更に突き詰めて。車高を上げることを決意

44ヨタハチのフロントの車高を上げることにした。現在残っているヨタハチの多くは、そちらの方がかっこいいからという理由で不当に低くされているものが多い。その中で、筆者の44ヨタハチはもともと車高が高いうちであったが、それでも少し上げてみようと思う。具体的な数字で言うと15ミリほどである。

レースで使われていた車両はもとより車高が落とされていて参考にはならないが、ノーマルの車両を写した古い文献を見てみるとフロントがやや上向きになっているのに気がつく。バイアスタイヤが一般的だった当時では、タイヤ自体のグリップ力の他にクルマ自体が発生させるグリップも有効に使えるように荷重変化を積極的に起こしてグリップ力に換えようという作り方がごく一般的だった。そのためにフロントサスペンションのストロークが現代のクルマよりも多くなるために、フロントが上がって見えるのだろう。それを見越して作っているので、ノーマルの車高でないと光軸が低くて車検に通らないなんて事態が起きるのである。見た目にも車高が上がっている方がクラシカルで、細いタイヤが入っている場合にはむしろこちらの方が落ち着きがある。

ただ、問題はそのために起きるアライメントの変化を調整しなければいけないということ。板金の作業に出すタイミングも考えて、いつ作業に出すかよく考えないといけない。
05/29/2010

いよいよここまで…。板金作業に悩む

1995年4月、現在の44ヨタハチを買う段取りが整って現車を見ながら考えたことがある。塗装がくたびれたところも若干あったのだが、それよりも未知なのはエンジンやトランスミッション。持っていても走れないのであればモチベーションは上がらないだろうということで、板金塗装は後回しにしてきちんと走れるようになってから板金の部分は直そうと決めた。もっとも、そんなまとまったお金もなかったので、おのずとその流れは決まるのだが。

幸い、ミニエースも44ヨタハチも走るのには支障のないレベルにまで整備が進んだので、最後に残された領域である板金塗装に着手する頃合に来ていると実感させられた。

実は、ミニエースの板金作業に着手しようと思いを巡らせていた。どうせやるなら限られた費用で直っていることを大きくアピールできるところにしようということで、ミニエースの右側側面を板金してもらおうと思っていた。現在どういうコンディションかというと、下は錆で穴が開きミシン目みたいになっている上に、真ん中からリアフェンダーに向って大きく凹み、横方向に冬眠前の熊に引っかかれたのでは?という感じの太い線状の傷が何本も入っている状態だ。見積もりの結果は、15万円也。しかし前途は多難だ。そんな補修を何回かやればボディの下の部分はどうにかなるが、屋根部分は全く手がつけられない。左右のドアは?フロントマスク下の穴は?と見ていけばキリがない。それに恐らく板金全部やってくれということにした方がトータルでは安くあがることは目に見えている。

そんなあてのない旅にでるような板金よりも、効果的な板金はないか…ということで考えたのが、どうせ使うなら44ヨタハチの板金でしょう?ということだ。特に、左のフロントフェンダーの下を何とかしたい。ただし、ここも開けてはならない扉になる可能性がある。
05/17/2010

よく考えられてるよね…。ハードトップカバーできあがる

かねてより直しにだしていたハードトップカバーが出来上がって帰ってきた。今回は見本のハードトップをつけて出してきただけあってなかなかすばらしい出来だ。

今回は内装屋さんが気を利かせたのか、レザーの素材を半つや消しのものに換えてくれた。個人的には前回作ったときのテカテカのものでもいいと思っていた。あのチープ感が恐らく新車時についていたものとそう変わらないと思ったからだ。だが、出来上がりを見るとこれもありかなと思う。クルマと見た目がバランス取れているのと、若干だが高級な感じがする。

ポイントはやはり金具だ。つけた時に屋根の内側にゴムが渡るのであるが、ハトメに留めるためのフックの金具の形状が特殊なもので、結局規格品にはなかったので板金屋さんに作ってもらったのだ。どのような形をしているのかというと、釣り針と逆で外側にまちがついている感じなのだ。どうしてこんな形しているのだろう?その金具だけを見ているときは答えが出なかった。

出来上がったハードトップカバーをハートトップにかぶせているときに金具の特殊な形が必要であることがわかった。ハトメに金具を通すとき、この形の方が力がいらずきれいに通るからなのだ。フックが外を向いていない場合、必要以上にゴムを伸ばすことになる。それは勢いゴムに無駄な力がかかることになり、劣化が早くなる。フックが外側を向いているだけで、いくらか寿命を延ばすことができる。もっとも、現在まで残っているオリジナルのハードトップカバーのほとんどはゴムが伸びきっているものばかりだろうから、いらぬ気の利かせ方だったのかもしれない。
05/13/2010

これで決まり!新たなグロメット発見

前回発見したリアフェンダー下に使えるグロメットとは別に、もっといいものはないだろうかと探してみたところいいものがあった。早速試しに買ってみてとりつけてみたところ、これがまたことの他いい感じである。前回見つけたものから比較すると、車内側と社外側に残るゴムの径が車内側の方が小さいという点がすばらしくいい。意外と自由度が少ない車内側でもこれならどのクルマにも使える。ただ、取り付ける前に若干手間が必要なのと、パイプが通るところの径が少しきついのが難だが、一方で押さえが確実になるので収まりは前の品物よりいい。ここに行き着くまで、約二万円ほど出費してしまったのだが、まあこれも勉強代だと思えば、むしろありがとうございましたと言える。
05/10/2010

一生ものにするために。ロッカーアームカバーを交換

現在44ヨタハチについているロッカーアームのオーバーホールを開始した。エンジンオーバーホールをする際に実はここだけは分解等をすることなく、洗浄と状況の把握だけで終らせた部分だったのだ。ロッカーアームにはあるのかないのかと言われればあるというべき程度のガタはあったのだが、使用には支障ないと判断し可能な限り洗浄して終わりにした。

ミニエースのエンジンをオーバーホールする際にはロッカーアームカバーも分解して再び組み立てたのだがこれがことの他、具合がいい。このロッカーアームも44ヨタハチのそれと程度は同じだったのだが明らかに動弁系と思われるメカノイズが低減した。これで44ヨタハチもロッカーアームカバーのオーバーホールが決定した。

手始めに現在付いているロッカーアームカバーを外して、あらかじめオーバーホールをしておいたロッカーアームに一時的に付け替える。こうすると、クルマを休ませることなく、一方でオーバーホールをじっくり出来る。できあがってきたら現在仮についているロッカーアームカバーは予備の部品とするのだ。今まで44ヨタハチについていたロッカーアームカバーは、ロッカーアームシャフトの通るところに使われているホールプラグだけでなく、ロッカーアームシャフトもストックしていた新品にしようという計画だ。うまくすればこれで一生手をいれなくていいロッカーアームカバーができるかもしれない。

さて、実際の作業はヨタハチならさほど難しくない。最初にフロントのみ馬に載せて左右のホイールを取外す。サイドカバーを外すとエンジンが姿を現す。そしてこのロッカーアームカバーはクーリングシュラウドのアッパーを外さなくても脱着の作業はすぐに行える。左側だけはショックアブソーバーを一時取外した方が作業がしやすい。ロッカーアームカバーを留めているナットを緩めると中に残っているオイルが微量だが垂れてくるので下にウエスを敷いておくと作業は美しい。今あるロッカーアームカバーを外してオーバーホール済のロッカーアームカバーを取り付ければいい。

ロツカーアームカバーは一枚ガスケットを介して再び組み付けるのだが、この際にシーラーを使うか使わないかは意見が分かれるところだろう。筆者は以前やっぱりシーラーは必要だろうと思っていたが、今は必要ないと思っている。現在補給されているガスケットを使うのであれば、この品物は面圧がかかるとガスケットの中にしみこんでいる接着剤がにじみ出てくることでシーラーの役を果たす品物だからだ。古い補給品はこの限りではないので結果から言えば使用するガスケットによって使うか使わないかの判断をするのがいい。やたらとシーラーが飛び出ているエンジンは見た目がよくない。シーラーを使うか使わないかに関わらず、取り付ける際にはロッカーアームとシリンダーヘッドの合わせ面の脱脂は確実にしないといけない。

ロッカーアームカバーを取り付けた次の日、エンジンをかけてみる。スターターを回したときに若干の異音が出たこと以外はあっさりエンジンはかかった。肝心のバルブ周りのノイズだがそれほど変化はない。元もそんなになかったのだからいいのだ。ただ、しなやかに動くようになったあのロッカーアームが使われているのかと思うと、パワーロスは少し軽減できていると思う。
05/05/2010

嗚呼、今生の別れ!BPのオイル、遂にストックがなくなる

筆者の44ヨタハチライフを影で支えていたBPのエンジンオイルのストックが遂になくなった。

使っていたのはBPのビオラスーパーVというエンジンオイルだ。使用し始めた頃はまず安く、供給が安定していたこと、そして10W-40と20W-50と同じ銘柄でありながら二つの粘度をラインナップしていたことが特徴。オーバーホール前、果たしてクリアランスがどれくらいあるのか得体の知れないエンジンに使用するには適切な粘度、季節の変化に合わせて使い分けることもできて重宝した。今年の初めには遂にメーカーでもカタログ落ちしていてそれ以前に購入していた1ケースが最後となった。

筆者の場合、一昨年に44ヨタハチ、昨年はミニエースのエンジンを相次いでオーバーホールしている。それを機会にトヨタ純正キャッスルモーターオイルに使用オイルを変更している。というか、補給がなくなることが予想されていたので、各部のクリアランスがトヨタの純正オイルで大丈夫なようにオーバーホールしたといった方がより正確かもしれない。なので、BPのオイルは随分前から44ヨタハチには使用していない。

筆者が軽整備で面倒を見ているパブリカ用に引き続きBPのオイルを使用していたのだが、それもこれで終わりである。パブリカ用にはコストコで売っているシェブロンシュープリームを使おうと思っている。このオイルも安くて供給が安定していて1つの銘柄で粘度が二つあるというところはBPのオイルと同じだ。北米産であることはもとよりわかっているので品質の良さは期待できる。また、コストコで手に入ることを考えるとアメリカから直で入っていることは間違えない。何を心配しているのかというと、第3国製のライセンス生産品は使いたくないだけなのだ。本当は昨年に切り替えようとしていたのだが、その時は供給が安定していなかったので手を出さなかった。

オイルをトヨタ純正に換えて約1年以上たつのだが、他のオーナーにこれを勧めるかといわれれば筆者は勧めない。コンロッドメタルとクランクピンのクリアランス、シリンダーとピストンのクリアランスこの二つが最低でもわかっているエンジンであることが勧める際の大前提となる。柔らかいエンジンオイルなので、温度が入ったときの抵抗なく回るフィーリングはいい。だがそれがわかっていない場合には、それこそシェブロンを勧めると思う。勧めないもう1つの理由はフィーリングが悪くなるのが早いということだ。一面それはエンジンオイルがきちんと仕事をしていて清浄性能のいい証明にもなるのだが、それでも走行1000キロ前後からフィーリングが悪くなる傾向がある。ましてやメーカー推奨だからと言って3000キロは大丈夫というかもしれないが、筆者はそれまでフィーリングの悪いまま回す気になれない。基本は40年前のエンジン。オイルの性能は格段に向上して未燃焼のガソリンなどの量は変わらないときているから汚れるのが早いのも無理のない話しだ。フィーリングが悪くなったら早いタイミングで交換するのがいいだろう。それができないのであれば勧められない。

44ヨタハチを買って間もなくの頃、エンジンオイルを走行200キロ位で交換していた。走行は少なくとも出てくるエンジンオイルは艶のない黒になっていて、フィーリングもクソもなかった。一体どんな扱いを受けていたんだ?出てくるつや消しの黒を見て思ったものだった。それでも短い走行距離で交換を繰り返しているうちにどんどんフィーリングが良くなるのが楽しかった。あの苦楽をともにしたエンジンオイルはもうない。
05/03/2010