Night Trip


 心地よい揺れに身を任せながら、アンジェリークは、闇の世界を魅入っていた。
「なんだか、ロマンティックよね? 客室列車の旅って」
「だろ? 日ごろ頑張っている奥さんにプレゼントだ…」
 個室で、誰も居ないことをいいことに、アリオスはぎゅっとアンジェリークを抱きしめる。
 お互いに、甘い雰囲気を漂わせながら、寝台に乗って、ロマンティックな気分を楽しんでいる。
 彼女は、彼に身体を預けると、安心したように、幸せの溜息を吐いた。
「有難う…。いつも感謝してるわ…。
 いつも思うもの…。あなたの奥さんがホントに私でいいのかなって? 
 -----あなたはとても素敵だし、頼りがいがあるし…」
「それに”えっち”だろ?」
 耳朶を甘く噛みながら囁いてくる彼に、アンジェリークは、真っ赤になって、甘い声を唇から漏らす。
「…バカ…」
「言っておくが、俺は、”おまえ限定のえっち”だからな? おまえだからやりてえんだよ」
「え、ああっ!」
 そのまま寝台に倒されて、アンジェリークは甘い声を上げてしまう。
 深く唇を抉るように奪われて、彼女は頭がくらくらするのを感じた。
 舌先で口腔内をくまなく愛され、彼女が最も感じる上顎を丁寧に舌先で舐めてやる。
「ん・・・」
 甘い呻き声がアンジェリークから漏れ、アリオスはそれをおかしそうに笑う。
 深く唇を吸い上げ、ようやく彼女から唇を離した。
 既に、アンジェリークの瞳は、情熱の深い色に変わってしまっている。
「アンジェ…」
 欲望にくぐもった声でアリオスはその名を呼び、首筋に唇を押し付けて彼女の白いワンピースを脱がし始める。
「アリオス…っ! ここは電車の中よっ!」
「構うもんか…。個室で寝台なんだぜ? 関係ねえじゃねえか」
「でも…」
「黙ってろ」
 再び唇を彼に塞がれて、アンジェリークは二の句を繋げることが出来やしなかった。
 唇を奪っている間も、アリオスは、アンジェリークの背中に手を入れて、服を脱がしにかかる。
 少し背中を浮かせて、ファスナーを一気に下ろし、僅かの間に、アンジェリークは下着姿にされてしまった。それと同時に、唇も離される。
「あっ…」
「電車だからな? 個室とはいえ、防音はそれほどじゃねえ。声は静かにな?」
「だったらしなくても・・・」
 抗議をしようとしても、もう身体に火がついてしまったアンジェリークの言葉はそれほど説得力がない。
「言っただろ? 俺はおまえ限定のえっちだって…。おまえとだったら、毎晩やりたくてしょうがねえんだよ」
「アリオス…」
 欲望のこもった異色の眼差しで見つめられると、アンジェリークは、一溜りもなく、そのまま体が、彼を求めてひとりでに開いてしまう。
「そうだ…、いいこだ…」
「んんっ!」
 胸を張り詰めるまで揉みこまれた後、アリオスはブラジャーの上から、アンジェリークの尖ったつぼみを指先で摘む。
「んっ!」
 体が寝台から跳ね上がり、アンジェリークがどれほど感じているかが判る。
 ブラジャーの布に、刺激されてか、蕾は熱を帯びていた。
「はあ…」
 吐息が朽ちるから悩ましげに漏れた。
 アリオスはブラジャーの上から、勃っているのが判る蕾を強く吸い上げる。濡れた布がそこを刺激して、アンジェリークは身体をさらに震わせた。
「ん、あんんっ!」
 自分のために、一生懸命声を我慢祖手くれている彼女が可愛くて堪らない。
 アリオスは、フロントホックを口で外し、剥き出しになった白い胸を舌で味わった。
「もっと大きくしてやるからな?」
「・・・いやん・・・」
 舌先で、すっかり育ってしまった彼女の蕾を緩やかに転がす。
「ああっ!」
 唇を噛締めて、一生懸命我慢をしてくれる彼女が、とても可愛くて堪らなかった。
 アリオスはそのまま唇を腹部に落としながら、下へと下がっていく。
 寝台の定期的な揺れが心地よい。
 指先を秘所に親友させると、そこはもう充分なほど濡れていた。
「アリオス…」
」名前を艶やかな声で呼ぶことで、アンジェリークは嬌声を我慢している。
 普段は、声を気にしなくてもいい環境で愛し合うせいか、この環境はかなりきつかった。
 すっかり濡れてしまった下着を剥ぎ取ると、アリオスは、アンジェリークの熱に尖った花芯をしっかりと、すり上げる。
 それだけでも、敏感になったそこは、蜜を滴らせる。
「ああっ! アリオスっ!!」
 思わず声をだした彼女に笑いながら、指先で唇をつんと抑える。
「静かにな」
「あ…」
 泣きそうな表情で真っ赤になってコクリと子供のように頷く彼女が可愛くて仕方がない。
 彼は、アンジェリークの足を大きく開かせて、その間に顔を埋め、蜜を美味しそうに舐め取る。
 舌先で蕾を転がせば、彼女の小さな体が震え始めた。
 電車の振動と彼女の振動。
 それがアリオスには子守唄のように心地が良い。
「んんっ! アリオス・・・もうっ…」
 切羽詰ったアンジェリークの声に、アリオスは顔を外す。
 彼の口の周りは既に蜜だらけになっていて、フッと笑うと、口にあるそれをアリオスは拭った。
「おれも堪らなくなってきたからな?」
 彼はそれだけを言うと、アンジェリークの濡れて熱い場所に、自分自身を一気に宛がった。
「んんっ!」
 同時に彼女の唇を塞ぎ、アリオスは腰と舌を同じように動かし、この上なく優しく、アンジェリークを攻め立てる。
「んんっ!!! んっ!!!」
 熱いアンジェリークのそこは、アリオスをすっぽりと埋め込んで離さない。
「アンジェ、誰かが聞き耳を立てているかも知れねえゼ?」
 それと同じタイミングで、足跡が響いてくる。
「いやんんっ!」
 一瞬離れた唇も、アリオスは直ぐに塞いでくる。
 彼の淫らな言葉と、いつもとは違った場所のせいか、アンジェリークはかなり興奮し、蜜を滴らせて、アリオスを締め付けた。
「今夜もおまえすげえゼ。
 俺も興奮しちまうぜ…」
「ああんっ!!」
「はあ、ああ、あああんっ!!!」
 アリオスは、アンジェリークの感じる箇所を強く突き上げる。
「はあああっ!!」
 思わず嬌声を上げた彼女を、アリオスは唇で塞ぐ。
 彼女の快楽を抉るかのように、アリオスは何度も何度も突き上げた。
「ん、ん、んんっ!!!!!!」
 渾身の力で、熱く硬いものを使って、最後の揺さぶりを掛ける。
 これに応えるかのように、アンジェリークはアリオスを強く激しく締め付けた。
「んんんっ!」
 二人は快楽にお互いの身体を震わせ、意識を遠くさせながら、高みに上り詰めた-----


「アンジェ…」
「アリオス…」
 淫らな格好で、二人は寝台の上で抱き合う。
「今夜は…、寝かさないぜ?」
「あっ!」
 再び愛され始め、アンジェリークは、その快楽に溺れていく。
 やはり、場所がどこでも、愛する男性がくれる快楽には勝てないのであった。
コメント

ははははは〜。
行って来ますです〜!!!
バカだな・・・(笑)