Love Letter


「今度こそ離さないでね? 一緒にずっといましょうね?」

 おまえは泣きながらそう言ってくれた。
 だからこそ、俺は、今、ここにいるんだ。
 過去も全てを含めて、俺を愛してくれるおまえの愛を感じるために、聖地に行く前に、俺は、転生した宇宙を見て回りたかった----
 
 新宇宙を旅して回って判ったことは、どの惑星も、俺にとっては心地が良かったということ。
 きっと太陽の光や、風、雨にも雲にも、覆い茂る木々にも…。
 きっと全ての自然におまえの"愛"が、"女王としての慈愛"が込められていたからだろう…。

 おまえをそういった視点で見ると、やはり、偉大な女王だということを感じずにはいられない…。

 だが-----
 俺は、"生身の17歳"のおまえに恋をした。
 おまえが明るくて、素直で、頑固で、少しのんびりやな17歳であることを知っているのは、恐らく俺だけ。
 生身のおまえだからこそ、愛しているのだと、おまえへの愛情を改めて確認する旅になってしまった。

 最後に、俺が転生後に眠っていた、あの沼に来た。
 如何しても見ておきたかった----
 おまえがずっと見守ってくれた場所だったから-----

 そこは明らかに、他の場所とは違っていた。
 沼に神聖な気を感じたが、愛情の種類は違っていた。

 -----生身のおまえの愛情だった。
 17歳の、おまえが、俺を合い梳いてくれる愛情だけが感じられた。
 決して女王の愛情ではなく、一人の女としての愛情----

 嬉しかった-----
 俺はたまらなく嬉しかった。
 そして-----
 俺が守るのは"新宇宙の女王”ではなく、泣き虫でお人よしな”アンジェリーク・コレット”だということを、改めて確信をした。

 明日、おまえの元に向かう----
 一生傍にいよう----
 一生おまえを守り抜くと誓う。
 今度はもう絶対に離さない----
 息絶える瞬間までおまえを離しやしない----
 幸せになろう…。
 一緒に…。
 ようやくめぐり合えたのだから-----

 この手紙に思いを込めて----
 愛してる----  

コメント

久しぶりのSIDEです。
アリオスが旅に出て再びアンジェちゃんに会いに行く途中の
こころのなかの手紙です。