おまえを抱けば・・・、離せなくなる・・・。
だが、狂おしいほど、おまえだけが欲しい・・・。
そう・・・、おまえだけが・・・。
おまえはまだ眠い姫・・・。
おまえの目を、俺が覚まさせてやりたい・・・。
「嵐、止まないね・・・」
「ああ。ヘンなところで足止めを食っちまったな」
アリオスとアンジェリークは、森の薬草を取りに行った帰り、思わぬ嵐に会い、廃屋に避難していた。
冷たく激しく降りしきる雨は、徐々にアンジェリークの体温を奪っていく。
「寒いのか?」
アンジェリークは、薄い戦いの衣装のせいか、寒さを敏感に感じ振るえている。
「・・・ちょっと、寒いかも・・・」
アンジェリークは唇を震わせ、寒さの余り全身を抱きしめる。そうしていても震えが止まらない。
「ちょっとじゃねえだろ!」
アリオスは、少しきつい言葉とは裏腹に、優しく彼女を抱きしめ、その背中をさすってやった。
「これで寒くねーだろ?」
「あ、ありがとう・・・」
アンジェリークは、胸が締め付けられるような、甘い疼きを体の奥から感じ、鼓動が早くなる。このままこうしていたいと思いながらも、寒さではない震えが彼女を覆う。
「大丈夫か? 震えが止まらないじゃねーか」
アリオスは、少し体を離し、彼女の体をさすってやろうとした。
「いやっ・・・」
アンジェリークは、喉の奥から絞り出されたような切ない声で、彼を制止した。
アリオスが体を離そうとし、彼女は慌てて彼の腕を掴む。
「違うの。お願い・・・、抱きしめていてほしいの」
「クッ、しょうがねーな。このお姫様は」
アリオスは、そんなアンジェリークが可愛くて、可笑しそうに喉を鳴らして笑うと、再び彼女を抱きしめた。先ほどよりも強く。
「・・・有難う、大好きよ」
アンジェリークも、アリオスの背中を撫でて、暖めようとする。
彼女の小さな暖かい手が、彼の背中を行き交い、アリオスは、切なさの余り、息が苦しくなる。
おまえの温かさを、俺は感じる資格などないのに、その温かさに溺れたいと思ってしまう・・・。
おまえを深く傷つけるのは判っているのに、出来る限り、おまえの傍にいたい・・・。
おまえが愛しくて、魂の底から愛しいから、傷つけたくなくて。
だけど傷つけたくて・・・。
儚い夢の残像を、俺は追いつづけているのか・・・。
「アンジェリーク・・・」
アリオスは、噛み締めるようにその名を呼び、アンジェリークの顔を強くひき寄せると、激しく彼女の唇を封じた。
自分の想いを彼女に伝えるために。
彼の唇は、やがて優しくなり、そっと確かめるように彼女の唇を愛撫し続ける。
「・・・ん・・・」
時折アンジェリークの唇から、艶やかな吐息が漏れ、アリオスがくれる甘い旋律に頭をのけぞらせる。
彼の手は、優しく彼女の栗色の髪に差し入れられ、優しく頭を支えてくれた。
ゆっくりと唇が離され、アンジェリークはアリオスに抱きしめられながら、そっと彼の肩に頭を凭れさせた。
ずっとこうしていたいと思うのは、罪なんでしょうか・・・。
永遠に彼の傍にいたいと思うのは、いけないことなのでしょうか・・・。
「アリオス・・・」
「何だ?」
愛しい人の低く響く魅力的な声に酔いながら、アンジェリークは目を閉じる。
「私、悪いコね・・・」
「なぜだ?」
「----だって、このままずっとこうしていたいと思っているから。
あなたとずっと一緒にいたいって思ってるから・・・」
アンジェリークは、胸が締め付けられる甘美な痛みの余りに声がかすれてしまう。
「だったら、俺も悪いコだ」
「どうして?」
「おまえを独占してるから・・・」
アンジェリークは、ふふっと幸せそうに笑うと、彼の背中に回した腕に力を込める。
「アリオス・・・、どこにも行かないでね・・・。ずっと私の傍にいてね・・・」
アンジェリークの声は、今にも消え入りそうに儚げに囁かれ、切なげに彼の胸に顔を埋める。
少女の、小さな愛の願い・・・。
今の彼女にとって、それはたった一つの願い・・・。
それは、最もかなえてあげたくて、叶えて上げられない願い。
「----ああ、どこへもいかねーよ。ずっと傍のいてやる・・・」
優しい嘘であり、残酷な嘘。
しかし、それは彼が願って止まない希望。
剣士の、小さな愛の願い・・・。
「いつまでもどこまでも私を連れて行って」
「ああ、いつまでも一緒だ・・・」
再び唇が重ねられる。
温かさと優しさに含んでいた巧みな口づけは、やがて情熱的なものへと変わってゆく。
アンジェリークは、総てを忘れてゆくような感覚を覚える。
彼女は、全身に貫く切ない思いに身をゆだね、アリオスのキスに、その情熱に答える。
暫くして、名残惜しげに唇が離され、アンジェリークは、欲望に煙った瞳でアリオスを見つめた。
「アリオス・・・」
「なんだ」
「----あなたのものになりたい・・・」
アリオスは、息を呑み、驚いたようにその瞳を見開いた。
「ずっと、思ってた・・・。アリオスのものになりたいって」
アリオスは、アンジェリークの顔を両手で包み、その澄んだ瞳を覗き込む。
「それがどういうことか、おまえはちゃんと判っているのか?」
アンジェリークは、真摯な眼差しを彼に送ると、しっかりと頷いた、
ここでおまえを抱いてしまえば、俺はおまえを離せなくなる・・・!
おまえを深く傷つけてしまう・・・!
しかし・・・!
愛しくて、愛しくて堪らないおまえを、抱きたくて、汚したくて・・・!
アリオスの心の中の楔が、今解き放たれ、彼が"理性”と信じ込んでいた世界が音を立てて崩れ落ちる。
彼の唇が、今までにも増して激しくアンジェリークの唇に重ねられる。
秘密の時間が訪れる・・・。
剥き出しになった、アンジェリークのシミ一つないまろやかな白い肌に、アリオスは体温より少し冷たい唇を這わせてゆく。
彼の唇を受けた肌は敏感になり、熱を帯びる。
「綺麗だ・・・」
「・・・あっ、アリオス・・・」
アリオスの舌が、アンジェリークの首筋を這い、全身に走る甘い旋律に、彼女は切なげな声を上げた。
その声は、アリオスをどうしようもなく昂まらせてゆく。
彼は、彼女の全身にキスを浴びせ、そこには赤い痕が華となって、咲き乱れる。
それは、アリオスがアンジェリークに刻み込んだ、所有の証だった。
アリオスは両手をすべらせてアンジェリークの胸の膨らみを包み込み、熱く張り詰めるまで愛撫を繰り返した。
アンジェリークは、激しく喘いで、思わず体をのけぞらせる。
「アリオス・・・、あ・・・、ん・・・」
愛しい者の名をやるせなく囁きながら、彼女は頭がぼうと麻痺してゆくのを感じた。
「・・・あっ・・・、やん・・・」
アリオスの唇が胸の頂を含んだ時、より高い声がアンジェリークから漏れた。
彼の唇は、最初は、優しくそして徐々に激しく頂を舌で巧みに転がしてゆく。
その度に、熱い疼きが、彼女の体の奥から突きあがり、抑えたくて彼にすがり付いていた。
「・・・アリオス・・・! いや・・・、あっ、ああ」
唇が胸に押し付けられている間、彼の細くて長い指は、彼女の太腿をなぞりながら、誰も触れたことのない場所へと侵入していた。
彼の指は、花芯を何度もかすめ、その度に彼女は、全身がしびれるような感覚に震え、甘美な嗚咽を漏らす。
「あ・・・、アリオス・・・、やだ・・・、」
やがて、甘い旋律の証が、彼女の胎内から蜜となって流れ出す。
指は、彼女の蜜の泉を探り当て、淫らな水音を響かせて、胎内へと入ってくる。
「・・・あん・・・、あっ」
彼の指は、彼女の快感を巧みに探り出していった。
充分に蜜で潤ったことを確認すると、アリオスは唇をゆっくりと下に下ろしてゆく。
「ん・・・、いや・・・、だめ・・・、そんな・・・、あ・・・、アリオス・・・!」
アリオスは、アンジェリークの足首を掴み、足を広げさせると、そこに顔を埋めた。
彼女は、恥ずかしさの余りその身を必死でよじったが、彼の力強い腕に簡単に押さえ込まれてしまった。
「いや・・・、あっ、ダメっ!」
秘処に彼の温かい息を感じ、水音が響いてくる。
「いい・・ああ・・・」
彼がそこを舌で舐めていると知り、恥ずかしさと目くるめく快感に頭が白くなってゆく。
蜜を舐め取り、入り口を溶かすために、彼は愛撫を続ける。
同時に指を胎内に入れ、彼女の快感を探り当てる。
「だめ・・・、アリオス・・・、これ以上は・・・」
アンジェリークが、体の奥から突き上げる甘い疼きを沈めるため、腰をゆすりだす。
彼女はこれ以上絶えられなかった。もし、アリオスが、この苦しみを取り除いてくれなかったら死んでしまうと思った。その方法はただひとつ・・・。
「アンジェリーク・・・、大丈夫だ。俺を信じてくれ。 ・・・あいしてる・・・」
「い・・・・や・・・!」
アリオスの低く甘い囁きを合図に、彼は、彼女の胎内へとその身を埋める。
「痛い・・・」
アンジェリークは、その衝撃の大きさに、彼に回す腕に力を込める。
これは、罪の痛み・・・。
アンジェリークは、そう思う。
だけど、愛しい人と結ばれるのが何よりも嬉しくて、もっともっと近づきたくて。
切なくて、このままずっとひとつに溶け合いたくて・・・。
アリオスも、誰よりもアンジェリークがいとおしく、もっと汚したい、もっと悦ばせたい・・・。
苦しげな彼女のため、アリオスは、顔や、首筋、胸、そして唇にキスの嵐を送り、その苦痛を和らげる。
やがて、異物感に慣れたのか、アンジェリークは儚げにアリオスに微笑みかける。
「もう・・・、痛くないから・・・」
それを合図に、アリオスは、胎内に総てを沈み込ませ、この上なく優しく動き始めた。
体の動きそのものが愛撫だった。アンジェリークの快感を巧みに引き出し、天国へと押し上げる。
「・・・アリオス、アリオス、もう・・・、溶けちゃう、だめ・・・!!!」
アンジェリークは、激しく痙攣し始め、アリオスに満たされた甘い苦痛の叫びが、辺りを引き裂く。
「・・・アンジェリーク・・・!」
アリオスも同時に天国へと上り詰め、アンジェリークはその瞬間意識を手放した。
アリオスによって、アンジェリークはこの瞬間から"眠り姫"ではなくなった。
傍らで静かに寝息を立てる愛しい天使に、アリオスは優しく口づける。
「愛してる・・・」
彼は、愛しげに、切なげに彼女に囁く。
もう・・・、おまえへの愛しさに歯止めが利かなくなってしまった・・・。
無理とはわかっていても、おまえの傍にいたい・・・。
おまえの小さな願いをかなえてやりたい・・・。
そして、俺の願いも・・・。
俺は・・・、どうすればいい・・・?
二人の聖なる愛の悲劇が、今、幕を開ける・・・。
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コメント
tink初の裏ものですが、いかがだったでしょうか。
元がエロなもので、長いものをがんばってみました。
ちなみにタイトルの「SAY A LITTLE PLAYER」はバカラック・デビッドの、アレサ・フランクリンが歌った
「小さな愛の願い」からです。
決して、RKプロデュースのグループとは関係ありません。(笑)
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