ALMOST PARADISE

 今日は土の曜日。
 夕方から、いつものように、新宇宙の女王陛下とそのだんな様は、執務を終えて、宮殿から、敷地内にある小さな家にやってきた。
 そこは二人が週末だけを過ごす愛の巣。
 敷地には、もうひとつ新婚家庭があり、そこは補佐官とその堅物な研究員であるだんな様が使用している。
 夕食も終え、二人は、リヴィングでくつろいでいた。
「懐かしい〜」
「何だ?」
 アンジェリークが、女王試験中の写真を眺めていると、アリオスが、その楽しそうな声に導かれて、覗き込んできた。
「ほとんど、おまえとレイチェルの写真だな」
「うん。私たちはここで友情を育てたもの」
 本当に嬉しそうに彼に離して聞かせる彼女が可愛くて、アリオスは愛しげに目を細める。
 彼女のこういった、ころころと万華鏡のように変わる表情が何よりも愛しかった。
 写真に写っているアンジェリークは、まだ少女そのものであどけない微笑を浮かべている。
 そのはにかんだ表情の彼女が可愛らしくて、彼は思わず和んでしまう。
 頬に幼さを残した彼女は、彼によって女性に花を開く前のまだ蕾のままの頃の姿。

 可愛いな…。
 可愛くてたまらねえな、アンジェは…。
 それにこの服…。
 へんてこなのに、男心を誘う…

 写真だけで、欲望が突き上げってしまう。
 これは彼女だから特別だということも、彼には充分判っている。
 それを何とか押さえつつ、アリオスは写真を指差した。
「おい、このへんてこな服は何だ?」
「ああ、これ? うん。私の母校”スモルニィ女学院”の制服よ? こっちの宇宙に来てからも、暫くは、執務をするときも着ていたの」
 途端に彼の顔が笑顔でほころぶ。
 その笑顔はあまりよくない笑顔。
「な、その制服…、まだあるのか?」
「うん。思い出の品だから、ここのクロゼットに直してるわ」
 アンジェリークの答えに、アリオスの顔はさらにほころぶ。
「だったら、俺のために着てくれよ?」
「な!?」
 彼の少し淫らな申し出に、彼女は目を丸くして彼を覗き込んだ。
「そ・・・そんな…、恥ずかしいじゃない・・・」
「ん? 何、いやらしいこと考えてるんだよ? 俺はただ”制服”を着たおまえを見たいだけだぜ? おまえは可愛いからな?」
 良くないが笑顔が滲んだ魅力的な眼差しで見つめられると、彼女は恥ずかしくて、俯いてしまう。
「ホントに・・・、見るだけ…?」
 いつもの必殺技、上目遣いをしながら、彼女はあくまで彼を恥ずかしそうに見つめる。
「ああ、見るだけだ…」
「----うん、判った…」
「サンキュ」

 結局…。
 あの眼差しで見つめられたら、たまらないんだもん…
 いえないよ…、イヤダなんて…

 惚れた弱みなのか、アリオスにとことん甘いアンジェリークなのであった。
 クロゼットへと向かう彼女を見送りながら、アリオスはほくそえむ。

 絶対、可愛いだろうな…。
 俺のアンジェ…

「アリオス・・・」
 ようやく、制服に着替えた彼女が、恥ずかしそうにリヴィングにやってきた。
 その姿が余りにも可愛くて、アリオスはくらくらする。

 可愛い、可愛い!!

 アンジェリークは、紅い大きなリボンが中央にある、黄色いジャケットで、紅いスカートの制服に、頭は黄色いリボンをしている。
 髪の長さこそ違え、17の清純さを強調させている。
 アリオスは全身に欲望がこみ上げるのを感じる。
 震えが繰るほど彼女を身体が心が欲しているのを感じる。
 彼は魅入られるように彼女を見つめる。
「アリオス…、恥ずかしい・・、そんなに見ないで」
 少し身体を捩じらせた彼女に、彼はもう我慢できない。
「アンジェッ!!!」
「きゃああ」
 そのままフローリングの上に押し倒されて、彼女は甘い叫び声を上げる。
 が、ここで止めるアリオスではない。
「いや、いやだってば!!」
 暴れる彼女を、力づくで押さえて、彼は胸元のリボンをするりと解いた。
 しゅるりとリボンがすれる音がして、彼女は恥ずかしさの余り瞳を閉じた。
 数え切れないほど(最初は数えていた(笑))彼と身体を重ねたが、このシチュエーションは、やはり死ぬほど恥ずかしい。
 制服に着替えた途端の行為は、余りに淫らなように思えて。
「何だ? 恥ずかしいのか? アンジェ?」
「・・・だって・・・・」
「そうか…恥ずかしいか、だったら・・・」
 リボンを片手に彼はニヤリと微笑むと、そのリボンを片手に、彼女の身体をほんの少し起こすと、そのまま目隠しを始めた。
「・・・!!」
 その行為に、アンジェリークは逆にさらに恥じらいを感じてしまった。
「いやん・・・」
 首を何度も振って、栗色の髪を揺らしながら、彼女は必死に嫌がる。
「これで恥ずかしくねえよな?」
 彼の声しかわからない。
 彼女は、いつもよりも感覚が敏感になっていくのを感じて、甘い溜息をひとつ吐いた。
「アンジェッ!!」
「いやんっ!!」
 再びアリオスに押し倒され、彼女は先ほどよりもさらに、胸の鼓動が早くなるのを感じる。
「ああっっ!!!」
 リボンが外され、彼は強引にブラウスのボタンを外しにかかる。
 彼女の大事な制服だと思い、仕方なく、丁寧に外しにかかる。
 そうじゃなかったら、引きちぎっていたところだ。
「やああっ!!」
 ブラウスを肌蹴させ、そのままキャミソールをたくし上げ、ブラジャーだけを外して、彼は胸に顔を埋める。
 もう脱がしている暇はないほど、欲望が突き上げていた。
 だが、彼女の身体も愛したい。
 触れたい。
 そんな欲望でせめぎあっていた。
「あああんっ!」
 白い胸をゆっくりと形を確かめるかのようにも揉みこまれる。
 目隠しをされている分、そこに感覚が集中し、背中には、狂おしいほどの旋律が走り抜けた。
「ああああんっ!!!」
 つんと薔薇色の蕾が勃ち上がったところに唇を押し当てられて、含まれる。
 左右の蕾を交互に含まれ、舌で転がされて、歯を当てられる。
 心が身体が潤うのを感じる。
 感覚がいつもに増して敏感になっているアンジェリークは、何度も身体を跳ね上げさせた。
「ああああっ!!」
 唇に、彼の吐息を感じる。
 そのまま口付けられて、深く口腔内を愛撫される。
 彼の舌の動きだけに感覚が集中して、彼女はもう頭が白くなり始めていた。
「ああああっ!!」
 ようやく唇を離されて、目眩にも似た陶酔を感じる。
 不意にスカートの中に手を入れられたかと思うと、彼は強引に砦を脱がした。
 その衣擦れの音が聞こえただけで、彼女は身震いをした。
「アリオス…!!!っ!!」
「すげえ溢れてるぜ? いつもより感じてるだろ?」
 低い魅力的な声で囁かれれば、もう何も考えられない。
「はあ、ああああ、はっ!!」
 息遣いが激しくなる。
 感覚がいつもに増して研ぎ澄まされる。
 彼女の敏感な宝石を、優しく、だが容赦ななく攻め立てて、アンジェリークは快楽の余りに息が詰まるのではないかとすら思った。
「あああああっ!!」
 彼女は何度も床に足を滑らせる。
「アンジェッ!!」
 追い詰められて恥じらう彼女の姿に、彼は欲望が否が応でも高まる。
 目隠しをされているせいか、彼女は感覚だけに溺れている
  彼は、そのまま彼女の足に手を掛け大きく開かせた。
「いやああっ!!」
 見えないぶん、淫らさが増しているように彼女は感じる。
 そのまま彼の生暖かく乱れた息秘所にかかり、そこに溢れている蜜を充分に舐め取る。
「あああああっ!!」
 彼は、彼女に聞こえるように、わざと音を立てて舐め取る。
 まだらな水音が響き、彼女はそのまま身体が落ちてゆく感じがした。
「あああああっ!!!」
 そのまま、意識がふわりと遠のいた----

「アンジェ…」
「アリオス」
 ようやく意識が戻ってきたかと思うと、今度は容赦なく彼が入ってくるのを感じた。
「あああああっ!!」
 体を休める暇もなく、感じ始める。
 アリオスはもう我慢できなかった。
 彼女が欲しくてたまらなかった。
 彼の性急さは、ジーンズを腰までしか下げずに彼女の胎内へと侵入してきたことが、全てを表していた。
「はあ、はああ!!」
「アンジェッ!!」
 何度も激しく突き上げる動き。
 頭の芯まで貫かれるような強い彼の律動。
「ああああっ!!」
 目隠しをされていないから、彼の表情が判らない。
 だが、息遣いで乱れているのが判る。
 それが彼女のイマジネーションを刺激した。
「ああああっ!!」
 何度となく突き上げられ、アンジェリークは甘い声で何度も泣いた。
 そのたびに彼を強く締め付けて、絡める。
 お互いに満たされて、生まれる快楽。
 互いからもたらされる快楽は果てがなく、貪欲に互いに悦びを求め合った。
 楽園が訪れる。
「あああああっ!!」
「アンジェッ!!!!」
 そのまま二人は、手を取り合って”楽園”へと絶頂を極めた-----



「アンジェ…」
 囁かれて目を開けると、そこには愛しい人が手を差し伸べてくれていた。
 もう目隠しだったリボンが外されている。
「立てるか?」
「うん・・・、何とか…」
 差し出された手をしっかりと握り、彼に抱き起こされた。
「アンジェ…、続きをしに行くぜ?」
「きゃああっ!」
 そのままアリオスに抱き上げられて、アンジェリークはベットへと運ばれる。
 そこでアンジェリークの甘い声があがるまでには、さほど時間がかからなかった。         



コメント

3000番のキリ番を踏まれたRYO様のリクエストで、「アンジェリークの制服姿に興奮したアリオスが、彼女に目隠しをして…」です。
まあ、ありさん野獣(笑)
RYO様こんな野獣アリオスで申し訳ないです。
コレットちゃんの制服…。
実はこれにそっくりな制服(会社の)を去年の夏まで来てました(笑)