目覚めれば、雨の音がした---- いつのまにか雨になってたんだ… アンジェリークは、愛する男性の腕の中で少し身動ぎをすると、窓を確かめるように眺めた。 上半身だけを起こしてさらに見やる。 折角のアリオスとの休日なんだけどな…。 何だか切なくなっちゃう…。 どこに行くのも、ブルーになっちゃう… 「何やってんだよ…」 「きゃっ!?」 寝起きが余りよくないアリオスが、何事かとばかりにアンジェリークの甘い肢体を抱きしめ、再び自らの腕へと引き戻す。 急に体勢を崩されて、アンジェリークは甘い声を上げた。 「アリオス…」 「抱き枕はちゃんと俺の腕の中にいろ?」 ぎゅっと抱きしめられて、アンジェリークもはにかみながらも、彼の精悍で広い胸に体を預けた。 ぎゅっと柔らかな胸を彼の身体に押し付け、アリオスも額に口付ける。 勿論、昨夜も情熱的に愛し合ったせいか、二人は何も身につけてはいない。 「どうした?」 「…うん…、雨が降ってたから、今日はお散歩できないなって…」 「・・雨か…」 アリオスは、アンジェリークを抱きしめながら、ふと窓に視線をやる。 しとしとと音を立てて雨が降り続いてるのが判る。 「たまにはいいじゃねえか…。こうやって、二人でいちゃつくのも」 「うん・・そうね?」 ふふっと笑って、アンジェリークは彼の胸に耳を寄せその鼓動を聞く。 「アリオス…、温かいものね…。ずっとこうしていようね…。今日は…?」 「いい考えだろ?」 「うん、そうね」 二人は互いに腕を回して、さらにしっかりと抱き合った。 アリオスは彼女の肩甲骨をゆっくりと撫で、愛しげに見つめてくる。 「あ…」 「アンジェ…、さっきおまえが起き上がった時に、背中に翼が見えた…。何よりも綺麗なおまえだけの翼が…」 「アリオス…」 彼は感慨深げに囁き、アンジェリークに甘く口付けた。 「俺だけのものにしたくて、思わず引き寄せちまった…」 彼の言葉が嬉しくて、アンジェリークは感激し、その想いに答えたくてしっかりと抱きしめた。 「私はあなたのものよ…。 執務中はこの宇宙のものかもしれない…。 けれどこうやって二人のときは、あなたのものよ? あなただけの…」 「アンジェ…」 アリオスはアンジェリークに深く口付けた後、そのまま彼女を組み敷く。 「きゃあっ!! ああっ!!」 「今日の過ごし方はじゃあ決定だな? 女王様の許可も頂いたことだし…」 「ああ…」 そのままアリオスはアンジェリークを愛し始める。 雨の休日の朝、繰り返される秘め事。 聖地の緑のためにとこどき降る雨は、二人の絆をさらに深まらせるのに役立っているようだ。 それでも雨はざあざあざあ。 二人を優しく包み込む---- |