There Must Be An Angel


 安らかに満足げに眠るアンジェリークを見つめ、アリオスは穏やかな微笑みすら浮かぶのを感じた。

 今までこんなことはありゃしなかったのにな・・・。
 ったく、こんな華奢で小さな躰のどこにそんなパワーがあるのか・・・。

 背中に手を回し、滑らかな白い肌に触れてみる。
 確かにそこには羽根などはなくて、彼はほんの少しだけ安堵した。

 万人に白い羽根を広げて、慈愛が溢れる女王。
 俺にとってはそんなものは関係ねえ。
 俺の腕の中にいる女は、俺に全ての感情をぶつけてくる女だ。
 そして、俺が唯一敬うことが出来る女。
 俺はアンジェリーク・コレットだからこそ、こいつを愛しているんだ・・・。

「ったく、ほんとガキみたいな表情しているよな?」
 喉を鳴らして笑うと、アリオスはむきだしの肩を撫でた。

 俺にとって、アンジェはこの宇宙そのものだ。
 おまえが育てた宇宙だから護りたいと思う。
 俺が護るべき場所は、おまえが愛するおまえのいる場所だからな?

 華奢な躰をぎゅっと抱き締めると、わずかにアンジェリークは身動ぎをした。
「んっ・・・」
 甘い声を一瞬上げるが、またすやすやと眠りに落ちてしまう。
「おい、あまり無防備なことしてると襲うぞ? こら」
 笑った後、アリオスはぎゅっと彼女を抱き締めた。
 こんなに幸せな充実した夜はなかったと、今更ながら彼女の肌の熱さで感じる。

 俺が転生することが出来たのはおまえの愛情があったからだ・・・。
 おまえは光。
 俺の唯一の真実。

 もう一度、彼女の背中に触れる。

 誰にでも”ガーディアンエンジェル”がいるというけれど、俺の”ガーディアン・エンジェル”は間違いなくおまえだな?

 更に強く抱き締めると、今度はアンジェリークが更に身体をすり寄せてきた。
 柔らかな肢体にアリオスの理性は風前の灯。
「アンジェ・・・」
 あどけない寝顔の彼女に、アリオスはキスの雨を降らして起こしにかかる。
「んんっ、アリオス・・・」
 うっすらと目を開けた彼女に、アリオスは容赦なく組み敷く。
「えっ、あっ!」
 戸惑うも何も上手く頭が思考しない。
「たっぷり愛してやるからな? おまえは俺だけの”女”だ…。この腕の中にいる今は・・・」
「あん!」
 ゆっくりと彼女を彼は愛し始める。
 もう二度と放さないと誓った天使。
 その羽根を抱き締めるようにして、アリオスはようやく掴まえる。
 彼の最後の天使を-------

コメント

アリオスの唯一無二の天使はアンジェです。
彼女こそ彼の守護天使だと思いこの創作を完成させました。

モドル