心の奥。
体。
刺さるといたいけれど、抜けたらすっきりする。
抜き方、誰か教えてください。
「痛っ」
小さな声を和葉が上げる。
「なんや、どないしたん」
「棘、刺さったみたいやわ」
左手の人差し指を押さえながら、見ている。
どうやら、左の人差し指に棘が刺さったらしい。
「ホンマか?どれ、見せてみぃ」
「そんなことより、平次、針と毛抜き持ってきて」
「へ?」
「へ?やのうて、早よ、針と毛抜き、持ってきてって」
「お、おう」
和葉にいわれたとおり、針と毛抜きを捜しにいく。
抜くんやったら、毛抜きだけでえぇんとちゃうか?
「和葉、安全ピンでもえぇか?」
「かまわへんよ。平次、ありがと」
器用に指で棘の根本を押さえながら、針で、その棘をほじる。
そして、棘が出てきた所で、毛抜きで抜く。
………何、スゴいこと、してんねん。
「ふぅ。抜けた。すっきり」
「何すっきりしてんねん」
「何って、棘はいったときに、抜けたらすっきりせえへん?」
「あほ」
「あほって、何で?」
「和葉、指、見せてみぃ」
「何で、もう、棘は抜けたで」
「えぇから」
強引に和葉の左手をつかみ人差し指を口にくわえる。
「……な、な、な、な、何してんねん!!あほ平次!!!」
顔真っ赤にして動けない和葉が妙に可愛い。
「何って消毒や」
「あほ、よけいにばい菌入るやんか!!!」
「さっさと水道にいって傷を洗わんかった、お前が悪いんやろ?」
「へ、平次のアホ!!」
シレッとした顔で言ったら、殴られた。
たまに、強引に行くとコレだ。
時には、スマートに行きたいとは思うけど、オレの性分はどうも吉本よりらしいし。
東京の二人みたいには…いかへんわな。
*あとがき*
久しぶりの、大阪カップル。
…ホントに、久しぶりだ。
ビックリして、平次の書き方忘れた!!!
棘の抜き方は父からの伝授された方法です。
棘をそれ以上はいらないように指で押さえ、針で入り口付近をほじくり、出てきたところを、毛抜きで抜く。
最初見たときびっくりしましたが、すぐに抜けるので、結構いい。
お試しください。
抜けた時って、すっきりするよね。
完成:2004/7/20