永遠。
それはいいものか、悪いものか。
望んでいいものか、駄目なものか。
存在するのなら、誰もが望む儚いモノ。
実際は、存在すらしないもの。
「快斗」
軽やかな青子の声が響く。
「何?青子」
「あのね。あのね」
静かな部屋に響く、青子とオレの会話。
電波時計だけが正確に時を刻む。
時間ほど、不確かで正確な物はない。
人が生きとし生けるものが、生きるための時間。
でも、長い時から見れば、それは、ただのリズムをかたどる物にしか見えない。
太陽が昇り朝が来て、太陽が沈み夜が来る。
繰り返されていくリズム。
でも、午後の温かい日差しがかかる部屋にいるオレと青子には何も関係がなかった。
時はすでにないものとなり、リズムだけがそれを刻んでいく。
「蘭ちゃんがね、お茶会やろうっていったの。蘭ちゃんが入れるロイヤルミルクティーおいしいんだよ」
「新一の影響だろ?あそこはハイソサエティだからなぁ」
「新一君のお母さんがおいしい紅茶見つけたんだって」
「…どうせ、新一が蘭ちゃんのために見つけたんじゃねぇの?」
「もう…」
他愛もない会話で、時が過ぎていく。
これから続く、こんな空間。
時間は、空間をつないでいく。
過去から現在、現在から未来。
過去も現在も未来も必要のない時を過ごす俺たちには、時間はすでに空間を彩るリズムでしかない。
電波時計だけが、そのリズムを正確に刻んでいた。
*あとがき*
七転八倒した末に、ようやく落ち着いた話。
いやあ、悩んだ。
いやあ、考えた。
最初の構想はカロハレ。
でも、TOD2って言う気分じゃないし。
とある、すてき3人組にしても良かったんだけど、20のお題が待ってるのよって感じだから、そこまで待って貰って。
永遠って言ったら、永遠の生命を持ってる悪魔な人たちかぁと思って、悪魔な快斗と元人間な青子を題材にしたのは良いんだけど。
そこから書き直す事、考えること数度。
白馬を出してシリアスか、白馬をだしてコミカルか。
で考えて、仕事中に空間で書くことに決定。
完成:2004/7/19