色がない世界は、ひどく寂しく見えて。
どこか、孤独を感じさせる。
一色でも増えたら、それは…。
曇り空。
町中がスモッグに覆われているかのごとく色がない。
日本の街は光も色がないものかと改めて気づかされた。
さっき見たのは錯覚か。
気は焦っているのに何も見つけだせない。
四方八方に視線を動かし、かすめた。
ゆっくりと視線を戻すと、視界に入ったモノに鳥肌が立った。
モノクロの世界に一筋だけ立ち上がった色。
脳裏に浮かんだのは昔見た映画の名前。
『天国と地獄』
見てる。
間違いなく、彼はそれを見ている。
「和久さんっっ」
きびすを返して、捜査本部へ走る。
全てが終局へと向かう感じがした。
*あとがき*
お題至上、もっとも短い、話となりました(はずです)。
べたべたにしたくなかったので、あえて踊る1のあのシーン。
『天国と地獄』はあいにく見ておりません。
トーク、鳥肌。
このところの懸案事項は鳥肌に関することです。
どうしようって、本気で悩んでいる。
感動で鳥肌が立つことは間違いないんだよ。
立つもん。
あれを表現したいのに、過去の文例上ではそのことを使用されていないんですよね。
でも、実際たつもんなぁ。
むーーー。
このところは、その感動で鳥肌が立つと言うことは認められているらしいのですよ。
難しいです。
完成:2004/7/19