ADDICTED TO LOVE


「先生、今日の保健委員会の報告書の提出と、ミーティングに来ました」
 保健室のドアをノックする音と、、明るい声と共に少女はやってくる。
「入れ」
「はい。失礼します」
 部屋の主に促されて、彼女は嬉しそうに中に入る。
「そこにでも掛けてくれ」
 魅力的なテノールに従って、、少女はちょこんと、漆黒の髪の青年の前に座った。
 少女の名はアンジェリーク・コレット。スモルニィ学院高等部の保健委員長。
 青年の名は、レヴィアス・ラグナ・アルヴィース。スモルニィ学院高等部の保険医だ。
 彼が保険医として赴任してきた今年は、その艶やかな影を秘めた美貌ゆえに、保健委員になりたい女子生徒たちが後を絶たなかった。
 今や「レヴィアスファンクラブ」と化している保健委員会を、上手くまとめているのが、アンジェリークだ。
「コーヒーでも淹れようか?」
「いいえ、レヴィアス先生。私がやりますから、先生は、その報告書を読んでいらしてくださいね」
 柔らかな笑顔を浮かべて、彼女はそっと立ち上がると、保健室の奥にある小さなキッチンへと向かった。
 勝手知ったるその場所で、彼女は手際よく作業を続ける。
 時折、聴こえてくる可愛らしい鼻歌に、レヴィアスの不思議な瞳は、やさしい光を湛え、見守るように彼女を見つめた。

 不思議だな・・・。俺にもこんな安らぎを持つことが出来たとは…

 キッチンに立つアンジェリーク。
 そして、深い微笑を浮かべながら書類に目を通すレヴィアス。
 窓の外は紅く染まり、風が渡る穏やかな夕方。
 …だった。
 そう、あのことが起きなければ。

 突然、ブレーカーが落ちる音と共に、停電し、辺りは真っ暗になった。
「きゃっ!」
 突然のことにキッチンにいたアンジェリークは悲鳴を上げ、即座にレヴィアスは彼女の元に駆けつける。
「アンジェ!」
「レヴィアス〜!!」
 すっかり暗くなったことで、半べそをかいてしまった、アンジェリークは、そのまま彼に抱きつく。
「おい、俺が傍にいるから、平気だ」
「うん…、うん…」
 何度も涙声で言いながらも、少女は彼の精悍な胸に顔を埋めたままだった。
 そんな彼女が誰よりも愛しくて、彼はフッと深い笑みを漏らす。
 二人は学校を離れれば恋人同士。
 だが、学校ではばれないように細心の注意を払っていた。
 だが、このような事態が起き、増して二人きりだと、別である。
「ほら。いつもは学校じゃ、手を出すなって言うくせに、おまえから誘惑か?」
「だって、これとあれとは話が違うもん」
「ったく、現金な奴だ…」
 栗色の髪をレヴィアスに撫でられ、アンジェリークは胸の奥が甘く疼くのを感じた。
「ほら、とにかくここから出ないとな?」
「うん…」
 二人が診療室に戻ると、停電の誤作動のためか、ドアは電子ロックがされ、窓も、シャッターとロックがされていた。
 保健室という性質上、スモルニィでは窓にシャッターが施されている。
 さらにこの学校は、総ての部屋が電子ロックになっているのだ。
「くそ! 開かない!」
「レヴィアス、こっちもだめ!」
 二人は、保健室のありとあらゆる窓やドアを調べたが、総てロックがかかっていた。
「どうしたら…」
 途方にくれたようにアンジェリークが肩を落としたとき、レヴィアスが背後からやさしく護るように抱きしめる。
「レヴィアス…」
「停電で、コンピュータシステムがダウンしたんだろう。大丈夫だ、すぐに復旧する」
 甘いテノールで囁かれると、全身の力が抜けてゆくのを、彼女は感じた。
『緊急放送を申し上げます。只今、この地域全域で停電が起こり、コンピューターシステムがダウンしました。自家発電に切り替え、コンピューターシステムを復旧しています。復旧には暫くかかりますので、お待ちください』
 放送の後、彼女はほっと息をつくと、レヴィアスに凭れかかる。
「ミーティング…、また今度にしよ? 何だか、今日はそれどころじゃないから」
「恐いか?」
「少しね…。だけど、レヴィアスが一緒だから…」
 恐怖に少し体を震わせながら、少女が気丈にも呟くのが、彼には堪らなく愛しかった。
「----俺が、恐怖を消してやる」
 僅かに灯る非常灯の明りだけで、薄暗い保健室。
 レヴィアスは、腕の中のアンジェリークをくるりと返して見つめあう格好にすると、そっと彼女の顎を持ち上げた。
 艶やかに潤んだ翡翠と黄金の瞳に魅入りながら、彼女は彼の唇を待ち焦がれる。
「…んっ!」
 奪うように深く、しっとりと優しく。彼の唇は、彼女のそれを味わい尽くす。
 彼の舌が巧みに侵入し、彼女の口腔内や舌を、愛してゆく。
 慰めるように、何度も愛撫をされ、とうとうアンジェリークは崩れ落ちそうになった。
「アンジェ」
 そっと崩れ落ちそうな体を抱きとめられると、そのままレヴィアスに彼女は抱き上げられた。
 彼はカーテンを開け、その奥のベット室に入ってゆく。
「レ、レヴィアス! ここは学校だし、何時停電が直ってもおかしく…んっ!」
 言いたいことが言えぬまま、彼女は彼に唇を塞がれる。
「心配するな」
「レヴィアス…」
 彼の不思議な瞳には有無言わせぬ魅力的な光が宿り、彼女はそれに負けてしまい、そのまま腕を彼の首に回す。
 それは合意の証。
 彼はそれを感じ取り、そっと彼女をベットの上に寝かしつけた。
 消毒液の匂い。
 背中に感じる洗い立てのシーツのひんやりとした感触。
 それが、総てレヴィアスのイメージだと彼女は思う。
「ふふ、保健室って、レヴィアスの匂いがするから…、好き」
「アンジェ…」
 白衣を着たまま、レヴィアスは少し笑って、彼女の体に覆い被さる。
「…ン…!」
 甘く、とろけるような口づけ。
 舌先で何度も愛撫されて、彼女の体は潤ってゆく。
「レヴィアス…」
 甘いと行きと共にうっとりと呟かれる彼の名前。
 そんな動作一つをとっても、彼女は彼を否応なしに昂ぶらせる。
「…ん…」
 首筋に、体温より少し冷たい唇を感じ、彼女はくすぐったそうに喘ぎ声を漏らす。
 首筋に紅い所有の痕をつけられ、身悶えた。
 彼の手は、彼女の制服の効率的な剥がし方を知っていて、素早く脱がせてしまう。
「綺麗だな…」
 白い肌が、翡翠と黄金の瞳に映っているかと思うと、アンジェリークの心は高まった。
 彼はゆっくりと、彼女の下着も剥ぎ取り、生まれたままにしてしまうと、さらに激しく愛し始める。
 レヴィアスは、甘い旋律を呼吸する彼女が可愛くて、全身に紅い所有の証を刻み込んでゆく。
 その体に、彼女は明らかに声を我慢しているかのように、うめくように喘いだ。
「アンジェ…、声…、我慢してるのか?」
「…ん…、どこに聞えるか……判らない…、から」
「出して構わない、おまえの声が聞きたい」
 低くくぐもった声で囁くと、彼は彼女の白い胸をゆっくりとその大きさを確かめるかのように、揉みしだいた。
「…ああ…」
 小さな喘ぎ声が漏れたが、彼女はまだ声を潜めている。
 それが彼の情熱をさらに煽っていることを、彼女は知らない。
 指先で薔薇色に蕾を嬲れば、彼女の体は跳ね上がる。
「レヴィ…アス…」
 苦しげに囁かれる彼女の声に、彼はさらに快楽を与えたくなった。
 蕾に唇を寄せ、丹念に舌で転がしてゆく。舐め上げてみたり、吸い上げたりして、彼女の奥底に眠る官能を引き出してゆく。
 座れていない頂を慰めるかのように、彼は優しくゆっくりと掌で愛撫を繰り返す。
 痺れるような感覚が駆け巡り、アンジェリークはとうとう声を上げてしまった。
「あああっ!!」
 その悩まし源声に、彼は嬉しそうに微笑む。
 もっとその声を聞きたくて、彼は繰り返し愛撫を続けた。
 彼女の最奥が溶け出し、ゆっくりと蜜を滴りだす。
「ダ…メ…、シーツ汚しちゃう…」
「かまわん。俺が拭ってやる」
「え、あっ!」
 力強いレヴィアスの腕の両足を大きく広げられ、秘書が彼の瞳に曝された。
「いやあああ」
 甘く声を上げて、涙を滲まして抗議をするが、彼が許してくれるはずはなくて。
「綺麗だ…」
「ああ!!」
 内腿にまで流れ出した蜜を、彼は舌で辿り、花園へと侵入してゆく。
「ああっ!」
 彼は、指で秘所を押し広げ、舌で彼女の花芯を舐め上げ、吸い上げてゆく。
「咽喉が渇いていたから、丁度良い。もっと出しても良いぞ」
 恥ずかしいことを艶やかな声で言われると感じてしまい、彼女は身を捩りながら、さらに蜜を滴らせた。
 彼は舌で巧みに秘所を舐め上げながら、指を彼女の胎内へと侵入させた。
「ああっ!!!」
 嬌声が上がり、彼女は何度も体を跳ねさせ、シーツを蹴飛ばす。
 痺れるような疼きが、前身をくまなく走る。
「ああああlっ!!」
 もう声を出したくないとは言ってられない。
 アンジェリークの体を知り尽くした、レヴィアスの舌と指は、彼女の総てを余すことなく引き出してゆく。
 淫らな水音が、大きく保健室に響き、彼女は言いようのない快楽に包まれる。
「あっ、レヴィアス、お願い、もうダメ、狂っちゃう!! あああ!!」
 苦しげな喘ぎ声は、彼を満足させる。
「欲しいか?」
 彼女は懇願するかのように、欲望で濃くなった蒼い瞳を彼に向け、僅かに頷いた。
 クッと笑って、レヴィアスはようやくスラックスのベルトに手を掛け、腰辺りまでそれを下げると、彼女の緩みきった足の間に入ってくる。
 白衣が僅かに揺れる。
 熱く昂まったものを、ゆっくりと彼女の濡れて待ちわびる場所に宛がう。
「ん・・ああああああっ!」
 欲したものを与えられ、アンジェリークは嬌声を上げながら、彼にしがみつく。
「レヴィアス…!! あなたがいるから…、この状況も恐く…、ないっ!」
「アンジェリーク」
 レヴィアスがやさしく腰を動かし始めると、それに比例してアンジェリークの嬌声も高くなる。
 彼が動くたびに、彼女はしっかりと締め付けを強くしてゆき、彼を離さない。
 その締め付けは、彼に楽園を齎す。
「ああっ!!! 愛してる…レヴィアス!!!」
 花芯を指で何度も刺激を与えられ、アンジェリークの視界が揺れ始める。
「ああっ!! ああああんん!!」
 レヴィアスの動きも速くなり、彼はその締め付けに酔いしれる。
「クッ!!」
 もう堪えられない。
 レヴィアスは息を乱す。
 瞬間----
「あああああああああ!!」
 今までにも増して高い嬌声がアンジェリークから漏れ、彼女は全身を小刻みに震え始める。
「アンジェ!! 愛してる!!」
「レヴィアスーっっ!!」
 彼から熱いものが迸ったとき、アンジェリークは快楽に涙を鳴らしながら、意識を失った。        

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 アンジェリークが目覚めると、すっかり停電は終わり、明るくなっていた。
「あ…、レヴィアス、停電直ったのね?」
「ああ。今は、6時30分だ。おまえも早めに服着て帰る準備をしろ。シーツは俺が何とかしとくから」
「…うん…」
 はにかむように頷くと、彼によって脱がされた制服を受け取った。
「俺も帰る仕度をしてくるから、待っていろ」
「うん」
 彼が出て行った後、アンジェリークは素早く制服を着替え、ベットから立ち上がろうとした。
 しかし----
「きゃっ!」
 足の付け根にある、歓びの余韻のために、上手く立ち上がることが出来ない。
「アンジェ?」
 心配したレヴィアスが、私服姿で入ってきた。
「----レヴィアス…」
 はにかんだ、縋るような眼差しを上目遣いで、彼に送る。
「何だ?」
「----足に力が入らなくって、立てない…」
 余りにも可愛らしい理由にレヴィアスは深い微笑を浮かべる。
「もう、笑わないで…」
「送ってやるふりをして、俺のところに来い、今夜は。続きをしたい」
「バカ…」
 彼女はそのままレヴィアスに抱き上げられると、彼の駐車場まで連れていってもらった。


 ちなみに彼女が抱き上げられている理由は、「アンジェリークが停電で腰を抜かした」と誰もが思っていたという-----



コメント

あき様のリクエストで「保険医レヴィアスと生徒コレットの裏物」です。
あき様、いかがでしょうか? ちゃんとラブラブしてますでしょうか?
レヴィアス書くの久しぶりで、あまり上手く表現できませんでした。
ごめんなさい〜