使わないのはもう止めだ!新品部品を整理して思う

今日、ストックしていた部品を出すついでに部品の整理をした。エンジン部品、電装系部品、シャーシ系部品、そして各種ゴム系、ガスケット等部品と、箱付で補給されなかった部品を大まかに分類してそれぞれクリアケースに入れて保管している。その他に箱付で補給されたもの、ブレーキパーツなど分類をひとくくりにして箱にしたてた部品などが保管されているのだが、そのうちのゴム系、ガスケット等の部品の入っているケースを少し整理した。

古いクルマに乗っていると部品のストックはつき物である。補給されているものなら、使うパーツ以外に予備の予備のそのまた予備で、これが緊急用であれがコレクション用で、こっちが資料で…、で1台に必要な分の数倍あるなんてこともある。心がけとしてはいいと思うのだが、長くやっていると正確に在庫を確認することが徐々に困難になってくる。いざ部品を探してみるとあったはずのものがない!ということやあったらあったであまりの多量さにあきれる、なんてことはキャリアの長いオーナーなら一度は経験しているはずだ。

部品を整理してみると、自分の意識では一切持っていないと思っていたグロメットが沢山出てきた。どこのグロメットかというと、フロントインナーフェンダーに着くグロメットとバルクヘッドに着くグロメット。前者はフロントハーネスからターンシグナルに行くハーネスが通る穴に使用されるもの。後者はクーリングダクトコントロールワイヤーや、ボンネットのワイヤーが通る穴に使われるものだ。これが恐らくそれぞれ2台分以上は出てきた。部品の荷姿がまちまちなのは、入手した時期が違うから。おそらく、ないものと思いこんで予備の予備のそのまた予備の…くらいまで買いこんだ上にその時々では存在を忘れていたからに違いない。

使おう…、こんなにあるなら。だって、部品はあるのに肝心の44ヨタハチには1つも使っていなかったのだから。ハーネスはグロメットで留められることなくむなしく穴に通っているだけだ。本末転倒もいいところだ。いつ開けたとも開けなかったともわからない袋からグロメットから出す。だが、いざ使おうとなるとコンディションの悪いものからという悲しい心理が働くのは、筆者だけではないはずだ。
03/28/2010

最後はここか?ロッカーアームのオーバーホールを決意

おかげさまで筆者の44ヨタハチは公道に復帰以来好調を保っている。これも筆者の周りにいる人々のお力添えあってのことと最近つくづく思う。

そんな44ヨタハチだが、実はエンジンのオーバーホールなった当初から気になるところがあった。動弁系のものと思われるメカノイズである。絶対的にはそう気になるものではないが、オーバーホール作業をしているときにやるかやるまいか少し悩んだところでもあった。そんなとき、筆者の信頼する筋からの助言もあって今回はそのままにするということにした。十分慣らしも終った現在、他に発生していたメカノイズがなくなると動弁系と思われるメカノイズがかえって気になるようになった。

こんなこともあろうかと、後からオーバーホールしたミニエースのエンジンではロッカーアームのオーバーホールを施したものを付けて、実機テストをしていた。その結果は驚くほどメカノイズが低減されているのが確認された。そこで、44ヨタハチにも実施しようという訳だ。ミニエースは一度エンジンを載せてしまうと、たかだかロッカーアームカバーを取り替えるという作業でもエンジンの脱着を伴うので結果的に重整備になってしまう。その点、ヨタハチ、パブリカはフロントタイヤとサイドカバーを外せば作業ができる。44ヨタハチのロッカーアームのオーバーホールをしなかったのは実はこの点が大きい。様子を見て駄目そうだったら作業できる。

さて、この部品不足の昨今、ロッカーアームカバーのオーバーホールといってもどうするの?であるが、聞けばなんだ…と思うかもしれないがすばらしい方法がひとつある。ただし、この方法は筆者が考えついたものではないし、実作業もできない筆者がここで詳らかにすると発案者に申し訳がたたないので詳細は申し上げられない。ただ、この方法でもロッカーアームシャフトが通っているところにあるアルミのプラグホールカバーが最低1台分ないと出来ない。つまり一回は全部分解する工程があるというのがヒントになるだろう。筆者はこのプラグホールが出るときに大量にストックしていたのだが、買った当時はそんなに買ってどうするのかと笑われたものだったことを思い出す。
03/23/2010

暖かいねぇ…。44ヨタハチ調子を上げる

ここ2日ほど、東京地方は春も近いねぇ…と思う感じでやや暖かい日であった。約10日ぶりに44ヨタハチを動かして軽く首都高を回って帰ってきた。

筆者のミニエースは特に顕著だが、44ヨタハチにしても冬はエンジンのオーバークール傾向は変わらない。ただ、ヨタハチのいいところはクーリングダクトを備えているというところだ。これである程度エンジンルーム内の空気の流れを遮断できる。約2時間ほど行って帰ってきたのだが、少し暖かくなって調子を上げたとはいえ油温計の針は真ん中と左端の丁度真ん中のところまでしか行かない。少し夜が更けて、都心から筆者のうちの多摩地区に来ると外気温が3度ほど低い。すると、油温計の針はじりじり左側に行く。それにつれて少しずつフィーリングが怪しくなる。オーバークール傾向に変わりはない。

エンジンオイルも交換直後とあって、エンジンが筆者の意思とは別に勝手に回るフィーリングが心地よい。どんなにエンジンオイルを交換してもオーバーホール前には得られなかったフィーリングだ。
03/14/2010

どっちがいいの?パーツ単体で考える

ミニエース、ヨタハチ共にフルフロー式のエンジンの筆者が古いヨタハチ、パブリカ系車両を見てうらやましく思うのは各パーツの出来のよさである。クランクケースしかり、コンロッドしかり。エンジンナンバーが新しくなればなるほど各パーツの出来が悪くなる。もちろんエンジンとして成り立つポイントはかろうじて押えているものの、それ以外はどこまでクオリティを下げたらダメになるかの試験をしているテストベンチか?と思うほどだ。特に昭和38年から40年くらいのエンジンパーツは筆者からみると妖しいまでにクオリティが高い。

コンロッドを例にすると、古い品物は重量のバラツキが少ない。同じエンジンに使われているものでも左右で重量の差が少ない。対してミニエースのエンジンに使われているものは、この差が大きくなる。左右で15グラム違うなんてものはざらにある。重量も古い品物の方が新しい品物よりも軽い。

コンロッドの肌を綺麗にする練習で使ったコンロッドがあるのだが、品物が比較的新しいもののせいか肌のくぼんでいるところに全体を馴らすとどうしても削りすぎてしまった経験がある。かといって全体を見てくぼんだところを残せば、チューニングで絶対にやってはいけないことになってしまう。そこに応力が集中して折れてしまう。そして恐らく気の済むまでツルツルにしたら左右で重量が合わなくなること請け合いだ。

それだけ考えても、部品取り用にパーシャルフローのエンジンを手に入れることはチューニング、とは言わないまでもパーツの選択に幅を持たせることができるので持つ意義はある。これがなぜか敬遠気味なのだが、入手しやすい分、筆者にはありがたい話である。
03/08/2010

どっちがいい?シリンダーヘッドで考える

パブリカ、ヨタハチ系車両のオーナーの中にあって、筆者はどういうわけかフルフロー式のエンジンにしか縁がない。44ヨタハチしかり、ミニエースしかりだ。故にどうしてもフルフロー式のエンジンには詳しくなってしまうわけだ。しかし、フルフローのエンジンについて一般的に相当誤解があり、正直困るときがある。その中の1つが、無鉛化したシリンダーヘッドだ。

まず最初にそれまでのシリンダーヘッドと何が違うのかということであるが、パーツリスト上ではバルブシートが別品番になっていることぐらいである。例えば、バルブガイドの材質が違っているとか、ステムシールがつくなどという変更は全くない。では、古い素材だからバルブリセッションがあるのかというと、経験上それはないに等しい。オイルあがりを心配した方がいいんじゃないかと思うコンディションのエンジンで、バルブリセッションがどうの…という話をする方をみると苦笑をかみ殺すのに苦労する。

でもバルブリセッションが怖いという方はそこでガソリンに添加剤をいれる訳だが、さて、これが総合的に考えていいことなのか考えると、筆者はそうは思わない。仮にバルブリセッションするとしてその対策にバルブシートを無鉛用の素材、例えばブロンズなどで作ったものをつけた場合、バルブシートが単価1000円くらい。加工代の方が同額か或いは若干高いとしてもせいぜい1万円である。もし過去に直した記憶がなければ、バルブガイドの交換、バルブの研磨等も同時にやってもらえば、どんなに高くても5万円くらいでできると思う。延々と添加剤を買い続け、それでもなおいつ壊れるかわからないエンジンを回し続ける精神的負担を考えればこの金額は安いと思う。U型系エンジンは特に、シリンダーヘッドの出来不出来で残すフィーリングは相当違う。もしいい内燃機加工屋さんを知っているなら、5万円払ってもなおあまりある旧車生活が送れると思うのだがどうだろう。
そして、この添加剤が固まってフューエルラインやキャブレター内で悪さをするという事例をいくつも見ている。これでは本末転倒だ。

一番新しいミニエースのエンジンでも、製造から35年経っていることを考えるとどこから仕入れてきたのかわからないようなエンジンのパーツをそのまま使おうということにはまずならない。最低洗浄は必要だろう。すると全部分解する訳だがそうすると見なければよかったことが一つや二つ出てくる。そうなればオーバーホールは決定的。無鉛加工されていようといまいと、結果は同じということになる。
03/07/2010

やっぱりいいね。ハードトップカバーを手直しに出す。

出来はなかなかいいのだが、若干寸法があっていなかったハードトップカバーをなおしに出した。今回は筆者の信頼する筋から部品として残していたハードトップを借りて、それを作ってもらったカバーに包んで内装屋さんにおいてきた。これでぴっちり寸法の取れたハードトップカバーができること請け合いだ。

この際なので、このハードトップカバーの量産、といってもせいぜい10枚ほどだが、の可能性を内装屋さんと相談した。量産となればひとつずつ作るよりは手間もかからず、勢い費用もすくなくてすむのだがやはりネックとなるのは前回も一品で作ったホックである。オリジナルを重視さえしなければどれでもいいのかもしれないし、事実どこかで売っているハードトップカバーはこのホックはおろか、ハトメの大きさもカバーにわたるゴムひもの幅も全く似ても似つかない品物を使っている。

しかし、ここにこだわらないと機能に影響することがわかった。ゴムひもは幅だけが同じならいくらでもあるのだが、実は中に入っている細いゴムセンイの本数が違っているという。ホックの金具の形状もそう。反りががついているのは外しやすくするためだ。革の素材の厚さも、ハードトップをトランクルームに入れて尚且つあの収まりのよさにするためにはあの厚さでないとだめだ。そういう細かいところをクリアして尚且つどこかで売っている品物よりははるかに安い単価でできそうである。

ホックの金具を再び作るために、暫く作ってもらったハードトップカバーは内装屋さんに預かってもらうことになる。できあがりが楽しみである。
03/04/2010