レイチェルが遊びにきてくれたので、アンジェリークは彼女の好みのランチを作ることにした。
レイチェルが、彼女の子供たちである、エリスとレヴィアスを見ててくれるので安心だ。
二人の子供は、それぞれゆりかごに入れられ、リヴィングで笑い声を上げている。
「アンジェ〜、ホントにこの二人可愛いよね〜」
「フフ、有難う、レイチェル。アリオスは毎晩この子達見て顔が緩みっぱなしなんだから・・・」
アンジェリークも嬉しそうに微笑みながら、ご機嫌になっている。
「でも良かったね〜、大学にさ、ちゃんと託児所があって」
「うん。丁度ね、この子達も首が据わってきたから、タイミングもよくって」
昼食を作りながら、アンジェリークは本当に幸せそうだ。
レイチェルは、その幸せそうな彼女を見て、感慨が深くなる。
彼女は一年と少し前までは、あんなに苦しそうにしていたのが、嘘のようだ。
今や、愛する男性と結婚をして、子供までがいる、幸せを絵に描いたような生活をしている。
「エリス、レヴィアス〜、いないいないば〜」
レイチェルが二人を嬉しそうにあやすと、赤ん坊特有の笑顔がリヴィングに響き渡っている。
「ホント可愛いよね〜。アリオスさんがめろめろなのも判るわ・・・」
レイチェルは心の中で、『奥さんにはもっとだけど』と付け加えるのを忘れてはいない。
「ねえ、ランチは何をご馳走してくれるの?」
「レイチェルの好きな、チーズと野菜がたっぷり入ったヘルシーベーグルサンドと簡単なポタージュスープよ」
「え、嬉しい〜」
メニューを聞いた途端に、レイチェルの顔は幸せそうに崩れる。
「でも、アンジェも、色々、食べ物に気を使ってるんでしょう?」
「うん。今日のランチメニューは、ビタミンとカルシウムが取れるから最高なの。
この子達のためにも、ビタミンやミネラルはちゃんととって上げなきゃね」
「考えてるんだ〜」
レイチェルはすっかり感心した風に、彼女を見つめる。
「そうね」
「ねえ、逆に気をつけてるのは?」
「・・・うん、例えば・・・、カレーを食べないようにしているとか・・・」
「え、何で? 刺激物だから?」
レイチェルは不思議そうに尋ねた。
思わずどうしてかと頭をひねってしまう。
「うん、それもあるんだけどね、おっぱいにカレーの味が混じるらしいの」
「それはまずいよね〜。
----で、それ誰かに聞いたの?」
途端に、アンジェリークの身体が硬直し、恥ずかしそうに耳まで真っ赤にしている。
あ〜、なるほどね。
アリオスさんか〜。
恥ずかしそうにしている彼女がほほえましくて、レイチェルは子供たちに微笑んだ。
ラブラブの両親で、アナタタチは幸せね?
アンジェ!
ごちそうさま!!