「ハロー、こんにちは菊、おるー?」
にこやかな関西弁が響き渡る。
ベルギーことベルナデットがうちに到来です。
何しに来たんだろう?
「菊ー、バレンタインのチョコどないする?クリスマスのお菓子もあるんやけど?」
ビジネスな模様です。
それでなくてももう一人営業マンがいるって言うのに。
「俺様特製のシュトレンが先だっつーの」
「何言うとんの?シュトレンはヒーちゃんの所やのーてクラウス(ザクセンさん)所ちゃうん?」
「いいじゃねーかよ。今俺様は宣伝するって言う使命を持ってここにいんだよ!!」
えっとそれよりも、お腹すいたです。
お昼前に二人して言い合ってるんですけど。
菊ちゃんも苦笑い浮かべて二人見てるんですけど。
ホットケーキ食べたいなぁ………。
皇帝達の暇つぶし3 お菓子の秘密
「で、ヒーちゃんは何しに来たん(バリボリ)?」お煎餅を食べながらベルが聞く。
ベル、ご飯もうすぐだよ?
「せやけど、このせんべいめっちゃうまいもん」
「ありがとうございます。それは私のお気に入りなんですよ」
醤油味の、かったい草加せんべい。
は確かにおいしい。
「せやけど、からいなぁー?もうちょっと甘いもんない?ここまでからいとルーにまた何やかんやいわれるんと違う?言われてんのやろ?」
「ルッツに塩禁止令出されるぞー」
「善処します」
「断る気満々じゃねーか」
「気のせいですよ」
「で、さっきから、ヒーちゃん台所で何しとるん?」
そうベルが言った時、ジュッと音がして甘い香りがほのかに漂ってくる。
「あとちょっとだー」
うー、お腹すいたぁ。
菊ちゃんとベルが食べるお煎餅の誘惑にも負けず、待ってるんだからねー!!
「あのね、ベル。ギルはホットケーキ作りに来てくれたんだよ」
へへへ。
「それだけじゃねーけどな。、あとちょっと待ってろよ」
「うん、待ってる、待ってるー」
できあがりが楽しみ。
もうお腹すいてるよ。
コーヒーの薫りも漂ってくる。
ついでに入れてくれてるみたい。
「ふーん。そーなんや」
「なんだよ」
「ふふふ」
ん?
ベルが楽しそうに納得してる?
「せやけど、ヒーちゃんのホットケーキ、そんなに楽しみなん?」
「初めて食べたときすっごいおいしかったの!!!」
「ふーん」
ベルがさっきから質問しかしてこない。
「ベル、どうしたの?」
「まぁ……」
「ん?」
「ほら」
タイミングが良かったのか目の前にホットケーキがのったお皿が出される。
メープルたっぷりかけの少し小さめのホットケーキが2段重ね。
「うー、おいしそう」
良い感じの焼き目がおいしさを加速させる。
「おや?の分だけですか?私やベルナデットさんの分はないのですか?」
「あるに決まってんだろー。俺様に抜かりはねーぜ?」
ベルや菊ちゃんの目の前にもお皿をおいてギルはあたしの隣に座る。
「気がきいとるやん。ヒーちゃんにしては珍しい」
「何言ってやがんだ?俺様に抜かりはねーって言ったじゃねえか。それに俺様ほど気遣い出来る奴いねーだろが」
「フォークとナイフ忘れてましたよ。、バターは付けますか?」
あ、つけるー。
「おるやん」
「くっ。き、菊は別に決まってるじゃねえか!!」
「コーヒーのお砂糖もありますよ」
「ハハハハ」
一口食べると、うん、やっぱりこのホットケーキはぷまい。
「うまいか?」
「うん」
「ふーん」
「一人で納得するのは止めてください」
「せやけど、菊もわかっとんのと違う?」
「それとコレとは別問題です」
ん?ベルと菊ちゃんの会話の中身が見えない。
「せやけど、ヒーちゃん日本に何しに来たん?ほんまは」
「まぁ、前誕生日プレゼント貰ったお礼とそれになんか、そん時のコイツの様子がおかしかったからまぁ……様子見って言うか」
ムー、あの時の事を思い出したらなんか思ってしまった。
何故?
「なーん、ご機嫌取りやなんてヒーちゃんにしては珍しいやん?何したん?」
「そうですよ、何やったんですか?。、何をされたんですか?」
菊ちゃんがあたしをジッと見つめる。
ベルは興味津々で見てくるしギルは不安そうにしてる。
「別に」
「ほら見ろ、何もしてねーじゃねえか」
「心配するような事は何もされてないよ」
されてないのは事実。
ただ……。
あんまり………………い。
「ただ、なんですか?」
「ムー、なんでもない。」
「あぁ、お前らのせいでまたの機嫌が悪くなっちまったじゃねーか!!」
悪くはない。
ただ良くはないけど。
「主にあなたのせいじゃないですか。はギルベルト君、君に誕生日プレゼントを渡しに行くと言って戻ってきたら泣きそうな顔をしてたんですよ?。君のせいじゃないと誰が言えると!!!」
「………はー、そう言うわけなん?」
「ベルナデットさんは何か心当たりでもあるのですか?」
「ヒーちゃんのせいやないけど、ヒーちゃんのせやんなぁ」
「何でだよ」
「よー考えてみい、ちゃんが泣きそーな理由!!」
ちょ、ちょっと待ってよ!!!
「ベル、あたしが泣きそうな理由って何?」
心当たりありそうでないんですけど!!
3人の視線があたしにあつまる。
「ちょー待ち自分…………」
ジッとベルはあたしの顔を見る。
「まぁ……、えぇわ、うちが言う事ちゃうんもんね」
「ベル?」
ベルが何を言って、思ってるのかなんだか妙に分からない(と言うかあんまり分かりたくないというか…?)
「まぁ、ホットケーキ食べよう」
「冷めてねーか?」
「大丈夫だよ、ギル」
「ま、俺様のホットケーキは冷めても美味しいけどな」
確かに。