予定を立てて、一日を行動しようって言ってもそう簡単に出来るものじゃなく。
不意に何かが突然振ってきて、予定が全て変わることもあるんです。
それに対処するのが…また、一苦労。
本番を三日後に控え、リハーサルは本番への詰めの段階へと入っていた。
リハーサルの最終日は明日。
どことなく、のんびりと構えながら、リハーサルの時間を過ごしていた。
今回のリハのスタジオはにぎやかだ。
三部作の三部目である3日後の本番。
スペシャルという意味合いがその比重を占めており、スペシャルのためのゲストプレイヤー、サポートがいつもより多いからだ。
こんなに多いのはもしかすると10年前の時以来かと、少し感慨深い。
「ねえねえ」
何かを思いついたのか我らがリーダーは何気なしに言葉を紡ぐ。
「ウツ、木根」
「何?てっちゃん」
何気ない声に何気なく応える。
「新曲、出来たからやらない?」
「……は…????」
今、てっちゃん、なんて言った?
何気なく紡ぎ出されたてっちゃんの言葉に、僕は何か聞き間違いをしているのだと思う。
「てっちゃん、新曲って本番は3日後だよ」
木根の声が遠くに聞こえる。
「うん、どうかなぁ?みんな喜んでくれると思うんだよねぇ」
「…まぁ、確かにそうかもしれないけれど…。今から間に合うの?」
そう言いながら、木根は僕の方を見る。
「っ新曲っ???無理だよ。てっちゃん、無理!!!」
無理だって。
メロディー覚えて、歌詞覚えて、それから、あと、あと、何覚えるんだっけ??
「大丈夫だって。大ちゃん、べーあん、葛G、いいよね」
「……先生、TMNの所でやるんですか?」
「うん…一曲増やそうかって言う話してたじゃない?昔の曲…って事も考えたんだけど、せっかく、武道館って言うスペシャルな場所な訳だし、新曲やった方がいいかなぁって思ったんだけど、…ウツ?平気だよね」
確かめっていうか、もうすでに本決まりじゃんか……。
「ウツだったら大丈夫だよ。メロディー覚えるのも早いじゃない」
「歌詞だったら、いつも忘れるから大丈夫じゃん」
てっちゃんの言葉に木根のからかいが乗る。
だから、そう言う問題じゃないってぇ…!!
「大丈夫だって」
てっちゃんのシレッとした笑顔と、もう、決まったからって言う周りの雰囲気。
「ウツ、まぁ、あきらめろ」
それが小室哲哉だ。
と言う木根の言葉に僕はうなずくしかなかった。
あの、思い立ったら…って言う性格何とかならないかなぁ。
…それで、実現してきたから、良いところ何だけれど…。
*あとがき*
テレビで、この場合この星座は12星座中何番目という番組がやっていて、何気なしに見てたんだけど。
そこで、『思い立ったら吉日』と言う星座の1位は何座って言うので、射手座が1位だったのを見て、書いた話。
小室哲哉氏、11月27日生まれの射手座です。
しっかり、てっちゃん射手座の所に映し出されてたよ。
あの思いついたらすぐにの行動は射手座のせいねと思わず、思ってしまった。
で、武道館のMCで新曲やろうって言い出したのが2、3日前で…って言う話がウツと木根さんの口から飛び出したので、その時の話を書いてみました。
きっとこんな感じだ!!!!
ウツ、ほんとしみじみ言ってたもん。
『ボーカルは大変です』って。
あぁ、楽しかった!!
完成:2004/7/14