I'll Be Yours


 甘い日常を、モットモットあなたと過ごしたい------

「新年用のケーキを作るから、レヴィアスも手伝ってね?」
「我がか…?」
 レヴィアスは少し考えると、アンジェリークを見つめる。
「…手伝うといっても、我は何も出来んぞ? それでもいいのであれば、手伝おう…」
「だから、レヴィアス、大好きなのよ!」
 彼女の甘い肢体に抱きつかれて、レヴィアスは甘い戸惑いを浮かべつつも、”悪くない”と感じた。

「はい、これ、レヴィアスのエプロンね?」
「ああ」
 黒いエプロンを渡され、彼は戸惑いながらもたもたとそれをつける。
「ほら、手伝ってあげるわ」
「すまない…」
 アンジェリークは手早くエプロンをレヴィアスにつけてやる。
 いつも守ってもらったり、助けてもらったりしているが、こういった時に自分でリードできるのが、アンジェリークには嬉しい。
「さてと。レヴィアスには力仕事頼んじゃうからね」
「お手柔らかにな」
 アンジェリークは薬と笑うと、彼をキッチンに連れて行った。
 セーターの袖を捲り、レヴィアスはやる気も十分といったところになる。
「じゃあね、レヴィアスには、生地が滑らかになるまで攪拌してほしいの」
「ああ」
 ボールに入れられた種を見せられた後、アンジェリークにへらを渡された。
「じゃあ、混ぜてね?」
「ああ」
 レヴィアスが生地を混ぜ始めると、アンジェリークはその中にドライフルーツを入れ始める。
 お祝いと共に、保存を効かせるためのケーキで、何日もかけて作るのだ。
「ずいぶんと、砂糖やアルコールを使うケーキなのだな?」
「うん。長期保存できるフルーツケーキなの。ちょっと甘めだけどね、美味しいわよ? みんながお正月に来たときにデザートとして出すのに最適かな? だから、生クリームとか一切使わないのよ?」
「そうなのか」
「うんvvv」
 普段は余りケーキなど食べないせいか、まったく知識のないレヴィアスは、アンジェリークの知識にまったく感心することしかりだった。
「レヴィアス、ほら、ちょっと生地が飛んだみたい」
「すまない」
 飛んで彼の口元についた生地を、アンジェリークはタオルで丁寧に取ってやる。
 その甘い雰囲気に彼女は微笑み、レヴィアスもまた微笑まずにはいられなかった。
「------有難う、出来たわ。コレでお正月も、おもてなしが出来るわね?」
「ああ」
 レヴィアスがエプロンを脱ぐのを手伝いながら、アンジェリークは微笑む。
 この愛らしい最高の微笑みのためならば、何でも出来るレヴィアスである。
「美味しくきっと出来るわ。レヴィアスが手伝ってくれたもの」
「だといいがな」
 彼はいつものようにフッと笑うと、アンジェリークの頬に手を伸ばす。
「おまえにも、生地が飛んでいるぞ?」
「え、あ、うそ!」
 レヴィアスは、恥ずかしそうに慌てるアンジェリークの頬を優しく捉えると、そっと撫でてやる。
「…!!!」
 頬に甘くキスをされて、アンジェリークは真っ赤になる。
「甘いな…。
 ケーキ、上手く出来そうだぞ?」
「もう…」
 アンジェリークは恥ずかしそうに俯くと、レヴィアスの手を握り締めた。
 その姿が可愛くてたまらなくて、レヴィアスはもう自分を抑えることが出来ない。
 いきなり、彼女を軽々と抱き上げる。
「きゃあっ!」
「アンジェ、ケーキよりも、我はおまえが食べたい。
 おまえが世界で一番甘いことぐらい、判っているからな?」
「もう…、バカ…」
 悪態を吐きつつも、アンジェリークはレヴィアスの首に手を回して、同意する。
 それに苦笑しながら、ふたりは寝室へと入っていった-----

 レヴィアス。
 いつでもあなたのものになれるし、なりたいのよ?


コメント

きゃらめる初!!
子供でないレヴィアスさんが登場です!!
レヴィアスさん、好きですが、なかなかうちのサイトでは登場機会が少ない。
モット出したいな〜と最近は思っております。
はい。



モドル