STONED LOVE


「アリオス、これ知ってるか?」
「何だ?」
 オスカーにチョコレートが二つ入った箱を見せられ、アリオスは首をかしげた。
「これはな、食べると凄く大胆になるチョコレートだそうだ」
「大胆!?」
 アリオスの脳裏に浮かんだのはもちろんアンジェリークのしどけない姿。
 はにかみながら身を任せてくる彼女もいいのだが、大胆な彼女に翻弄されてみたい。
 良くない微笑を口元に浮かべ、アリオスはオスカーに手を出した。
「何だ? その手は」
「よこせ」
「いやだ。これは俺のアンジェリークに試すんだからな」
 アリオスから隠すようにオスカーは箱を忍ばせようとする。
「じゃあいいのか? おまえの金髪のアンジェリークに、モデルを口説いてたって言ったって?」
 意地悪げに、そして少し楽しげにアリオスは言い、オスカーは言葉に詰まった。
 それを言われてしまえば、きっと、金髪のアンジェリークに怒られてしまうことは請け合いだ。
 彼女は外見はとっても可愛らしいのだが、怒るとかなり怖いのだ。
「じゃあ、1個分けてやる・・・」
「サンキュ!」
 オスカーはビニールを取ってきて、しぶしぶチョコレートを袋の中に入れ、アリオスに手渡す。
「サンキュ♪ 恩にきるぜ?」
 心から嬉しそうにそれを受け取り、アリオスはオスカーにウィンクをして見せた。
「くそっ! 何かおごらせるからな」
「じゃあな。早速試してみるぜ?」
「待て」
 慌てて帰ろうとしたアリオスを、オスカーは呼び止める。
「何だ?」
「それ、大の男でも半分でいいらしいから、お嬢ちゃんには四分の一でいいからな?」
「ああ。判った」
 返事もそこそこに、アリオスは家路へと急ぐ。
 もちろん、彼が愛してやまない相手アンジェリークが待つ場所に----
「ったく・・・、お嬢ちゃんが絡むと、見境ないよな? 今夜のお嬢ちゃんに同情するよ」
 アリオスの背中を見送りながら、オスカーは深い微笑を浮かべた。
「さあ! 俺も帰るぞ!! 待ってろ、アンジェリーク!」
 愛する天使にめろめろな男たちの”いたずら”が今夜花開く----

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 アンジェリークの手料理に舌鼓を打ちつつも、アリオスはそわそわしてたまらなかった。
 もちろん彼女の手料理はとても美味しく、彼を満足させた。
 夕食も終わり、食器洗い乾燥機に食器をセットし終わり、ようやく二人のくつろぐ時間になったのは、八時を過ぎてからだった。
 リヴィングのソファに腰掛けながら、アリオスは熱い夜になるだろう今夜に思いをはせる。

 明日、休みでよかったぜ?
 アンジェがどんなに乱れるか・・・

 考えるだけで、彼は高まりを覚えてしまう。
「アンジェ、珍しいチョコレートを貰ったんだが食うか?」
「チョコレート? 嬉しい!!」
 明るい笑顔が顔中に広がり、彼女はアリオスに嬉しそうに寄っていく。
 やはり彼女も年頃の女の子。
 甘いものには弱いのだ。
 その純真な笑顔に、アリオスは一瞬だけ罪悪感が浮かんだが、彼女の積極的な乱れた姿が何よりも見たくて、そんな思いはすぐに消えてしまった。
「ほら」
 彼は言われたとおりに四分の一かけだけ彼女に差し出した。
「これっぽちなの?」
 彼女は手のひらに置かれた小さなチョコレートのかけらに、大きな瞳をさらに丸くする。
「いいから食ってみろよ? オスカーに貰ったんだ」
「オスカーさんに?」
 彼女は少しそれを見つめてから、一気に口の中へと入れた。
「どうだ、美味いか?」
「うううん、普通のチョコレートよ?」
「そうか?」
「うん」

 アンジェには効果がないのか・・・

 少しがっかりして、アリオスはソファから立ち上がった。
「シャワー浴びてくる」
「うん・・・、いってらっしゃい」
 彼がバスルームに消えた途端、アンジェリークは身体の奥から突き上げてくる熱い想いの激しさに、思わず身体を抱きしめる。

 身体が火照ってしょうがないわ・・・。
 どうしたら・・・

 彼女は甘い疼きが身体に駆け巡るのを感じる。

 彼女はとりあえず寝室に向かい、チェストの奥に直しておいた、大胆な下着を取り出す。

 どうしてかしら・・・。
 これを着た自分を彼に見てもらいたいなんて思うなんて・・・

 それは彼女にしては奇跡のような大胆さだった。
 黒のレースは前が透けて見えそうな紐でとめるタイプだったし、まるで映画に出てきそうなガーター、デコルテもとってもセクシーだ。
 彼女はそれをつかむと、バスルームへと向かった。
 ちょうどシャワーを浴びたアリオスが出てくるところだった。
「あ、私も、浴びるね?」
「ああ」
 胸がはだけたローブ姿の彼に鼓動を高まらせながら、彼女もバスルームへと消える。
 彼女のことはすべてお見通しに彼は、そっとほくそえむ。

 チョコレートの効果かな?

 彼は寝室に向かうと、明かりを薄暗くして、彼女を待ちわびる。
 より大胆になっているだろう、彼だけの天使を----   

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 大胆すぎたかな・・・

 そう思いながら、シャワーを手早く浴びたアンジェリークは、黒の大胆な下着姿になっていた。
 ローブも身に纏わず、彼女はそのまま、彼が待ちわびる寝室へと向かった。
 寝室のドアが静かに開いて、天使が現れたとき、アリオスは思わず息を飲む。
 暗闇に浮かび上がる彼女は、いつもにも増して艶やかで、大胆だ。
「アンジェ・・・」
 感嘆の声が、アリオスの唇から漏れる。
「アリオス・・・」
 いつもの彼女とは違い、名前を呼ぶなり、彼に抱きついてきた。
「おいっ!」
 彼はそのままアンジェリークに組み敷かれる格好になり、彼女から唇を受けた。

 たまにはいいな、こんな感じも・・・

 彼女は、精一杯、彼の唇を吸い、舌でなぞり、彼の口腔内をゆっくりと舌でかき回す。
 彼女の背中に置かれた彼の腕に力がこめられる。
 彼もされるがままにしているわけではなくて、彼女の舌に巧みに舌を絡ませ刺激を与える。
 互いの唇から甘い息が漏れ、唾液が伝わる。
 唇が離され、アンジェリークは青緑の瞳を欲望で曇らせて、アリオスの異色の瞳を覗き込む。
「----あなたが、たまらなく欲しいの・・・」
 いいながら、彼女の小さな手は、彼のローブを解き、その精悍な胸に愛しそうに顔を当てる。
「いいぜ? 俺を悦ばせてくれるのか?」
「うん・・・」
 言って、彼女は彼のローブを剥ぎ取ると、その筋肉で引き締まった胸に手を這わせ始めた。
「アンジェ・・・」
 アリオスの息遣いが僅かに速くなる。
 それが嬉しくて、彼女はいつも自分の身体に彼がするように、彼の胸の尖りをつんとつまむ。
 彼の身体が僅かに震えるのが、彼女は何よりも嬉しくて、微笑みすら漏れてしまう。
「おい」
 手を急にとられたかと思うと、彼は、欲望にそそり立ったものを彼女につかませた。
「やれよ?」
「うん・・・」
 チョコレートのせいで、いつもより大胆になっている彼女は、そこに唇を寄せて、含む。
「クッ!!」
 優しい彼女の舌が舐め上げ、唇で含み上げられて、彼のものは硬くそして大きくなってゆく。
 快感が、アリオスの全身に駆け巡った。
「よし、よくやったぜ」
 出してしまう寸前で、彼は彼女の唇から自分を引き抜いた。
「今度は、おまえの番だぜ?」
「ああっ!!」
 セクシーなデコルテの胸の戒めの上から、彼女の豊かなそれを大胆に彼は揉み込む。
 ゆっくりと、優しく砦を取り去った後、彼は皿のイ持ち上げるように何度も形を確かめて揺らし、こねるように力強くもみ始めた。
「ああっ!」
 その指の感触に彼女は思わず身体をのけぞらせる。
「可愛いな? おまえは」
 彼は彼女の白い胸に顔を埋めると、尖りかけているいただきを捉え、熱く感じやすくなっている底を、熱く、甘く吸い上げる。
「ああああっ!!」
 鋭い快感が全身を駆け抜け、彼女は無意識に嬌声を上げると、今度は甘噛みされる。
 交互にそうされ、あまりにもの心地よさに身体をと事理、乳房がもの欲しそうにゆれたところを、さらに強く激しくも見込まれた。
「あああっ!!」
 彼女が甘い快感に流されていると、彼の指はすっかり濡れそぼった秘所へと指を這わせる。
 砦は、もう紐だけでつながっているようなもので、感嘆に外されてしまった。
「あああっ!」
 花肉に強弱の刺激を与えられ、彼女は身を震わせる。
 花肉は彼の愛撫にすっかり膨らみ、育って行く。
「ああああんっ!!」
 大胆に腰を揺らし彼女は腰を僅かに浮かせると、彼の指を再奥へと吸い込ませていった。
「アリオスっ!!」
 彼の指は出し入れを繰り返し、彼女の内壁の感じやすいところに何度もこすりつける。
 もうひとつの腕は、彼女の太ももを捕らえ、指先は花芯を刺激した。
 溢れてやまない蜜。
「あああっ! だめっ!!」
「まだだぜ? さっきのお礼は終わっちゃいねえ」
 彼はそのまま彼女の花園に顔を埋めて、今度は舌で大胆に蜜を舐めとり、花芯を刺激してゆく。
 しどしどにぬれた場所を音を立てて舐めとり、舌は彼女の中に入ってゆく。
 耐えられないほどの甘い刺激が、雷になって、彼女の全身を駆け抜ける。
 もう我慢が出来なくなる。
「アリオス!! お願い、あなたが欲しいの、私の中にどうか・・・」
 喘ぎ喘ぎに甘い声を出しながら彼女は囁くと、彼はクッと微笑む。
「じゃあ、自分で入れてみろよ?」
「えっ!?」
 一瞬躊躇したが、彼女は甘い疼きにもうこれ以上耐えられなくて、僅かに頷いた。
彼がそっと体を起こすと、彼女は彼にまだがり、彼の高まったものを、そっと自分の胎内に導き始めた。
「あああん」
 身体を快楽に震わせながら、彼女は自分の体をゆっくりと下ろしてゆき、彼女が育てた彼の分身をすっぽりと胎内に収めた。
 アリオスの息が上がる。
 彼女の締め付けに域を乱しながら、彼はさらに胎内で力を増強させる。
「ああああっ!!」
「いいぜ? 動けよ?」
 言われるまま、彼女はゆっくりと腰を動かし始めた。
 感じる場所に彼自身を合わせて、彼女の快感は痺れるような感覚と共に広がってくる。
 やがて、彼も下から強い刺激を与え始め、彼女は気が失うほどの快楽を覚える。
「ああああっ!!」
 アリオスの腰の動きは激しくなり、えぐるように腰を回し、小刻みに突いたり、深くついたりする。
「あああっ! もうだめ〜っ!!」
 揺さぶられて、彼女の視界が白くなる。
 彼自身も彼女に締め付けられることで、楽園に導かれる。
 視界が激しくゆれる。
「ああああんん!! アリオスっ!!」
「アンジェ!!」
 そのまま彼女はまぶたに光を感じ、ベットに沈み込んでしまった。  

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 気を失った彼女を抱きながら、アリオスも試しにチョコレートの四分の一かけを口にした。
 その途端に、彼自身が彼女の中で力を増大させる。
「アリオス・・・、ああっ!!」
 気が付いた瞬間、アンジェリークは彼に再び翻弄されてしまう。
「話はあとだ」
「ああああ!」
 漏れる嬌声。

 アリオスが、今度はいつもにまして”野獣”になってしまい、彼女が使い物にならなくなるまで、激しく求めつづけたという----


コメント

さくら様に同人誌を頂いたお礼創作です。
さくら様のリクエストで、「出来心でちょっと薬なんか使ってみたらば、いつもより大胆になってしまったアンジェにほくほくのアリオス」
です。
なんだか、これだとアリさん一人がいい思いをしたような気が(笑)
タイトルの「STONED LOVE」はダイアナ・ロスとシュプリームスのダイアナがいた最後のほうの曲から。
意味はちょっと危ないので、AMERICAN ENGLISHに詳しい方に訊いてみて下さい(笑)