OPERA NIGHT〜極彩色の世界〜

「すいません、一番いいのを。良い塩鮭を!」
「そんな塩鮭で大丈夫か?あの店のより、うちの方が安くて旨いぞ!」
「じゃあ、一番良いのを頼む」
 魚屋のオヤジさん達が自分たちでアレンジしたエルシャダイごっこしてる…………。
 商店街に買い物に来たんです。

皇帝のお誕生日〜建国記念の日〜 

 今日は菊ちゃんの誕生日。
 バレンタインも間近のこの日……。
 チョコ作りに精を出す日と化しつつあるこの日だけど、でも今回はやめた。
 菊ちゃん優先!!
 メインはケーキ作りだ!
 夕飯はお寿司、ちらし寿司にして『まぐろ』とか『はまち』とか『ぶり』とかお刺身を散らす事にした。
 だから近所の商店街の魚屋さんに来ている。
 あたしと、財布所持の菊ちゃんと一緒に。
 誕生日の人が一緒にいるのってどうよって思ったんだけど。
 家にいてって言ったのに
「一人だと心配です」
 だって。
 過保護化してる?
 そんな事なかったのになんかこのところそんな感じ。
 だから、コレ幸いと言うばかりに荷物持ちをお願いした。
 ただ、何を作るかまでは秘密にしてる。
 とは言っても台所の主である菊ちゃんに隠し事なんて無理な話だ。
 そこは見て見ぬふりをして貰ってる。
 必要な物を買って、家に帰ってきて昨日焼いたケーキのデコレーションをする。
 生クリームを泡立てていると、菊ちゃんが近寄ってきた。
「何?」
「…………」
 振り向くと菊ちゃんが笑顔でそこにいる。
「菊ちゃん、どうしたの?」
「何でもありませんよ」
 そう言って、居間に戻っていく。
 居間にはいろんな国からの誕生日プレゼントがある。
「結構……好かれているんですね」
 なんて次々と送られてくるプレゼントを見て菊ちゃんは呟いてる。
 ちなみに、例えばアルからは新作のホラーアクションゲームと新作映画のブルーレイ。
 にーにからは例のパンダのぬいぐるみ。
 メイちゃんは昨日食事に行ったときに貰ったって言ってた。
「どんなの?」
 って聞いたら
「禁則事項です」
 だって。
「ラブラブだね」
 って聞いたら何とも言えない表情。
 聞いちゃまずかったかななんて思ってたんだけど(いろんな意味で)と思ったら笑顔で
「そうですね」
 って帰ってきた。
 複雑な事はいっぱいあるって分かってるから…それ以上ツッコム事はやめにした。
 他いろいろ、そう言えばルートさんからお掃除券貰ってたっけ。
 個人的なお掃除券だときっと小規模だけど、国から貰うお掃除券って大規模な感じ。
 ケーキの飾り付けの後はメインのお寿司に取りかかる。
 一、電気釜のスイッチを入れる。
 飾る、お刺身をお皿の上にのせておく。
 待つ…………。
 うん、待つしかできねー。
、一つ聞いてもよろしいですか?」
 再び菊ちゃんキッチンに登場。
 っても隣の部屋だから別に離れてても話せない事はないんだけど。
「一つって何?」
「………………………。こんなことを言うと、期待していると思われてしまって困るのですが……」
「?」
 何だろう。
 期待?
 誕生日のことかな?
「ケーキ………じゃなかった。チョコレートは作らないのですか?」
 そっちか〜〜。
 バレンタインの方かよ……。
「作るよ。うん、菊ちゃんのチョコレート。あとメイちゃんかな?友チョコあげないとね」
 そ、カンタンチョコレート。
「友チョコですか……。本命はないんですか?」
「本命?」
 ……………いないわよ。
「菊ちゃんが本命じゃだめ?」
「私にはあずにゃんていう嫁が」
 うん、思った通りの返事をしてくれてありがとう。
「じゃなくって。
 いいの、チョコは菊ちゃんと友チョコのメイちゃんと自分の分だけ。
 大体、今から送っても間に合うなんて思えないし……来るとも思ってない……って誰をだ!!
 べ、別に本命なんていないんだからっ。
 そんな事してるうちにご飯が炊きあがる。
 熱々のうちに寿司おけに移してちらし寿司の元を入れて混ぜ合わせてさます。
 冷めたらお皿に盛ってお刺身をのせよう。
 ……そうだ、錦糸卵作ってちらし寿司の上にちらそう。。
 旨く作れるか分からないけど。
 うん、名案だ。
 今まで、何かをするわけでもなかった日。
 でも今は目の前に祝うひとがいる。
 だったら、祝う以外ないよね。
 ちょっと焦げた錦糸卵を細く切って刺身を盛りつけたちらし寿司の上に散らす。
 我ながら良い感じだ!!
「菊ちゃん、夕飯出来たんだけど…そっち片づく?」
「大丈夫ですよ、。今日はありがとうございますね。何から何まで」
「何言ってるの、今日は菊ちゃんの誕生日でしょう?目の前に祝うべき人がいるんだから、祝わせて」
「はい……」
 作ったのなんて大したのないんだけど、ちらし寿司とお吸い物とサラダだけなんだけどな。
 一所懸命つくったもん。
「菊ちゃん、誕生日おめでとう」
 そう言いながら菊ちゃんが持つおちょこにお酒をつぐ。
「まさか、お酒まで用意してるなんて思いもよりませんでした」
 そう言って菊ちゃんはあたしに手を伸ばす。
「あなたが…私の所に来てから、楽しい事ばかりです。今までは特別とされる日も何でもない日も一人でしたから………。、ありがとう」
 な、何で菊ちゃんにお礼を言われちゃうの?
 言うべきはあたしだ・
「何言ってるの、菊ちゃんが居なかったら、あたしはココにいないんだよ。生まれても居ないかもしれない。あたしの方こそありがとうだよ。菊ちゃん、存在してくれて…ってなんかおかしいね。生まれてきてくれてありがとう」
 あぁ、やっぱり居てくれても必要。
「いてくれてありがとう。あたしも菊ちゃんと出会ってから楽しい事ばっかりだよ。勉強する事も多いけど」
 えヘヘヘ、言ってて少し照れくさいけど……菊ちゃんにありがとうって言う気持ちは本物だ。
「あぁ、やっぱりあなたをどなたかに差し上げるのは惜しいですね」
 どなたって誰よ。
「菊ちゃん、誰か想定してない?」
「まさか、するわけないじゃないですか。それとも、私の言葉に思い当たる方でも浮かんだのですか?」
 う、浮かんでないわよ!!!
「おや?どもるなんて怪しいですね」
 あぁ、もー、どうしたらいいのよ〜〜。
「まぁ、良いでしょう。折角作って頂いたもの、お味噌汁も冷めてしまいます。頂きますね、
「どうぞ」
 菊ちゃんが食べる隣であたしも食べる。
 来年も菊ちゃんと一緒にいれるかな。
 居られたら、今度は違うのを作ろう。
「おいしいですよ、
 菊ちゃんが嬉しそうにしてくれてるから、来年の事はとりあえずおいておこう。

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あとがき

菊ちゃんのハピバ編。間に合った\(≧∀≦)/ 。
ルートからの誕生日プレゼントのお掃除券。
日本橋をドイツの掃除会社の日本法人が綺麗に掃除したって言うネタから。
嫁はあずにゃん。
たて読みしたら俺の嫁はあずにゃん。だっけ?論文かレポートにいれたって言うあのネタから。
バレンタイン?
もちろん中止だよねコル。
って言うらしいですね……ロッ様の所。
ダメージが大きいから…とかなんとか。
だから、多分、中止ww。