あま〜い。あま〜いお菓子。
砂糖菓子。
砂糖まみれ?
「愛してる」
って甘いのかな?
言葉だけじゃ絶対、甘いなんて思えなくって。
側にいれて、ぬくもり感じて、肌の感触を感じて、声を聞けて、そして言葉を感じられる事が一番甘いのかな。
「何を、考えてるんですか?」
「何って別に?」
あなたの言葉に、素っ気なく応えたら、あなたはその紫暗の瞳で見つめてくる。
あなたの瞳に見つめられたら、どうして良いかわからなくなるのよ。
あたしらしくなくなっちゃう。
「ねぇ、クリストフ、何読んでるの?」
「この前の会議で発表されたオーガニックエナジーの論文とゾンダーエネルギーに関する論文です」
「……環境会議にでたの?」
「言いませんでしたか?」
「聞いてない」
不満げに言ったあたしにクリストフは小さく笑う。
「すみません。教えておけば良かったですね。あなたも忙しいかと思って」
「そう言うのに関しては何が何でも教えてって言ってるじゃないのよ」
「すみません」
余裕でかわす言葉に少しだけむっと来る。
「セニア」
小さく声がかかる。
そっぽ向いてるあたしに少しだけ慌ててる?
「読みますか?」
目の前に出される書類の束。
興味引かれてるのに、見たいって言うのわかってて言うなんて相変わらず意地が悪い。
意地の悪さはホントに最悪ね。
何でこんな奴と一緒にいるんだろうって本気で考えちゃうわ。
「読まないんですか?」
「読むわよ」
声を荒げて応えた私に全て予想が付いていたかと言わんばかりのクリストフの態度はよけいにいらだたせる。
そんなあたしの様子すら全てお見通しで、クスリと笑って資料を手渡してくれる。
「獅子王博士(雷牙の方)によれば、ゾンダーエネルギーがゾンダー=メダルより発生したとき、オルファンはそれに反発するかのようにエネルギーを出す事は間違いないようです。ノヴィス=ノアの面々は否定していますが」
「でも、有機生命体を機械に変えるために活動をしていた、ゾンダー(機械原種)と有機生命体を活性化させるオルファン。性質から考えても獅子王博士の定理の方が正しい気もするけど」
「えぇ。ノヴィス=ノアは認めざるを得ないでしょうね」
「そうね…」
資料を読みながら、不意に気になったことを聞いてみる。
「ねぇ、クリストフ。一つ、聞いて良い?」
「何ですか?セニア」
「どうして、あたしはあなたに抱きしめられているの?」
彼がいたところが寝室だと言うことはこの際、しょうがない。
あたし、一応隣に座ったわよね?
でも、どうしてクリストフの腕があたしの体に巻き付いてるの?」
「手が届くところにいたからじゃ、納得できませんか」
そう言って意地悪い微笑みを見せる。
………。
遊ばれてる。
あたしのことで遊んでる。
今の台詞で思いっきり確信してしまった。
いつもだったら、こんな事言わないもの!!!
「離す…手放すつもりはありませんよ」
耳元でささやかれてぞくっとする。
「やめてよね、そんなこと言うの。人が資料を読んでるの邪魔しないでよ」
「していませんよ」
「じゃあ、人のことからかって遊ばないで!!」
「遊んでいませんよ。決めていたんです。あなたは永遠に私のものだとね。ただ、それを確認していただけですよ」
「……どういう事よ」
「さて。考えてみてはどうですか?すぐ、答えを求めるだけでなく、じっくりと経過をね」
そう言って、クリストフは回している腕を強める。
そんなの…分からないわ。
だから、聞いているのに。
だから、困る。
クリストフといると分からないことだらけなんだもの。
ただ、記憶、夢かもしれないことが一つある。
クリストフが地上に行くという前日の夜。
誰かの…クリストフの声が、夢うつつに聞こえる。
「セニア、覚えておきなさい。忘れないでいなさい。あなたは永遠に私の物だと言うことを」
夢か現か、はっきりとは分からなかったけれど。
*あとがき*
甘いはずの話が…どこか甘くないのは何故だ!!!!!
シュウ=シラカワを…この人を持ってきた時点で甘々にならないことは分かってたはず何だけど。
でも、がんばって甘く…してみたの??
でも、甘いかもしれない。
特別ゲスト、ブレンパワードの設定&GGG設定のみなさまっっ。
良いんだよっっ。スパロボ何だからっ。
ゾンダーメタルとオルファンの関係は適当っす。
2004/7/13:完成