「、オレで良ければ踊ってくれないか?練習の時だけしか踊ってないからな、本番のを確認したい」
少し照れながら、ルートさんはあたしに手を差し出した。
皇帝達の集まり 〜夜の舞踏会〜 番外編1
(ワルツアンケート1位:ルートヴィヒ:ドイツ)
フロアでルートさんと踊る。曲は幸いにもルートさんと良く練習した曲だ(ギルは日によって曲が違うのだよ)
「俺はこの曲が好きなんでな、必然とこの曲になってしまう。フランツがよく絡んでくるんだ。それ以外だと踊れないんじゃないのかってな。その後もぐだぐだ絡んでくるからかなわん」
あぁ、なんかその光景が目に浮かぶ。
「お兄さんが手取り足取り腰とり教えてあげようか」
なんていいそう。
「、視線」
おっと、つい、足下見ちゃった。
「もう少し練習が必要だな。これからもこういうパーティーがないとは限らない、日本にも帰ってもしっかり、自主練はやるように。あぁ、それからの一番の注意点は視線だな。泳ぎすぎる!!」
一番、指摘されたくない事この人いった!
難しいんだよ、ジッと相手の目を見て踊るって。
恥ずかしい……。
「話すときは平気で人の目をジッと見ているじゃないか。アレは平気じゃないのか?」
あれは、口も動いています!!!
目は口ほどにものを言うとのことわざ通り、話している以上の事を見るのにちょうど良いんです!!
踊りは別じゃない。
ワルツは基本上半身というか、肩を固める。
一直線を常に保っていなくてはならないのだ。
腕の位置も決まっている。
つまり、動いているのは基本足のみ。
ワルツが社交界にはやったのも分かる気がする。
目をじっと見つめる行為は相手の印象を強く自分に止めるものだ。
だから、見つめられるのも恥ずかしいのよ!!!
「だが、そうは言ってられないぞ、兄さんに視線が外れているとどやされるしついでにいろいろ言ってくるぞ」
それは嫌。
「慣れなくても構わない。それには目を見て踊らなくてはならないと思っているようだが、別に口元を見ていても構わないんだぞ。俺はそうしている」
へ?
ちょ、ルートさん、目を見て踊れとおっしゃったのでは。
「別にそうは言っていない泳ぎ過ぎと言っただけだ」
うわーん、ギルに怒られる前にルートさんになんかいろいろ言われている今って何い!!