「アンジェ、熱はどうだ?」 「アリオス…」 風邪を引いて寝込んでしまったアンジェリークを、アリオスはその顔をそっと覗き込む。 どこか、熱っぽいその顔に、彼は益々表情を曇らせた。 額をつけてみる。 その彼の眼差しがとても艶やかで、アンジェリークはどきまぎとしてしまう。 「さっきよりは下がってるが、まだまだだな・・・」 アリオスはそう言うとキッチンに消える。 ほんの少しでもアンジェリークは傍にいて欲しくて、泣きそうになってしまう。 風邪を引いてるときは、更に彼に傍にいて欲しいと想う。 アリオスが氷嚢と、氷の入った飲み物をキッチンから持ってきてくれる。 「ほら、これで少し喉を潤せ?」 躰を起こされて、コップを渡される。 その間、アリオスはアンジェリークの枕に新しい氷嚢を置いてくれた。 「アリオス…」 甘えるような声で彼の名前を呼ぶと、アリオスは優しい眼差しでアンジェリークを見つめる。 「ずっと傍にいてくれなくっちゃイヤ…」 拗ねるような恋人の言葉に、アリオスは更に甘屋かな微笑を浮かべた。 「どれぐらい? これぐらいか?」 「ううんもっと・・・」 隣に末あるだけじゃ物足りなくて、アンジェリークは頭を振った。 「じゃあこれぐらい」 「いや、もっと・・・」 「アンジェ」 アリオスは笑うと、アンジェリークの手にあるグラスを取り上げた。 「これぐらいか?」 アリオスは甘く囁くと、甘い蜂蜜とレモンで出来た液体を口に含み、アンジェリークの唇に注ぎ込み抱き締める。 「んん…」 冷たい液が喉を潤してくれて気持ちいい。 唇を離された後、アンジェリークはうっとりとアリオスを見つめた。 「もっと・・・アリオス・・・」 「しょうがねえな?」 喉を鳴らしてアリオスは笑うと、口に冷たい液を含み、更にアンジェリークの喉を潤してくれた。 とても甘くて美味しい。 「ああ…」 アンジェリークはうっとりとアリオスに抱きついて、彼に甘える。 「合格か?」 「・・・うん…。アリオスが傍にいるのが、一番の薬だから・・・」 「バカ…」 グラスをアリオスはサイドテーブルに置くと、そのまま彼女をベッドに寝かせ、自分もその横にもぐりこむ。 「これでいいか?」 「うん・・・。最高・・・。 だってね、ふたりで抱き合うと、最高に温かいのよ?だから風邪もどこかにいなくなっちゃう・・・」 「バカ…」 二人はしっかりと抱き合って目を閉じる。 お互いの情熱で、風邪もどこかにいってしまいそうだった。 |
コメント つい風邪をひいてるモンで(笑) |