テーブルでのんびり座ってると、あたしの目の前に座った人。
白金の髪にグレイプ色の瞳が何処か神秘的な人。
「、わと踊ってくれねか?」
ノルウェーのハルバールさんはあたしに言う。
「ちゃん、遠くから見てたけど、きちんと踊れてるね」
「ティノさんありがとうございます」
「後で俺と踊るっぺー」
「あんこうざい。わがさぎにば誘ったんだ。オマエは踊きやのぐていい」
「ハルがさっきな誘ったんだんべぇ?」
「……うるさい」
…………えっといきなり北欧5に囲まれております。
皇帝達の集まり 〜夜の舞踏会〜 番外編3
(ワルツアンケート3位:ハルバール・ヘイエダール(ノルウェー)
「、わと踊ってくれねか?」ハルバールさんは無表情でそう言う。
多分、ハルバールさんの後ろにいる男の子がアイス君なんだと思う。
「ハルばっかりずるい。僕もと踊ろうと思ったのに」
「先着順じゃ。それサおめぇーとだば同じぐきやいだばねか?」
「何それ、意味わかんない。同じくらいとか別に関係ないし」
アイス君との身長はアイス君の方が大きいのかな?。
「ほら、ヴィ君、ちゃんに挨拶してないよね」
「っ。よけいな……。えっと……アイスランドのエイヴィン・アーザルステインソン。ハルとじゃなくって、僕と踊ってくれればいいのに」
おぉ、アイス君!!
名乗った後なんか言ったけど…周囲の騒音のせいで聞こえなかったけど。
「えっとです。よろしくね」
「う………別に名乗らなくても知ってるから」
「そ、そうだよね」
えっと、どうしよう。
「へば、行ぐぞ」
エイヴィン君との会話に困ってるあたしを見かねたのか違うのか、ハルバールさんがあたしの手をとって立上がる。
「、わと踊ってぐれらしの?」
そう言ってハルバールさんは滅多に見れないらしいという噂の笑顔を浮かべた。
フロアでハルバールさんと二人。
実は、こっそり気になってるノルウェーさん(国的な意味で)。
神話ミーハーな私といたしましては、北欧神話は押さえておきたいところであります。
そ、そう言えば、神話で思い出したけどハルバールさんも妖精見えるんだよね。
多分。
見てみたいけど、正直アーサーと同じ次元には行きたくない(『妖精さん、妖精さんあははっはっ〜」っていうあれ)。
一応、ハルバールさんにお礼言っておこうかな?
昼間のお茶会で、あたしに取り憑いていたっていうアーサーが付けた妖精払ってくれたのハルバールさんだもんね。
見えないけど、分かんないけど。
「えっと、昼間はありがとうございました」
「……アルトが付がゆいた妖精の事だな?。気さすらの。祓っただげだはんで」
その妖精を、ハルバールさん付けてないよね?
そんな事思ってしまった。
いやいや、ハルバールさんに限って。
「わも付がゆいしうどしたばって、菊さ気づかれて結界張きやれてまね」
なんか…結界がどうとかって言ったよ。
菊ちゃん……。
「あ、ごめんなさい!!」
あせって思わずステップ間違えてしまった」
「気さすらの。わもたまさまんでねぇ。ギルベルトはきちんどすかふぇたんだの。癪したばって。一ヶ月で良ぐこごまで上達したの。」
「ありがとうございます。ギルはちゃんと教えてくれたんだって皆結構驚いてるんですよ」
多分、あたしとハルバールさんの会話は成り立っていると思う(思いたい)。
「」
あたしの名前を呼んでジーッとハルバールさんがあたしを見つめる。
「えっとハルバールさん?」
「ハルって呼べ」
「じゃあ、ハルさん」
「へば良い。、わの所さあべ。あいづきやさ独占されらのは気さぐわね」
えっと、えっと〜。
困ってるあたしを見てハルさんはふっと笑みを浮かべて
「気にするな」
と標準語で言った。
いや、気にするなってなんですの〜〜。
余計に気になるですよ。