「あ〜美味しかった〜!!」 エリスは満足とばかりにおなかをさすり、弟のレウ゛ィアスはそれを見て、穏やかに笑っている。 「ホント、美味しかったよね、お姉ちゃん! パパがフルーツゼリー買ってくれたしね! 明日のおやつに食べようね!」 レウ゛ィアスとエリスの二人は手を繋ぎながら頷き合っている。 二人とも本当は母・アンジェリークと手を繋ぎたいのだが、父・アリオスが絶対にアンジェリークの手を離さないのでそれも適わない。 「ふたりも喜んでるわ。今日は有り難うアリオス」 幸せそうに言うアンジェリークの言葉が、アリオスには何よりも嬉しくて。 「おなかの子も喜んでるだろ?」 「そうね」 ふふっと笑い、アンジェリークは空いてる手でおなかを愛しげに撫で付けた。 「でもな、やっぱりおまえが作ってくれる飯が、俺には一番だがな?」 「ん・・・、有り難う」 少しはにかんだ後、嬉しそうに小さなぬくもりをより寄せてくる彼女を、アリオスは優しく片手で抱き締める。 わたしが言いたかったのに〜!! 父親と同じ台詞を考えていて、先を越されたことに、エリスは少し不満だった。 両親がとても甘い雰囲気を出しているものだから、レヴィアススは何だか嬉しい。 駐車場までしばらく歩くと、アンティーク調のぬいぐるみショップがあり、そこのショーウィンドウいるお菓子の付いたテディベアに、双子は魅せられた。 「うわ〜、可愛いね!」 「うん!!」 子供たちがショーケースにぴったりと密着させているのが可愛らしく、アンジェリークは目を細める。 「可愛いの?」 やはり、彼女も興味があるようで、ガラスにぴったりとついて、子供たちと一緒に見つめた。 「ホント! 可愛い!!」 青緑の大きな瞳を輝かせて、アンジェリークも子供たちと一緒に見つめている。 ったくガキだな・・・。 だけどそこが可愛いんだけどな? 三人の母親だなんて信じられないほど、可愛いぜ? 妻にめろめろなアリオスは、彼女をうっとりと愛しげに見ていた。 「パパ」 「アリオス」 三人の、愛して止まない彼の家族が、一斉にねだるように見つめてくる。 値段を見ると、手頃だ。 「しょうがねえな? 来い」 アリオスが店の中に入ると、その後をアンジェリークたちが歓声を上げながら続く。 店の中にはたくさんの縫いぐるみがあり、エリスはピンクのおかしつき、レウ゛ィアスにも色違いの茶色のおかしつきのテディベアを買ってやった。 アンジェリークにもおかしつきの天使の羽のついた白いテディベアを買ってやる。 買い物は高速に済み、店に入って五分後には、戦利品が手の中にあった。 そのままぶらぶらと親子仲良く駐車場へと向かい、車に乗り込む。 「ね、見せあいっこしよう!」 エリスの嬉しそうな提案に、レウ゛ィアスもアンジェリークもしっかりと頷く。 三人はアリオスから買って貰った袋から、テディベアを取り出すと、それを見せあいっこする。 その姿がアリオスはたまらなくて、妻を押し倒したい衝動に駆られた。 可愛すぎて、今夜も寝かしたくなくなったじゃねえか・・・。 明日も昼寝だな・・・。 アリオスは夜に邪な思いを巡らせていた。 「あ〜!! ママのだけ大きい!!」 不意にエリスは、大きな声で叫ぶと、母親のテディベアを指差す。 「ほんとだ〜」 レウ゛ィアスもその通りだとばかりに頷く。 エリスだけに交換してやると不公平になるので、アンジェリークは困ったように小首を傾げた。 「ママのお菓子ふたりに上げるから、ね?」 なだめるように言う母親の顔があまりにも可愛らしくて、双子はうっとりと見つめる。 もちろんアリオスはめろめろで。 「これはパパが悪いのよ!」 エリスに責められても、アリオスは平然としている。 「いいか、おまえら。パパはおまえらも大事だが、ママを一番愛してる。だから、ママには特別なんだ!」 「アリオス・・・」 子供の前でも堂々と言うアリオスにアンジェリークは真っ赤になって黙り込む。 「ママのおなかの赤ちゃんは、その証しだ。判ったか」 「ふーん」 父親の”アンジェバカ”ぶりに、双子が妙に納得させられたのは言うまでもない。 |
コメント
コレット天国(笑)
みんなママの笑顔にはかないません(笑)
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