アリオスに抱き上げられて、アンジェリークはベットに運ばれる。
彼に運ばれている間、これから何が起こるのかと考えるだけで、少し不安になる。
「アンジェ?」
それを敏感に感じ取ったのか、彼は一瞬立ち止まり、彼女の顔を覗き込んだ。
「だ…、大丈夫です…」
明らかに動揺とも取れる彼女の声に、彼は苦笑すると、再びベットへと向かった。
ベットはクイーンサイズのもので、アンジェリークを驚かせるのと同時に、動揺させる。
彼は、そっと彼女を、まるで壊れ物を扱うかのように、ベットに横たえた。
不安に潤んだ、彼女の澄んだ紺碧の瞳が彼を捉える。
「----俺以外の者でこのベットを使うのはおまえだけだ…」
甘く低い囁きに、彼女の眼差しは喜びに光る。
私以外の女性(ひと)がいなくて…、良かった…
それは明らかな「嫉妬」の感情----
それが可愛くて堪らなくて、アリオスは優しく彼女の頬を触れた。
優しく繊細な指先。
そこから感じる熱が、彼女の頬を通して体に降りてくる。
震える指先を彼のそれに当て、彼女は精一杯の想いを彼に伝えた。
「----アンジェ、怖くしないから、安心しろ」
「…はい…」
恥ずかしくて、同時にもっと彼に触れて欲しくて、彼女はその感情に戸惑いながら、頬を薔薇色に染める。
ベットの上で無防備な彼女の上に覆い被さるようにして、アリオスは唇を重ねた。
「…ん…っ!」
彼女の総てを奪うような、濃厚な口づけ。
彼の舌が、蠢くように彼女の口腔内に侵入し、余すことなく味わい尽くす。
唇を奪っている間、アリオスの繊細な手は彼女の身体に触れ始める。
簡単に純白のブラウスのボタンを外し、キャミソールの中に彼の手が侵入する。
彼の唇に溺れながら、その優しい手の感触に、彼女の全身は電流が流れたかのようにぴくりと動いた。
彼の唇が離され、彼女の唇からは甘い吐息が漏れる。
欲望に煙り、僅かに色濃くなった彼の不思議な瞳にまじまじと見つめられて、アンジェリークは恥ずかしくなり、思わず身を捩った。
「お願いです…、見ないで下さい…」
「ダメだ…。それに敬語は止めろ」
返事をする間もなく、彼に背中を持ち上げられ、ブラウスとキャミソールがするりと身体から滑り落ちる。
それもつかの間、今度は彼の濡れた舌が彼女の首筋を辿り始めた。
「あ…っ」
彼女の声がいつもに増して甘さを含み、彼を昂まらせる。
舌は容赦なく彼女の肌を彷徨い始めた。
慈しむように、宝物を扱うかのように、繊細に彼女の肌に押し付けられる。
「…や…ん!!」
首筋、鎖骨、それらにアリオスは赤い烙印をつけてゆく。
彼女は彼のものだというう愛の証を----
赤い花びらが散るたび、アンジェリークの息は上がり、鼓動は速くなっていった。
彼の唇はゆっくりと降りてゆき、豊かな双丘の頂に辿り着いた。
「アリオス…!!」
甘い吐息が混じりながら、彼女は彼の名前を呼ぶ。
自分を呼ぶ声がもっと聞きたくて、甘いと息をもっと聞きたくて、彼は薄いレースの上から、彼の唇を待っていた頂に口づける。
「ああ・・・!!」
彼女は首を仰け反らせながらも、もっと彼に触れて欲しくて、自然と頂を彼の唇に押し付ける。
唇を受けていない丘は円を描くように優しく包まれ、揉みしだかれる。
「あん・・・!!」
濡れたレースが頂を刺激し新たな官能を呼び、薄いレース越しで触れられるのがもどかしくて、彼女の瞳にうっすらと涙が滲んだ。
「待ってろ」
彼はゆっくりと身体を離すと、ネクタイを緩めて投げ捨て、シャツやズボンも脱ぎ捨てて、生まれたままの姿になる。
無駄のない動きはかえって彼女の官能を生む結果となった。
「待たせたな? 今度はおまえの番だ」
鍛えられた無駄のない逞しい胸が、彼女の視界にはいる。
「アリオス…」
アンジェリークに潤んだ瞳ではにかむような視線を向けられて、アリオスはいやがおうでも昂まってゆく。
らしくなく、彼の鼓動は早くなり、もっと彼女を乱れさせたくて堪らなくなる。
貪るように唇を奪い彼女を官能の渦へと引き戻し、唇を離すと、彼女の唇はふっくらと僅かに腫れあがる。
彼の手が彼女のレースを優しく剥ぎ取る。
「あ…」
露になった双丘は、彼に触れて欲しいかのようにふるりと揺れた。
「いやっ!」
恥ずかしくて、彼女は可愛らしくもそれを両手で隠そうとするが、彼はそれを許さず、両手を広げさせる。
「いや…」
彼女は視線をそらせてしまう。
「もったいないことすんなよ。こんなに綺麗なのに…」
「あっ!!」
低くくぐもった彼の声が聴こえたのもつかの間、今度は、直に頂を口に含まれ、舌で転がされ、嬲られる。
同様に時下に胸を包まれ押し上げられる。
「ああ…、アリオスっ!!」
自分の声とは思えないほどの甘い声が漏れて、同時に身体の奥が熱くなる。
彼に感じている証拠に、彼女の奥から蜜がとめどなく溶け出し、流れ始めた。
その勢いは止まることを知らず、流れを作り、それはシーツをも濡らす。
それが何だか恥ずかしくて、彼女は足をキツく閉じた。
それが合図だとは知らずに。
アリオスの手がアンジェリークのすんなりとした足に伸びる。
二度、三度と撫でられるだけで、足の力が抜ける。
それがチャンスとばかりに、彼の指が秘所へと侵入した。
「あっ!! ダメ…ん…!!」
薄い布越しに秘所を触れられて、彼女はどうしようもないほどに全身が粟立ち、身を捩じらせる。
「力、抜け」
「いやああ」
彼女は何度も首を振り、瞳を強く閉じる。
しょうがないとばかりに、彼は宥めるように足を撫でて、再び彼女の力を抜かせた。
「いいこだぜ? アンジェ」
再びキツく閉じることがないように、アリオスは力で足首を掴んで、蜜が染みた下着を剥ぎ取ると、彼女の秘所を曝した。
「いやっ!! ヘンだから、見ないで!!」
「綺麗だ…、アンジェ。誰よりも、綺麗だ」
いつもより低くて、けれども魅了されずにはいられない声で囁かれると、彼女は全身から力が抜けてしまうのが判る。
彼の指が、無防備になったそこに触れる。
途端に、ひどく淫らな水音が響き渡り、彼女の全身が震えたった。
「泣かせてやる…」
「あ、アリオス…!!」
足の付け根に温かな息を感じたかと思うと、彼の舌が太腿から順に、彼女の蜜を辿り、中心へと動いてゆく。
「いやっ!! だめっ!! ああ…」
気が遠くなるほどの羞恥に彼女は身を捩り、泣きながら懇願するが、彼は許してはくれない。
舌は、彼女の秘所にゆっくりと侵入し、蜜を舐めとり宝石を探し当てる。
「やあん!!」
甘く可愛らしい吐息が、彼を更に突き動かす。
宝石に辿り着くと、そこを愛でるように口づけ、吸い上げる。
「ああ・・・!!!!!」
全身に震えが走り、瞼の奥がちかちかとする。
「アリオス…!!」
彼女は全身を痙攣させ、仰け反らせて、ぐったりとした。
「アンジェ…」
優しく耳元で囁かれて気がつくと、彼に背後から優しく抱きしめられていた。
「あ・・・っ!!」
再び甘美な旋律が彼女を襲う。
アリオスは彼女の背中に舌を這わせ、肩甲骨に口づけ、片手は胸を揉みしだく。
「ああ・・・」
足を広げさせられ、淫らな格好をさせられ、今度は指で秘所を弄ばれる。
「アリオス…」
胎内に彼の指が入ってきたのと同時に、ゆっくりとかき回される。
「あっ、あっ、ああ!!」
頭の芯まで痺れが来て、自然と腰がゆすられる。
熱く、気が狂いそうな飢えが彼女を襲い始め、足が自然と開かれ腰が浮かされる。
飢えていたのは、また彼も同じだった。
彼女を再びベットへと寝かし、蜜で潤ったそこに、熱く高まったものを当てる、
「----俺がもうおまえなしじゃダメなように、おまえも俺なしでは生きられないようにしてやる」
そう囁いた瞬間、彼は彼女の胎内に侵入してきた。
「いやああ!! っくう!!」
今までに感じたことのないような全身を貫かれる痛みに、アンジェリークは顔を顰め、目をキツく閉じた。
背中に回された彼女の手の強さが、その衝撃の強さを彼に伝える。
だが、彼にはもう止めることは出来ない。
彼女の体の力が抜かれるようにと、顔中にキスの雨を降らせ、甘くその名前を囁き、宥める。
その間に彼女の力はようやく抜かれていった。
それを身体で感じ、彼は今度は彼女の奥深くまで押し進む。
「あっ!! ああ…」
その声には、最早先ほどのような苦痛を伴う声はなく、彼に悦びだけを伝える。
ゆっくりと、アリオスは動き始めた。
それに誘われるようにアンジェリークもゆっくりと動く。
無意識に、二人は最高のコンビネーションでダンスを踊り始めた。
「ああ、ああっ!! アリオス!!」
どんどん甘く、弾む息。ゆりかごになるベット。そして、快楽を深くうむリズム。
「だめっ、もう…、ああ、おかしくなる…」
「なっちまえよ・・・」
愛するものと、誰よりも欲していた相手と結ばれる喜びが、彼を更に高まらせ、彼女を何度も突き上げる。
彼女もまた意識が朦朧とし、何も考えられない。
ただ、彼だけを放さないように何度も締め付ける。
「アンジェ…!!」
二人の域が早くなり、やがて「楽園」が訪れる。
「ああああああ!!」
感極まった彼女は大きな嬌声を上げ、それと同時に意識がふいに消えた。
「アンジェリーク…」
優しく呼ばれて、彼女は気だるいまどろみから目を覚ます。
「アリオス…」
彼の首にそっと手を伸ばし、口づけをねだる。
優しかった彼の口づけはやがて激しくなってゆく。
「まだだ、まだ、愛し足りねえ、もっともっとおまえを泣かせたい。もっとおまえを狂わしてやりてえ」
「あっ、ああ」
再び彼女の唇からは嬌声が漏れる。
愛し合う二人の夜は情熱で溶けていった----
JE TE VEUX
FOR LOVER’S NIGHT

コメント
「実業化アリオス」の裏の創作です。
ふたりのはじめての夜。
私はじめてを何度書くんだろ(笑)
寸止めの専門家tinkとしては、本懐遂げさせて上げられてホッとしてます。
