遂にここまで…。ショックアブソーバーのブッシュ、生産困難部品に
ゴム部品はあるうちに買え、とは詠み人知らずの旧車格言である。なるほど、自動車の部品で経年変化が一番激しくて、補給も早めに途絶えてしまうからだろうか。ゴムなら作れるという人がいるが、作れるのと安価に補給を受けるのとでは次元の違う話だ。
補給のあるゴムの部品は必要な数の何倍かを常にストックしていていつでも交換できるようにしてあるのだが、先日ショックアブソーバーに着くゴムブッシュを頼んだところ、なんと生産困難部品になって補給されてきた。生産困難部品。複数個頼んだのにもかかわらずひとつずつ個別に包装されてくるからすぐにわかる。ショックアブソーバーにはこのブッシュがセットになって補給されるのだが、ショックアブソーバーとゴムブッシュ、どちらが使えなくなるまで劣化するのが早いかといえば間違えなくゴムブッシュだ。ショックアブソーバーはいいけれどもブッシュはちびちびで…という状態が必ず来る。この時はブッシュのみを交換すればいいが、このブッシュを別個に持っていないとブッシュは跡形もないがショックアブソーバーは大丈夫という事態になりかねない。ブッシュ単体でストックすることは重要なのだ。
生産困難部品であることを確認したため、ここはストックのしどころと判断し大量に発注した。数は40個。実にブッシュ全交換3回分以上の数量だ。ただし、これをまともに頼むと、生産困難部品ということもあり共販の判断で補給をしないなどということにもなりかねない。どこかの専門店が部品を大量に買い占めたことにより、数が変に多い場合はいらぬ干渉が入る。そうならないように今回は、『伊藤家の食卓』に投稿したが採用されなかった「補給されない部品を手に入れる裏技」を使って部品を発注した。下手するとこれで、このゴムブッシュには一生困らなくなったかもしれない。
06/24/2010
早くも2缶目終了。オイルを交換
44ヨタハチのエンジンオイルを交換した。残量を調べるともう2リットルを切っていた。新たに補充しなければならない。昨年の5月に使うオイルの銘柄を変えて以来、ペール缶で仕入れているのだがこれで2缶目が終了する。ミニエースと44ヨタハチ、二台体制で動いているので仕方がないがそれにしても早いサイクルでオイルを消費している。
現在使っているエンジンオイルはペール缶で単価6000円を切る。リッター単価に換算すると300円以下。これを1000キロごとに交換している。こうするとエンジンのコンディションの劣化の幅はすくない。早い話、いつでも調子がいいわけだ。ドレンプラグを外して出てくるオイルは十分仕事をしているためにいつでも黒い。交換時期になると明らかにフィーリングが悪くなるのでわかりやすいのはいいが、その分もちは悪い。
06/18/2010
永年の悲願、また成就する!複製のアシュトレーを購入
再生産、複製品、リプロ品、レプリカ…。いろいろと表現の方法はあるが、この品物の出来のよさを見るにそれら本物を模して作られた品物のネガティブなイメージを持ち込まない適切な言葉を筆者は思いつかない。それだけ、こういったコピー品には痛い目に遭ってきたのだ。ここでは混乱しないように『複製』という言葉で統一したいと思うが、その複製したヨタハチのアシュトレーを購入した。これを作った浜松の方々の苦労がしのばれるが、その甲斐あってのすばらしい出来に感服している。使用例は「今月の一枚」に画像を使っているので参照して欲しい。
ヨタハチの部品でマイナーチェンジを経ても変わらなかった部品といえば、フェンダーミラーとこのアシュトレーが双璧だが、この二つともオリジナルをとどめているクルマがほとんどないことでも共通している。ミラーはパブリカのミラーを使うが足の長さが足りなくてきちんと見えない。レーサーを模して砲弾型のミラーをつければ後方視界はないに等しい。古い品物はミラー面が軽くスモークかかっていて、ミラー経由で夕日を見てもさほど眩しくないということを知っているオーナーは果たしてどのくらいいるのだろう。灰皿はホンダのN用がどういう訳か収まるということで使われている例が多い。事実、筆者の44ヨタハチもそうであった。そんなニセモノが跋扈する旧車趣味は精神的に貧しいといわざるを得ない。
ことにアシュトレーは初心者だった当時の、知識ないが故の過ちの苦い経験の1つでもあった。筆者が現在の44ヨタハチを買った当時、アシュトレーには蓋がなくなっていて、タバコですすけた本体だけが残っていた。某専門店と称するところでその灰皿が売っているというので買ったところ、包みの中から出てきたアシュトレーは似ても似つかないもの。当時はどちらが本物かもわからなかったのでもともとついていた、今考えると本物の本体を、捨ててしまったのだ。捨てたアシュトレーが本物で買ったものは使えるというだけのものだと知ったのはそれからまだずっと後だった。某専門店と称するところが売っているのだから本物なのだろうという変な信頼感があったために起きた事故だ。これをきっかけに某専門店への不信感は決定的になり、また一方で騙されないためにも自ら情報を集めてその真贋を検証する必要を痛切に感じた出来事だった。いつかまた、本物のアシュトレーを…と、筆者の部品の神様にお願いし続けた。しかし、こればかりは神様も聞き入れてくれず、15年という時間が経過してしまった。だが、ここに漸くリカバーすることとなったのだ。
さて、複製のアシュトレーの出来栄えだがすばらしいの一言。ボディはアルミの削りだし、蓋も同様にアルミ製。オリジナルと形状も寸分違わない。特に蓋のシボの深さというか浅さが秀逸だ。これが深いとおもちゃ然としてしまって、一辺に品位を失ってしまう。運転中嫌でも視界に入るので、ここが気に入らないと気分が悪くなるだろう。小さい部品にも手抜きはない。全く同じ形状のものだ。複製のアシュトレーは実用に供した場合の耐久性とオリジナルの形状を伝える資料性が高い次元でバランスされている。
オリジナル品はボディも蓋も樹脂じゃないか、だからオリジナルと違うといいたい人もいるだろう。だが、オリジナルのアシュトレーが原型をとどめていない原因がまさしくこれだ。日に当るところにずっとあるので、その直射日光で変形し、おいてあったタバコが蓋の裏側に触れることで覿面に変形する。度重なる開閉と樹脂の経年変化で遂には蓋がとれてしまうというのが定番だ。そうは言っても、やれ値段が高いだの、プラスチックじゃないだの言う人が出てくると思うのであえて言うが、一度自分が気に入るように作ってみるといい。値段は高く、クオリティは低いものに間違いなくなる。オリジナルのデッドストックが手に入るとするならば、絶対に6桁の金額になるだろうし、そんな部品を常時使うのかといえばそれはないだろう。だとしたら、気持ちよくお金を出して手に入れた方が健全だと筆者は思う。規格品をあたかも特別に注文して作ったかのようにして売っている人や、複製してもどこか間が抜けている複製を作っている人には、削りだしたときに出たアルミの削りカスでも煎じて飲ませてあげたい、そんな気持ちになるいい品物だ。
06/04/2010
いろいろ気になる…。ボディカラーのこと
古いクルマに乗っていると気になるのがいつか来るかもしれない大規模な修復の時のこと。ことにボディカラーの選びは古今東西旧車趣味の悩ましいが至福の時であり、最大のギャンブルの時でもある。
元と同じ色と塗るというのが現代では非常に難しい。そもそも再塗装しているものは下地の出来次第で上に塗る塗料の発色に影響が出る。加えて40余年の間に塗料は格段に進歩していて、もはや新車当時の発色の具合は実のところ再現は不可能である。赤いボディカラーのヨタハチが4台も集まれば1つとして同じ色合いの物はない。赤にメタリックなど入っていればそれは論外だ。ブルーメタリックも難しい。筆者は幸いオリジナルペイントで保管状況もいい車両を見たことがあるが、後年塗りなおされたものは綺麗過ぎるか、或いはくすんで華がないかのどちらかだ。銀色は銀色でメタリックの入り方でかなり見え方に幅がでる。そうなると自分が好きな色に塗りたくなってしまうものだ。白、黄色、黒というところが定番どころだが、よほどセンスがない限りかなりの冒険になる。筆者は昭和44年当時の関西ペイントの色見本を持っているが、この品番で出てくるカラーも新車当時の色とどこまで一緒に見えるかは未知数だ。
物理的に同じ色が作れないのであればどうするか。近いと思われる既成のペイントからイメージに近いものを選択して使用するのが手っ取り早い。ヨタハチの銀色は60年代のそれらしく少し赤みの差した銀色である。この赤みが難しくて、どうやら新車当時は相当赤く見えていたようだ。ただし当時の塗料の赤は退色が早かったようで、イメージに残っている銀色はなんだか鈍い感じの銀色だ。新車時か少し時間が経てからかでかなり違うと思うがこれは使えそう…と思う色を挙げてみたいと思う。実際に並べて見比べるとかなり違いがあるものと思うが、参考になればと思う。
外車でいうとメルセデスベンツの前のAクラスの前期型にあるムーンライトシルバー。後期以降のポーラーシルバーに比べると赤みがあって鈍い銀色だ。
同じトヨタ車でいうと、前のヴィッツの前期型で登場してマイナーチェンジ後からはオプショナルカラーではなくなったグレーメタリック。これも鈍い銀色で、同じヴィッツに使われているシルバーメタリックに比べると赤灰色っぽい銀色だ。グレーメタリックというと1つ前のヴォクシーの後期型にも使われているが、名前は一緒でもカラーコードなどは若干の差異があるかもしれない。ヴォクシーの前期型にあるダークグレーメタリックまでやるとやりすぎか。
レクサスISに使われているシェルマイカという銀色は赤が鮮烈で、新車時の銀色に近いのかもしれない。ISというと圧倒的にプレミアムシルバーが多いのでなかなかイメージができないと思うがそういう色が存在している。プレミアムシルバーに比べるとシェルマイカはかなり赤い。
06/02/2010