アルカディアの土の曜日の夜は、アンジェリークもレイチェルもお互いに干渉をしないひとときである。 レイチェルは研究院に泊まりにいっていないし、アンジェリークが館で一人かというと、それは・・・。 「コンバンハ、我が女王陛下」 「アリオス」 いつものように、”ロミオとジュリエット”よろしく、アリオスはベランダからの登場である。 「おかえりなさい、アリオス」 頬を赤らめて彼に抱き付くと、アンジェリークは背中に腕を回した。 「この瞬間が一番好き」 「バカ」 彼女の顎を持ち上げると、アリオスは甘い口付けを送る。 羽根のように触れるだけのキスをして、何度も何度も互いの存在を確かめ合う。 ようやく”挨拶”が済んだ後、二人は部屋の中に入った。 「風呂入った後飲もうと思って持ってきた。付き合ってくれるだろう?」 アリオスは、持ってきた袋をアンジェリークに渡した。 「うん、だけど、そばにいるだけよ?」 彼女は飲んでもすぐ酔っ払ってしまうので、やんわりと言う。 「ああ、構わねえよ」 優しく微笑んだその裏に、何があるか、この少しとぼけた可愛い天使は、まだ知らない。 アンジェリークお手製の夕食も済み、入浴時間となった。いつもなら「一緒に入る」と言って、だだを捏ねる彼が、今日に限って、素直にシャワーを浴びに行く。 彼が何を考えているのか、アンジェリークは疑うことなどしらない。 さっとシャワーを浴びて、バスルームから出てきた彼に、アンジェリークはドキリとした。 銀糸の髪に滴が絡み付いて、とても妖艶だ。水の滴るというのは、こういうことを言うのだと、アンジェリークは実感した。 「ほら、何、見とれてやがる、おまえの番だ」 頭をがしりと掴まれて、アンジェリークは頬を染めた。 彼の身体には、もう何度も抱かれたし、アルカディアで再会してからも何度となく肌を合わせている。 なのに慣れなくて。 「準備しておいてやるから、ゆっくり風呂には入れよ。浴槽には、おまえの好きな入浴剤を入れて準備しておいたからな」 「有り難う・・・」 何の疑うことの知らない天使は、そのままはにかみながらバスルームに消えていく。 この後に甘い罠が待ち受けているとは知らずに。 アリオスの言葉に甘えて、アンジェリークはゆっくりとバスタイムを楽しんだ。 「あ〜、良いお湯だった〜!」 お風呂から出て、ローウ゛姿になって部屋に向かうと、アリオスが既にお酒の準備をテーブルの上にしてくれていた。 「アンジェ、来いよ」 「うん・・・」 おずおずとはにかみながら、彼が座るソファの隣に、彼女は座る。 「あれ、今日のお酒はウォッカじゃないの?」 テーブルにあるお酒に目を落としながら、アンジェリークは不思議そうに小首を傾げる。 「ああ、”日本酒”ってやつだ?」 「そう」 アンジェリークは不思議そうに、じっとお酒の隣の陶器を見ている。 「何、コレ?」 「ああ。これはお酒を温めるものだ」 アリオスは、ニヤリと笑って、陶器を手に取る。 「お銚子というものらしい。ここに酒を入れる」 アリオスはお酒を入れて、アンジェリークの目の前に差し出した。 「何?」 「人肌で温めると美味しいらしいぜ?」 ニヤリと良くない微笑みを向けられて、アンジェリークは嫌な予感がした。 アリオスの視線が、アンジェリークの発達しきった胸で止まる。 「丁度、温めるに良いもんがあるよな?」 「い、やだ・・・」 甘い抗議の声を上げるも、もう遅くて、銚子をテーブルに置いて、彼の手がローウ゛で止まった。 「やん・・・」 一応は身を捩って嫌がるが、彼の腕からは逃れられない。 ローウ゛を強くはだけさせられて、胸までローウ゛を下ろされる。 白い胸が、淡い照明が輝く。 泣きそうに涙を溜めながら、恨めしそうに彼を見つめるアンジェリークが、堪らなく可愛く思えた。 「アリオスのバカ・・・」 アリオスは、愛しげに微笑むと、彼女を宥めるかのように甘い口付けをする。 実はこの銚子も、”大人のお店”で見つけた、一品であった。 その用途を見て、”俺のアンジェなら絶対出来る!”と考えて、ご購入した一品であった。 その上、最近、この店で、グッズ(笑)や、今やその使用感が気に入っている必要必需品(爆)を買っているせいか、ポイントカードがたまり、割り引きまでしてもらえた。 「ほら、挟め。後は気持ち良くしてやるから」 「あっん!」 アリオスは、アンジェリークの胸をゆっくり掴んで、その谷間に銚子を挟む。 銚子にはストローが付いており、アリオスが掌で支えても、十分飲めるのである。 「はあん」 アリオスは胸を掴みながら、その頂を器用に摘んだふるりと白き胸が揺れる。その振動に銚子も揺れた。 「はあ、ああっ!」 甘い息遣いになる。蕾をそのまま口に含まれ、舌先で転がされる。 吸い付かれて、アンジェリークは堪らなくなり、身体を揺らした。 「どれ、どれ程温まった?」 胸に顔を埋めながら、アリオスは銚子からでたストローで吸い上げる。 「ああ、やっ!」 しっかりと両手で胸を包まれて、アンジェリークは栗色の髪を乱しながら、背中をのけ反らせた。 「うまかったぜ」 「あん」 ようやく銚子を胸から引き抜かれて、アンジェリークは喘いだ。 銚子を脇のテーブルに置くと、アリオスは彼女を力強く抱きすくめる。 「今度はおまえを飲ましてくれ」 「やっ、あああん!」 白い太股に手を掛けられて、アンジェリークは足を大きく開かされる。 アリオスはその部分に顔を埋めると、すっかり濡れているアンジェリークの秘所に舌を這わせた。 「ああっ!」 ソファで淫らに足を開いている自分がいる。 気が遠くなるほど恥ずかしくなってしまう。 「ああ、ああっ!」 淫らに彼が蜜を舐める音がする。 舌先で花芯を転がされると、アンジェリークは小刻みに身体を震わせ、うめいた。 快楽が前身を駆け抜け、頭が真っ白になるような気がする。 「…んんふ…」 熱に犯されたような甘い声を出して、アンジェリークは身体をさらに大きく反らせた。 蜜はたっぷり流れ出て、アリオスは喉を潤す。 「ああ、ああ、ああっ!」 舌を胎内に挿入されてかき回された瞬間、アンジェリークは軽い絶頂に達して、ソファに沈み込んだ。 「最高だおまえは…」 アンジェリークの秘所から顔を外すと、アリオスはそのまま彼女の白い肌に口付けてやる。 「ん…」 ゆっくりと目を開ければ、そこにはアリオスが見守ってくれている。 彼は既に彼女の足の間に身体をしっかりと入り込ませている。 「いいか?」 「うん…来て」 彼女の甘い声を合図に、アリオスはゆっくりと熱く勃ちあがったものを彼女の胎内に滑り込ませた。 「あっ、アリオス!!」 身体で精一杯彼を感じて、アンジェリークは至福の思いがする。 腰をゆっくりと動かして、彼を充分に締め付けてやれば、それに答えてくれるかのように、何度も突き上げてくれる。 「ああ、ああ、ああっ!」 アンジェリークの身体を知り尽しているアリオスは、最奥の近くの部分を、力強く突き上げた。 「ああっ!!!」 その部分を突き上げた瞬間、アンジェリーは全身を小刻みに振るわせ始めた。 もう何も考えられない。 今までで一番の快楽の波が、彼女の全身を覆い尽くす。 「はああああっ!」 蠢く内壁は、彼に快楽を呼ぶ。 「あああああんっ!!!」 「アンジェ!!」 アリオスは最後の突き上げを彼女に施し、熱いものを放出する。 「ああっ・・・!」 二人はしっかりと抱き合って、そのまま、二人だけが知りえる世界へと飛び立った---- 「・・・ん・・・」 気がつけば、アンジェリークはベッドに寝かされていた。 その隣にいるのは艶やかなアリオス。 「アリオス…」 「アンジェ…」 二人は軽く抱き合って、キスを交わす。 「ね、アリオス、いつも、何か…、持って来るでしょ? あれってどこで買ってるの?」 はにかみながら素朴な疑問をぶつけてくる天使に、アリオスは微笑む。 「ああ、天使の広場の路地裏…」 「あっ! だからいつも嫌がるの!?」 彼女は発見したように大きな声を上げ、また、少しはにかみながらも笑っている。 「お前も興味があるんだったら連れていってやるぜ? 二人で選んだもので、またしようぜ?」 「え、あ、アリオス〜!!」 真っ赤になって嫌がる彼女を、アリオスは抱きしめながら再び愛し始める。 天使は、結局、この店に連れて行かれた・・・らしい。 |