OPERA NIGHT

 彼の名前は本田菊。
 推定年齢??歳。
 彼の正体『日本』。
 実年齢、2670年(2010年現在)。
 さらさら黒茶の髪に黒眼がちな黒茶色の瞳。
 着物多様、夏場はTシャツも着用。
 趣味、………多趣味。
 この人の最大級の問題点は多趣味という所にあるのかもしれない。

あたしと彼の攻防戦

 ウィーンから帰って(戻って?)来て1週間。
 菊さんはあたしにお兄ちゃん呼びを強要(笑)する。
 確かに、見た目年齢はあたしよりも年上だ。
 実年齢も皇紀から考えても魏志倭人伝から考えても2000年近く生きてる。
 ……時代が時代なら神様って言われててもおかしくないような人だ。
 神様にはとうてい見えないけど。
 他の国の人には申し訳ないけど、あたしは神様って言うのは信じてない。
 だって、神様は適当だと思うもの。
 まぁ、この辺はおいおい語る(え?語っちゃうの?)としても、目の前の人が神様なんだよ(いや、実際は『国』なんだが)と言われてもへーそーなん?ってどこぞの西の国(しゃべったことないけど)みたいに言ってしまうと思う。
 いや、そうなのか?
 まぁ、ともかく、あたしも結構オタクだと思うけど、この人は真性の隠れオタクだと思う。
 見かけはかっこいい系というよりもかわいい系なんだよね。
 国際会議で来ていたスーツはタケオキクチだ。
 と知ったのは日本に戻ってからで、あそこの店員さんかっこいいんだよね………。
 じゃなくって。
 そんなスーツをさらりと着こなしてるのに、戻ったらゲームはもとよりエロゲ、アニメ、漫画、ラノベ、は軽く網羅するし、ちまたにあふれる小説も読んでるから凄い。
 うん、さすが『国』っていうだけはある。
 そんな時間どこにあるの?
 なんて思うけど……多分、この人速読できるんだよ、きっと。
 で、そんな祖国様と現在戦っているのが『呼び方』だ。
 お兄ちゃん呼びを強要してくるんだ。
 で最初に戻るけど、菊さんは『お兄ちゃんv』って感じじゃないと思う。
 うん、どっちかって言うと弟的なポジションな気がする。
 そんなこと言ったら
「西に姉が引っ込んでますよ」
 なんて教えてくれた。
 後で逢わせてくれるらしいけど……これで菊さんの弟は当たった。
 だから、菊さんを『お兄ちゃんv』って呼ぶのはちょっとばっかり抵抗ある。
 だってあたしはお姉ちゃんだから。
 かわいくないバカ弟が居るお姉ちゃんなのです。
 ロヴィーノがフェリシアーノの事バカ弟って言ってるけど、フェリシアーノの方がどんだけかわいいか。
 あぁ、あぁいう弟が欲しかった……。
 弟ポジションって言っても菊さんみたいな弟とはまた違うような気がする。
「お兄さんが欲しかったんじゃないんですか?」
 まぁお兄ちゃんが欲しかったのはホント。
 一時期リアルに思ってた。
 どうすればお兄ちゃんができるんだろうって。
 その時のあたしをバカだなって鼻で笑いたくもなるけど。
 うん、だから実際『お兄ちゃん』が目の前に出来たりすると戸惑っているわけだ。
 大好きなお姉ちゃんが突然結婚するって言って彼氏(つまり旦那になる人)を連れてきた感覚に似ている(いや…そんなことないから想像いや妄想)。
「だから菊さんってだめですか?」
「私だけ他人行儀ですか」
 ウィーンで、ローデリヒさんとルートヴィヒさん以外ため口だったのが気にくわないらしい(むしろ普憫に対してため口だったことが一番のショックの様で)。
 そうむしろ自分が一番最初にため口になるはずじゃないのかって思ってるみたい。
 うん、すねてるそんなあなたがなんかかわいいよ。
 年上の男の人に言う台詞じゃないよね。
 多分……いや実年齢は化石(って言ったら怒られそうだ)な人だけど。
 だから、妥協点を探ってみることにした。
 お兄ちゃんだと思えないからお兄ちゃんと呼びたくないあたしと、(立場上)兄だからお兄ちゃんと呼んで欲しい菊さんの。
 しかも、彼の欲求(って書くと生々しいから願望)を満たすというか叶えるために。
 結局、日常生活に萌えが欲しいらしい………。
 いや、いらないから、平穏に暮らそうよ。
「平穏だから退屈なんじゃないですか」
 なんか不穏だよ、言葉尻が。
「日常生活にこそ萌えは必要なんです」
 200年近く引きこもってた人の台詞なの、それ。
 だったら、何故表に出ない。
 あぁ……自給自足……かぁ。
 自分を生んだ祖国をちょっとだけ呪いたくなった。
「だから、『菊ちゃん』って言うのはどうですか?」
 ある意味最大限の譲歩というか、それ以上のものもあるというか。
「菊ちゃん…ですか…」
「そうですよ。年下の女の子が年上の男の人にちゃん付けで呼ぶのって結構良くないですか?君付けもありかもしれないですけど……菊さんは菊君よりも菊ちゃんの方が似合うと思うんですよ」
 うん、あたしも……意外とあれだななんて思うけど……年上の男の人にちゃん付けで呼ぶ年下の女の子ってかわいいと思うんだ。
 甘えてるって感じがして。
 うん、だからってそれがあたしに似合うかどうかはまた別問題だけど。
「良いですよ。さんがちゃんと呼んでくれるのであるならば」
「呼びますよ。あたしからの提案ですし」
「敬語もやめてくださいね。私の場合は癖で直りませんが」
 直そうとしているのかむしろ分かりません。
「よろしくお願いしますね。
 だから、突然呼び捨て止めてよ。
 その声、ちょっと弱いんだからっ。
「そうですか」
 なんて流し目しないでよ!!
 あぁ、もう、声もことさら甘くするの止めて!!
「菊ちゃんのバカ!!!!」
 恥ずかしくなって部屋に逃げ帰ったあたしは間違ってないと思う。

 おまけ。
本田邸
住所、東京都23区内。
歩いて5分の所に商店街、神社もあって夏祭りも行われる。
商店街を抜けると駅。地下鉄も通る(駅ナカはない)。
川もすぐ側にあって夏には花火大会。
元武家屋敷(忍者屋敷とも言う)
垣根は低い(武家屋敷って普通高いんじゃ……)。
2階建て。
1階は居間、台所、畳部屋、床の間、トイレ、風呂場。
2階は菊の部屋、の部屋(元客間:洋風1)ピアノ室(洋風2)、図書室。
1階特徴、純和風。
居間は畳部屋はふすまを取っ払うと合計32畳という広い大広間になる。
普段は台所の隣にある居間のみを使用。
夏は座卓、冬はぬくぬくこたつ。
居間のテレビはブルーレイ装備、45インチ。で居間は8畳。
テレビはパソコンからも見れる。ので居間に1台しかない。
つーか、ネットやってるとテレビを見る必要がなくなる(アニメ以外)
床の間は32畳の一番奥の部屋に。
掛け軸もある、その時によって掛け軸の文句が替わる。
現在は『日々是妄想』(どんな掛け軸だ!)
台所は最先端のIHシステムキッチン。
お風呂は全自動(いつでもお風呂)。
屋内タイプと露天タイプと2種類。
屋内は全自動、露天は源泉掛け流し(掘ったら出てきたんだ、これが(笑))
客が来た場合、泊まる部屋は床の間の部屋の隣の部屋。
女性客の場合は大抵と一緒。
2階特徴、微妙洋風
階段を上がってすぐがの部屋。
その隣がピアノの部屋。
ピアノ部屋との部屋は扉1枚でつながっている。
の部屋:6畳
洋服ダンスと机とベッドぐらい。
机にはパソコン(菊からもらったお下がり。スペック高い)
ベッドは大きいのがいいんだよね(セミダブルぐらいならゆったり?)って呟いたらダブルを買われた(T_T)。
の為、部屋のほとんどをベッドがしめる(T_T)
なので、大抵女性国(ハンガリーとかハンガリーとかハンガリーとか)が来た場合はの部屋に泊まる。
ピアノの部屋:12畳。
ピアノを余裕に持たせたかったので広い。
ピアノはSteinway & Sons。
図書室は無駄に広い。
所有書物は国会図書館並。
菊の部屋は書斎も兼ねているので8畳。
畳敷き。
文机を未だに愛用。
原稿、お仕事、ほぼそこで作成(冬以外)

……………おまけが長いってどういう事?

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あとがき

菊ちゃんvsヒロインの攻防(笑)
菊さんを菊ちゃん呼びにするための布石。
おまけが本編かもしれない。
設定が増えたら+します(笑)。