い物行ってきちゃったの。半分視察名目の観光もあったけどね」
「そう、私も仕事じゃなかったら一緒に行きたかったわ」
 だね、エリザと出かけたのってウィーンぐらいだし。
「なかなかいけないね」
「そうね。を独占出来なくって寂しいわ」
 そう言ったエリザに抱きしめられる。
ちゃん、折角見つけたのに、ずるいよ、エリザさん」
「俺が先に見つけたんだぞ」
 イタリア兄弟の声がする。
 そ、それより、苦しいんだけど。
「リザ、が苦しがってますよ」
「え?きゃあ、、ごめんなさい」
「だ、大丈夫だよ」
 うん、死にはしないよ。
 抱きしめられて死線をさまよった時ほど苦しくないから大丈夫。
 エリザの死線に近い抱擁から助けてくれたローデリヒさんに礼をいいつつ、ギルの姿を探す。
「どなたか探しているんですか?菊でしたら貴女を迎えに行って、もしかして行き違いでは?」
「違うんです。探しているのは菊ちゃんじゃなくって」
 ギルベルトなんですってこの場ではなんか言いづらい。
「ね、いいじゃん、ルイー」
 遠くから猫なで声なフランシスさんの声がする。
「……気味が悪いんだが」
「なぁ、フランツその猫なで声ってやつ止めろよ。ルッツが気持ち悪がってるじゃねえか」
「俺もそう思うで」
「アントニは黙っててよ。ジルちゃんも説得してよ、ルイにさぁ」
「あの件は反対してる訳じゃねえって説明したじゃねえか」
「だけどさぁ、もうちょっと、気前よく」
「気前よくやって、お前は全くやらないつもりかっ!フランツ!!!!」
 ………悪友の中に放り込まれてるルートさん発見!
 っつーかギル見つけた。
「ルーイも大変だよねぇ、フランシス兄ちゃんとの仕事、フランシス兄ちゃんに押しつけられてるんだもん」
「芋ざまぁ」
「兄ちゃーん、そんな事言っちゃダメだよぉ」
 なんか、ルートさんに我慢の限界が来てるような気がする。
 それより、ギルに渡さなきゃならないんだけど、あの中に飛び込むのなんか勇気がいるなぁ。
「ん?ちゃん。良いものあった?」
 フランシスさんがあたしを見つける。
 遠くからよく見つけられるなぁと関心する。
 って何で、フランシスさんあたしが買い物内容知ってるの?
「良いものって何買ってきたの?」
 フェリシアーノが素朴な疑問的な感じに聞いてくる。
「え?」
「ギルベルトへの誕生日プレゼントでしょう?あの人は今日ですからね」
 口ごもったあたしの代わりにローデリヒさんが答える。
 もう、さらりと。
「へ?」
「え?」
「私も頂きましたしね。エリザも頂いたでしょう」
「え、えぇ。貰いましたけど」
「俺貰ってないよ」
「俺も貰ってねぇぞ」
「御馬鹿さん、あなたたちは三月でしょう」
 なんてローデリヒさんはあたしの焦りに気づかず、イタリア兄弟の言葉にツッコミを入れる。
、あんな奴にあげなくたって良いのよ」
「でも、誕生日貰っちゃったし…」
「そう言えば、何を貰ったの?安物だったら殴らなくちゃ」
「安物じゃないよ」
 うん、めちゃくちゃ高価なものだと思います。
 って言うか、エリザは知らないのかな?
 ローデリヒさんは知ってるっぽいらしいけど。
「どっちにしろ、殴るわ」
「いや、止めて、エリザ」
 あぁ、もう、なんでそうなるの?
「うらやましいのかよ」
「はぁ?なんでそうなるわけ?ホント、あんたってムカつく」
「ケセセセ」
「一発殴ります」
「って殴ってんじゃねえかよ」
 ……この二人やっぱり仲いいよね……。
 なんか、渡せなくなっちゃったなぁ…。
「ギルベルト、エリザ、いい加減におよしなさい」
「でも、ローデリヒさん」
「はん、なんで坊ちゃんに言われなきゃならねえんだよ。第一、突っかかってきてんのはエリザベータじゃねえか」
、ギルベルトに何か渡すもの合ったんじゃないんですか?」
 って、なんでローデリヒさん言っちゃうかなぁ。
「ん?なんだ」
「……いや、別にないよ」
 うん、ない。
ちゃん、いいの?」
 フランシスさんが驚いた様に言う。
「いいのっ」
 あぁ、もうなんかやだ、なんだコレ。
「あたし、菊ちゃんの所行くね」
 と入り口に向かう。
っ」
 ギルの呼ぶ声したけど、無視しよう。
 もうなんか、居たくない気がしてたんだよっ。
 なんだよ、コレっっ。
「バカ、出口はそっちじゃねえって」
 人気のない廊下に出てすぐにギルに腕をつかまれる。
「なんで追いかけてくるのよっ」
「あのなぁ。なんつー顔してんだよ」
 顔?
「泣きそうな顔してんじゃねえか」
「普憫の癖してなにいってんの?」
「ふ、普憫って言うんじゃねえ」
 あ、泣いた。
「えっと、ゴメン」
 っつーか、何であたしが謝ってるの?
 訳分かんない。
「何、拗ねてんだよ」
「拗ねてない」
 何でそんな事言われなきゃならないんだ!
「あたしだってよく分かんないよ。ギルのバカ」
「って、何でバカって言われなきゃならねえんだよ」
「知らないよ」
 あぁ、もうホントやだ。
「よく分かんねえよ……」
 そう言ってギルはうつむいたあたしの頭に手を置いてゆっくりと撫でる。
 あぁ、もうホント泣きそう。
 なんでだか理由が分からないよ、ホントに。
「ギル、コレ」
 手に持ってたバックの中から、思い出したようにあたしは包みを出す。
「……誕生日プレゼント……だから、一応。おめでとう」
 顔上げて、笑えたかどうかなんて分かんない。
 けど、ギルが一瞬驚いた後、笑顔になったから、それで良いんだよね。

*****

「渡せたんですか?」
 ギルと一緒に菊ちゃんの所に戻ったとき少し泣き顔だったあたしに何かを思ったのか菊ちゃんは一瞬ギルをにらんでた。
 その時には聞いてこなかったけど、気になってたらしい。
 まぁ、当然か。
「うん。気に入ってくれるかどうかは分からないけれど」
「そんな事はないと思いますよ」
 あたしの言葉に菊ちゃんはそう言う。
 なんだか嬉しかった。
 それが気休めかも知れなくても。

novels index
あとがき

なんだか……一気に動かしちゃった感が………。
こんな展開にするつもりなかったんだけどなぁ……。
何となくあれ?ぐらいにするつもりだったのにね。
ピート?ピーターの愛称。もちろん、アルしか呼ばない。
そう言えば、ニューヨークも雪スゴいね……。
ドコモかしこも雪だらけ……。
からからな関東平野の端っこからお送りしております。