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F i r s t  . . .


 ある日。
 一人の女子高生が、意を決して一人の体育教師に愛の告白をしました。
 ダメもとで打ち明けた初恋でしたが、教師は彼女のその想いを受け止めてくれたのでした。

 これは、そんな体育教師と女子高生がまだ付き合い始めた頃の話―――――


「せんせい、明日の土曜日ってヒマ?? それともなんか忙しい??」
 太陽がさんさんと昇る空の下。
 3時限目が始まったばかりの校内のグラウンドでは、体操着を着た生徒たちの手で等間隔にハードルが並べられていた。
 そんな中、白線引きを使ってグラウンドに白線を引いていた体育教師のアリオスは、後ろから聞こえた生徒の声にその手を止めた。
「あ? 明日?? ……特になんもねぇな。」
 青い空を軽く見上げながらそう言って声のした方へと振り返ると、他の生徒たちとは若干違って長袖長ズボンというジャージ姿の生徒・アンジェリークが嬉しそうにアリオスの隣へとパタパタ駆け寄ってきた。
「じゃあ、せんせいの家遊びに行ってもいい??」
「そりゃ別に構わねぇが…。 生憎、おまえが遊べるようなガキくせぇオモチャはまだ買い揃えてないぜ?」
「ホーントなんにもないよね。 せめてアヒル隊長くらいは……って、どういう意味よ??」
 初めて部屋を訪れたときのコトを思い浮かべていたのだろう。
 呆れたように小さな肩を竦めていたアンジェリークだったが、アリオスの言葉に引っかかるモノがあるのに遅いながらも気づいたらしい。
 アリオスが持たせていたファイルを途端に大きく振りかざし、隣で可笑しそうに笑うその人に向かって叩く素振りを見せる。
 その拍子にアンジェリークの首からぶら下がっているストップウォッチが、太陽の光線を受けて鈍い光を放った。

 ジャージ姿で片手にはファイル・首にはストップウォッチのアンジェリークは、決して運動部のマネージャーではない。
 今日の体育の授業である 『50mハードル走』 を見学の身である。
 この二人をご存知の方なら、大方の察しはつくだろう。
 そのうち、またお約束で補習授業の仲間入りになるだろうコトを……。

「…にしても、俺ん家でなにするんだよ?」
「う〜〜〜ん、別に…。 でも、せんせいん家にいるの楽しいよ、私。」
 問いかけた言葉になにを考えていたのかは計り知れないが。
 暫く宙に彷徨わせていた瞳をこちらに向けてアンジェリークが微笑んだ。
 コレといってなにをするでなくても、大スキな人と二人で過ごす時間は彼女にとって格別に幸せなひとときであるのには違いないようだ。
 そんなアンジェリークに対して、アリオスは異なる笑みを浮かべた。
「クッ、確かにそうだろうな。 人の家でTV見ながらゴロゴロして、んで俺が作ったメシ食って、その後またゴロゴロしてんだもんな。 まるでお姫様扱いってヤツだ。 そのうち太るぜ?」
「私、太ったお姫様なんて見たコトないもん。」
 からかうようにアンジェリークの柔らかな頬をつねると、ヤケに自信満々な態度で返された。
「おまえ、お姫様なんか見たコトあんのかよ?」
「あるよ。 シンデレラ。」
「アホか。」
 あまりのバカらしさに、顔をしかめて速攻で斬り捨てた。
 お姫様など、所謂童話の世界にしか存在しないモノだと考えているアリオスにしてみれば、今のアンジェリークの答えには頭を抱えたくなる。
 TVでチュパカブラを見ただけで 「私はチュパカブラを見た!」 と豪語するヤツよりもタチが悪いとすら思ってしまった。
 すると、お約束のようにアンジェリークがムクれたように頬を膨らませてくる。
「シンデレラは立派なお姫様じゃない。 舞踏会で出会ったステキな王子様と結ばれて、それから……」
「それからブクブク太って、めでたしめでたし。」
「ぶ〜〜〜」
「クッ…。 すげー、ブス顔。」
 にやにや笑いながらからかって言った言葉に、アンジェリークは口を尖らせて益々ふくれっツラを見せた。

 ソレを見て、アリオスは肩を揺らせて笑う。
 百面相のようにクルクルと変わる彼女のその表情は、見ていて飽きるコトがない。
 見事コレを真似できる者はそうそういないだろう。
 ある意味、感心である。
 そんなことを考えながら、アリオスはグラウンドの隅に建てられている時計台を見やった。
 3時限目が始まって、10分が経とうとしている。
「おい、アンジェリーク、いつまでブータレたれてんだ? んなヒマあったら、向こうのヤツらに 『準備体操やっとけ』 ってくらい言ってこい。 そろそろ始めるぞ!!」
 せかすように両手をパンパンと叩くと、「はぁーい。」 という少し気の抜けた返事がかえってきた。
「あ、せんせい。 明日約束だからね?」
 念を押すようにそう言うと、アンジェリークは集まる生徒たちのもとへと走り出す。
 その背に向けて、アリオスは返事の代わりにヒラヒラと手を振りかえした。

 そんなこんなで、教師と生徒の明日の予定が決まったのでした。
 ―――――授業中にも拘らず。



 そして翌日。
 アンジェリークはアリオスのマンションに遊びに来ていた。
 朝早くから訪れたにも拘らず、アンジェリークはアリオスが言っていた通りに少々ゴロゴロと不健康に過ごしていた。
 しかしながら、昼食の準備に取り掛かったアリオスの手伝いとその後の片付けは、しっかりと熟してみせた。
 ただし 「あーだ、こーだ。」 と、言われながらだったのだが……。
 今はアリオスの手料理でお腹もすっかりと満腹になり、二人してリビングのソファーで午後の時間をくつろいでいるトコロである。

「ほんと、せんせいって料理上手よね。 キュウリを3本同時に切っちゃうのにもビックリしたけど……」
「当然だろ??」
 それはサラダを作っていたとき。
 アリオスはまな板の上に3本のキュウリを並べると、見事な器用さでリズムよくスライスしていたのだ。
 料理などほとんどしたコトがないアンジェリークには、包丁で薄くスライスされるその様がまるでマジックのように見えた。
 電動スライサーやフードプロセッサーなど横着者には夢のような調理器具が数多く世に出回ってる中、包丁1本で全てを熟すアリオスにアンジェリークは大ゲサながら感動を覚えたのだった。
「ま、褒められて悪い気はしねぇな。 おまえも少しくらいはやっといたほうがいいぜ。」
「言われなくてもわかってるもん。」
 不器用ではないと思うのだが、食べる方が専門でいたアンジェリークにはイマイチ料理の勝手がわからないのだ。
 話を自分にふられ多少肩身が狭くなったアンジェリークは、手持ち無沙汰で雑誌を手にする。
 この部屋に来るまえにアリオスとマンションのロビーで待ち合わせて、近くのコンビニでジャンクフードやジュースと共に買ってきたモノである。
 何とはなしにページをパラパラとめくってみたが、今すぐに読みたいと思っていたワケではないため、アンジェリークはすぐにその雑誌を閉じてしまった。

 ふと隣のアリオスを見やると、ソファーの背凭れの上部に両腕を大きく広げながら淵に頭をのせ、咥えタバコで瞳を閉じていた。
 口が悪くてイジワルで、すぐに自分をからかってくる人。
 でもルックスはサイコーにいい。
 知らない人が見れば彼が教師をやってるようには誰も思わないだろうが、そんなコトはどうでもいい。
 彼が何をしていてるのか、どんな人でどのような教育者なのか。
 他人は知らなくても、自分が知っていればいいと思う。

 走るコトは得意なアンジェリークだが、その他の運動は小さい頃からずっと苦手だった。
 新学年に進級するたびに時間割と睨めっこをして、一週間に体育の授業が何回あるのかを真っ先に数えたものだ。
 それほどまでに体育の授業がキライだった。
 しかし今はそうでもない。
 運動は苦手でキライだが、いま隣にいる大スキな人と同じ時間を過ごすコトができる貴重なひととき。
 学校ではまわりの生徒たちの目もあるため、あからさまな態度をとるコトはそうそう出来ないのだが。
 それでも、ふり返ればその姿を目にするコトができる距離にいられるのがウレシかったりするのだ。
 そんなコトを考えながら、アンジェリークは再び隣に座っているアリオスを見上げた。
 さきほどと何ら変わらず、未だ咥えタバコのまま眠ったように瞼を閉じている。
 いまにも灰が落ちてしまいそうで、そのタバコを取りあげようとしたのだが、不意に彼の形のいい薄い唇に目が止まった。

『え、アンジェってまだアリオス先生とキスしてないの!?
 アノ先生って、誰がどう見ても手が早そうに思えるんだケドなぁ…。
 まぁアナタのコトそれだけ大切に想ってくれてるってコトじゃない?
 やたらガッついてくる男も、ある意味サイアクだしさーーー。』

 ぼんやりと見つめていると、そんなレイチェルの言葉が頭に過ぎった。
 そういうコトを求められない=大切にされてる
 ほんとにそうなのだろうか??
 そう思えれば随分と楽なのかもしれないが、当のアンジェリークは違っていた。

「ねぇ、せんせい??」 
「ん?」
 呼びかけると返事をしたアリオスがゆっくりと瞼を開け、色違いの瞳をのぞかせる。
 そしてタバコの灰を落とすために、その背をソファーから起き上がらせた。
「私のコト…、スキ??」
「だからこうして一緒にいるだろ?」
「じゃあ…、キスして。」
「………んだよ急に……」
「だって、今まで一度だってしてくれたコトないじゃない。」
 そういう知識をもっていれば誰だってソレに対しての憧れや夢などを抱いているものであり、このアンジェリークも例外ではない。
 自分に恋人と呼べる人ができたのと同時に、いつそのささやかな1つの夢が叶うのか……。
 心の中でそう思い、期待していた。
 それなのにいま隣にいるアリオスはアンジェリークのその言葉1つで見るからに顔をしかめて、フィルター近くにまで短くなったタバコをガラスの灰皿に揉み消している。
 その仕草が、いかにも面倒くさそうだった。
「……もういい、わかった。 私とはしたくないんだ。 どうせ私はせんせいと違って子供だもんね?」
「勝手に決めつけんな。 誰も、んなコト言ってねぇだろ?」
「言ってるわよ!」
 なによりも、そのあからさまな態度が。
 アンジェリークは手近にあったクッションを乱暴に手に取ると、ソレを勢いよく何度もアリオスにブツけた。
 縫い目がほどけて中のビーズが出てきそうなほどの力だ。
 アリオスはその行為をなんとか止めさせようと、悪戦苦闘しながらも彼女からクッションを取りあげる。
「いい加減にしろ、アンジェリーク!」
 柔らかなクッションとはいえど何度となくモノであたられていたアリオスは、堪らず大声をあらげた。
「せんせいのバカッ! 私の気持ちなんて全然わかってないじゃない!!」
「わかってないのはおまえだろ、このタコ!!」
「た、タコってなによ〜〜〜!! 大体せんせ……、っ!?」
 タコ呼ばわりされたコトに、アンジェリークは益々興奮しはじめる。
 クッションを取り上げられたため代わりに小さな拳をふりあげたのだが、瞬時に反応したアリオスに両腕を掴まれ、そのままソファーに身体を押さえつけられてしまった。
「ヤだ、離して……っ!」
 アリオスの力強い腕に敵う術はない。
 あまりに悔しくて、それでも抵抗しようと必死にもがいていたのだが、やがて聞こえたアリオスの声にアンジェリークはピタリと動きを止めるコトとなる。
「暴れんなよ。 無理矢理されたいのか?」
 そう言ったアリオスは今の今まで見たこともないような表情をしていて。
 アンジェリークは息を呑んだ。
 促す言葉とは裏腹に、長い前髪から見え隠れする色違いの彼の瞳にはどこか苦しそうな色が滲んでいるように見えた。
 こういう場合なにを言えばいいのか、どうしたらいいのかも全然わからない。
 ただ目の前にある顔を見ていると自分を押さえつける腕の力が弱まり、そしてアリオスが静かに口を開いた。
「したくないワケねぇだろ……」
「せん、せ……??」
「俺は…、おまえ以上にしたいってずっと思ってんだよ。」
 アリオスから聞かされたその言葉に、アンジェリークは戸惑いと驚きを隠せずにいた。
 そんな気持ちでいたのなら、なぜソレを実行しようとしなかったのか。
 自分が抵抗でもするのかと思っていたのだろうか?
 そんなコト、あるはずがない。
 アンジェリークはずっと待ってたのだ。
 誰よりもなによりも大スキな人と交わす、初めての口づけを……。
「……じゃあ…、どうして……?」
 疑問と想いを巡らせながら今もなお瞳を曇らせているその人の顔を見上げていると、ひどく優しい声で、それでいてどことなく苦笑を浮かべたアリオスがこう白状した。
「おまえが…、大切だから……。 どうしようもねぇくらい。」

 それなりに色んな場数を踏んできたアリオスだが、アンジェリークは当然のコトながら全くそうではない。
 アリオスと出会って初めて恋して恋を知って、初めて恋人という存在ができたのだ。
 それも普通とは違う。
 互いが同じ学校に通う教師と生徒という立場にいる。
 アンジェリークにはなにもかもが初めてなコトばかりなのと今の境遇を思えば、彼女を無下に扱いたくない。
 イマドキの高校生らしい部分が多く、いい意味で好奇心も反発心も旺盛な性格をもしてるがソレとコレとは話は別である。
 キスだけじゃ自分の気持ちがおさまらないコトくらい、アリオスは充分わかってる。
 たかがソレ1つでも、その一歩を踏み出してしまえばそのうち彼女の全てが欲しくなってしまう。
 図々しくて、欲深いのだ。
 自分はアンジェリークを手放す気など更々ない。
 他愛もないコトで笑ったりケンカしたりしながら小さなその手を取って歩いていれば、二人で過ごす時間は永く続いている。
 だから、今はまだゆっくりでもいい。
 彼女のペースに合わせていけばいいとアリオスは思っていたのだ。
 けれどそんな彼の思い込みが、逆にアンジェリークの心の中である種の不安を生みださせていたのだった。

「せんせいは私のコト買い被りすぎてる。 私だって図々しいのよ……。
 私もせんせいとキスしたいの……。 せんせいだからだよ、私がそう思うのは……」
「そうだな…。 俺もおまえじゃなきゃそう思わねぇよ。」
 これまで吐いて捨てるような数々の経験をもしてきたが、今はもう目の前にいるアンジェリークだけしか目に入らない。
 自分の心を大きく惑わせる、ただ一人の少女。
 ―――大の男が、完全にイカれちまってる。
 僅かに瞳を潤ませながら無自覚に誘い文句を言ったアンジェリークを見て、アリオスは改めて激しく実感した。
 たとえ脳天をブチ割られても、変わらずイカれたままだろう。
 心の奥で苦笑しながら色よい唇にゆっくりと己の唇を寄せていくと、自然と蒼い瞳が閉じられていく。
 鼻先が触れ合い、互いの唇が重なる寸前。
「愛してる…、アンジェリーク」
 ひどく優しい声でそう囁いて、アリオスはアンジェリークに口づけた。


 人の唇がこんなにも柔らかいんだというコトをアンジェリークはアリオスから教わり、初めて知った。
 何度も何度も繰り返し、羽根のように落ちてくるフェザーキス。
 フワフワと…、今まで味わったコトのない、甘くてとても心地良い感覚。
 まるで全身が無数の羽根に包まれ、天高くにまで浮き上がっていくような気さえする。
「おまえの唇、柔らかいな…」
「…ん、せんせいも……」
 そう言って閉じていた瞼をひらくと、アリオスは「そうか?」と苦笑をその瞳に滲ませていた。
 そしてほんの僅か、テレくさそうにも見えた。
 ―――あ…。 せんせいって、そんな顔もするんだ。
 どちらかと言えば、いつも皮肉めいた笑みしか見せない人だから。
 初めてのキスは夢見ていたものよりもずっとずっと優しくて甘く、幸せな気持ちにさせてくれる。
「せんせ…、いっぱい、して……」
 永遠とも思えるほど繰り返される口づけ。
 いつまでもこの夢のような、でも決して夢じゃない心地いい感覚に身を委ねていたい。
 触れ合う唇や吐息、時折頬を掠めるアリオスの髪や指先すべてに。
「んなコト言ってると、どうなっても知らねぇからな、俺は…。 あとで文句タレんなよ?」
「な…、に??」
 夢心地の中で聞いたアリオスの言葉をアンジェリークは聞きとるコトができなかった。
「さぁな。 そのうち判るだろーぜ。」

 優しかったアリオスの口調がさり気に普段どおりに戻っているのは、余裕のあらわれなのか。
 だとすれば、ソレは何を物語っているのか……。
 残念ながら今のアンジェリークには、まったく知る由もなかった。
 そしてその夜、彼女は始めての外泊を余儀なくされたのでした。


 それから数日後の体育の時間。

「おい、アンジェ。 おまえ、何回授業サボりゃ気が済むんだよ??」
 他の生徒達が賑やかにバスケットボールを楽しんでいる中、アリオスは体育館の片隅でちょこんと座っているアンジェリークに近寄ると、開口一番そう言った。
「別にサボってなんかないわよ。 今日は体操着持ってくるの忘れたんだってば。」
「だったら他のクラスのヤツにでも借りてくればいいだろ。 大体ソレをサボってるって言うんだろーが。」
「なによ〜〜〜! 私だって、見てるんだからね。 アリオスがサボってタバコ吸ってるトコロ……」

 あの夜を迎えてから―――というかあの夜から、二人は互いに愛称と名前で呼び合うようになった。
 なぜそのようになったのか……。
 愛し合う恋人同士には色々とワケがあるのである。
 もちろん学校で互いがそう呼び合うのは、周囲に人がいないときだけだと決めている。
 いま自分達のまわりには多くの生徒たちがいるが、体育館中に高らかな声が響きわたっているため聞かれるコトはない。

「そういや…、今週の土曜ってヒマしてるか??」
「土曜日?? えーっと、夕方までレイチェルと二人で買い物に行くけど。 ほら、新しく出来たショッピングモール。」
「ふーん……」
 そう言ってどことなく面白くなさそうな顔をするアリオスにアンジェリークは首をかしげる。
「アリオス、どうかしたの??」
「いや……。 なら、夕方から俺ん家来ねぇか? 泊まりで。」
「え…っ!?」
 泊まりで…という言葉に、アンジェリークは瞬時に顔を赤らめた。
 どうやら、あの初めての夜のコトを激しく思い出したらしい。
 そわそわとその身体を揺らしながら、それでもアンジェリークはシッカリ「うん…」と頷いた。

 こうして、体育教師と女子高生の週末の予定が決まった。
 ―――――授業中にも拘らず。


 そしてコレを境に、アリオスは怖ろしいほどの本性を次々と剥き出しにしていった。
 その所為もあって、アンジェリークはレイチェルのアノ言葉を思い出さずにはいられなかった。

『やたらガッついてくる男も、ある意味サイアクだしさーーー。』

 悩みどころではあるが、それでもアンジェリークは幸せなのでした。


▽ F I N ▽



カウンター10001番を踏まれましたtinkさまのリクエスト 『体育教師アリオスさんとコレットちゃんの初めてのちゅう』
”あくまでプラトニックに” …ってのがムズカシかったです。
だってウチのアリオス先生といえば……、ねぇ??(ゲラ笑)
それにしても…、激しくズドドーンと大ゲサに考えすぎだってば、今回の先生。
なんか、この人の違う一面を垣間見た気がする…。


サミー様のサイト「天使爛漫」様の10001HITを踏ませて頂いた創作ですvvvvv
やっぱり体育教師アリオスステチ。
特にふたりの会話が最高です〜!!!
好き〜!!
サミー様有り難うございました!
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