帰ってきたら、なんて言ってあげよう。
『逢いたかった』
『もう、ドコにもいかないよね』
『ずっと側にいてね』
あれから…1年とちょっとだけたった。
皆、5年生になる。
みんなあんまり変わってない。
わたしは少しだけ背が伸びて、よーぜふには7匹の子供が出来た。
「護君っっ」
港で護君の姿を見つけた時、どうして何も言ってくれないんだろうって思ってた。
妻に内緒で帰ってきて、挨拶もないなんてっっ!!!
「男は、外で何やってるのか分からないのよ」
なんて言った、弧森さんの言葉が頭の中を回ってっ。
それから、戒道君に逢った…。
「天海は、まだ、地球にいない」
天海は、遠いところで、一人で戦ってる。
だから港にいた天海はちがう。
僕と天海はこの世界とは違う宇宙から来たんだ。
でも、この宇宙を守るために戦っているんだ。
そう、教えてくれた。
「必ず、連れて帰る。信じて欲しい。地球人の友達として」
そして、護君を助ける為に、GGGの皆と一緒に遠いところに行ってしまった。
それから、地球は、嵐が来て、地震がおこって、雨が降り止まなくって。
もう、壊れちゃうんじゃないんかって思った。
皆、そう思ってた。
でも、わたしは、護君の事をずっと思ってた。
『勇気』を持って、護君が守ってくれるってずっと考えて、そう思ってたの。
「華ちゃん、護はね、GGGの皆が連れて帰ってきてくれるって言うんだ。信じて待ってよう」
護君のお父さんがそう言ったの。
うん、分かってる。
護君は絶対、帰ってきてくれるって。
信じてた。
ある日、避難していたGタワーに光が差した。
眩しくて、外に出たら、太陽の光と、それから青空が見えていたんだ。
「護君っっ、護君がわたしたちを守ってくれたんだ」
それが分かってスゴく嬉しかった。
護君、信じてたんだ。
きっと、守ってくれるって。
それから、幾日が過ぎた。
いろいろと大変。
家が壊れて、物が無くって。
『キッチン・ハナ』も再建中。
でも、護君は帰ってこなかった。
そりゃ、1日や2日で帰ってこれないだろうって思ってた。
そのくらいは分かってたけど。
1週間たっても帰ってこなかった。
わたしは、毎日、護君の帰りを待っていた。
再建中の『キッチン・ハナ』が見える丘で。
明かりに邪魔されない夜空は、本当に綺麗で。
星がきらきらと輝いていて、護君はこの星の海のどこかにいるんだって考えて、外を見ていた。
「風邪、引くよ」
気がつくと、従姉のあやめちゃんが側に立っていた。
「あやめちゃん」
「…これ、羽織ってな」
そう言って、差し出されたのは毛布。
「護くんが帰ってきた時、華ちゃんが倒れたら、ビックリしちゃうよ」
「そうだね、ありがとう」
あやめちゃんはニッコリ微笑んで、再建中のレストランの方に戻っていった。
それを見て、毛布を羽織る。
暖かいな。
護君は寒くないのかな。
痛い思いしてないかな。
逢いたいよ。
早く。
「…ちゃん」
声が聞こえた。
「華ちゃん」
今度ははっきりと。
聞き間違い?
そんなことない。
一日だって忘れたこと無いもん。
声のする方に顔を向けたら、そこには、ニッコリと微笑んだ護君。
そして、その後ろには戒道君もいた。
二人とも、怪我してる。
「ただいま、華ちゃん」
護君の声。
「ふぇ…ふぇえええええええええええん」
「はっ華ちゃん」
泣き出したわたしに護君が駆け寄る。
「華ちゃんっ。どうしたの?どこか、痛いの」
「…ま、護君っっ」
立ち上がって、護君に抱きつく。
逢いたかったよぉ。
「華ちゃん。僕も、華ちゃんに逢いたかったよ」
抱きついた、わたしを落ち着かせるように、頭を撫でてくれる。
「戒道も一緒だよ」
「うん、うんっ」
戒道君も近寄ってくる。
「お帰りなさいっ。お帰りなさいっっ。待ってたんだよ。勇気持って、絶対、大丈夫だって、信じて待ってたんだよっ」
「ありがとう、華ちゃん」
「ありがとう…初野」
******
「GGGの皆は、いつか帰ってくるよ」
『勇気ある誓いと共に』
と書かれた石碑の前で護君は言う。
「JアークもJも」
「護君、戒道君」
「だから、僕達は信じて待っているんだ。勇気ある誓いと共に」
そう、護君と戒道君は言った。
「わたしも信じるよ」
「ありがとう、華ちゃん」
*あとがき*
…衝撃的な、最終回(FINAL)を見て、何気無しに、ショックは受けたんですが。
護君が、華ちゃんより大きくなってる!!!頭一つ分、大きくなってる!!!
と、言うことにかなり衝撃を受けました。
護、戒道よりおっきいんだよ。
お子さま組では、主人公護を放って華ちゃんに萌えてた私。
だって、華ちゃん、面白いんだもん。
よーぜふにひっぱられる所とか、あやめちゃんに押し切られる所とか。
まぁ、なんでこの護&華ちゃんの話を書こうと思ったかと言うと…。
テレビ版のラスト。
ガイミコはとりあえず、おいといて。
小さなカップルにやられてしまったのですよ。
大泣きした、ガイミコの所から、おでこチューの所で泣いちゃったんダモンねぇ〜。
と、言うわけで、護と華ちゃんのはなし。
…とは言え、やはり、戒道君も何気無しに、はずせなかったです。
2003/9/25:完成