何もないのは無事な証拠。2009年総括

もうまもなく今年も終る。前を向いていると今年は早かったなあと思うが、ふと後を振り返ったときやはりそれなりに長い時間が流れていたことを感じる。

今年は44ヨタハチに関しては波風も立たず、かといって全く刺激がなかったのかというとそうでもない。比較的穏やかに過ごせたと思う。毎年思うが、もう珍しい部品は手に入らないだろうと思うのだがそれが不思議と入ってくる。あと少し、筆者の部品の神様にはお願いしたいところだ。

年末も最後の最後で44ヨタハチ40周年記念ミーテイングもやることができた。筆者が44ヨタハチを所有し始めて今年で15年目。既に歴代オーナーの中で一番所有歴が長く、車歴の5分の2の時間は筆者と共にある。ドラえもんにタイムふろしきで包んでもらった…ようにはいかないだろうが完全オリジナルがだいぶ見えてきている。

むしろ色々な変化があったのはミニエースの方だ。二期に渡るミニエーススピードワゴン化計画によって、この一年でミニエース用にエンジンを二基オーバーホールした。44ヨタハチが動かなかったときに普段の足としてもそして旧車ミーティングにも活躍してくれたことを考えると労うのにちょうど良いタイミングだったのかもしれない。実際、もともとミニエースに載っていたエンジンは分解してみると20年の眠りとそれを無理やりたたき起こしたという歴史そのままの消耗をしていた。

ミニエースのものよりもハイギアードとなるパブリカのデフが入り、パワー、トルクともにアップされているエンジンを得た。エンジンの慣らしは始まったばかりなので、来年の頭はこれで少しは楽しめそうだ。
12/31/2009

かなりギャンブルでした…44ヨタハチ40周年記念ミーティング打ち上げ

昭和44年式トヨタスポーツ800生産40周年ミーティングが盛会のうちに終了。ご参加いただいた皆様、ありがとうございます。そしてお金にもならないのに快く力を貸してくれた皆さん、ありがとうございます。参加したかったけれど、都合でこれなかった皆様大変残念に思います。お題目の性格上、二度目はありません。そして、この奇跡的なクオリティで行うのは無理だと思います。

まず最初の奇跡は行き帰りの交通です。参加いただいた皆さんの多くが中央自動車道を利用しました。年末の帰省ラッシュも予想されたのですが一方で仕事納めもやってないところも多いだろう。仮に渋滞になったならば現地に到着するだけで消耗して楽しさも半減です。しかし追い風は週末のETC利用で1000円という割引が適用されなかったこと。このアナウンスが果たしてどれだけの方の心理に影響したかはわかりませんが、何しろ道が空いていて甲府昭和までの道がちょっとしたツーリング気分のまま気分よく走れたこと。そして帰りの道も渋滞が皆無だったことが後味のよさになりました。

次の奇跡は天気です。会場とさせていただいた日本航空学園の滑走路は南に富士山、北に八ヶ岳を望む風光明媚な場所です。しかし、少しでも八ヶ岳原産の北風が吹くと凍えるほど寒い。ところが当日は快晴。風もほとんど吹かずこれが小春日和っていうのかな?という陽気でした。

最後の奇跡は陽の加減です。ミーティング開始13時、終了16時と、この季節だと日が西に傾いていく時刻に設定したために、大御所映画監督お抱えの照明技師もビックリというくらいクルマが綺麗に撮影できました。そのまま中古車市場に出せば相場の150万円増しになること請け合いです。参加者の皆さんがそれぞれ私的に撮影された画像のクオリティも恐らく驚くほどいいはずなのですが、同時に撮影した動画のクオリティたるやすばらしいの一言。参加者の皆さんにお渡しするDVDは恐らく家宝になるのではと思います。

それら全てが重なった。かなりのギャンブルだったなと終了後に感じました。これもひとえにご参加いただいた皆さんの普段の行いがよかったからでしょう。
12/29/2009

ミーテイングに向けて!ミッションオイルを交換

既にお知らせしている通り、今月27日という暮れも押し迫った日に昭和44年式トヨタスポーツ800生産40周年記念ミーティングを行う。それに向けて少しずつ整備をしている。まあ、整備と言っても筆者がガレージでできることといったら油脂類を換えることぐらいしかできないのだが。とは言うものの、イベントの主催者が自分が設定した参加条件にかなわなくなるという事態は洒落にならない。どこぞのオーナーズクラブの会長のように自分だけ全く別の車でツーリングに参加…なんてのは無粋の極みだ。

先週、エンジンオイルを交換したのに続いて今日はミッションオイルを交換した。単純に交換しただけでなく、使っているギアオイルの種類を換えた。即ち75W-90というやや柔らかいオイルから85W-90という少し固めに換えた。いずれもトヨタ純正のオイルだが、要は元に戻したというだけだ。柔らかい方は加速時や少しでもアクセルを開けている状態で走っている時は作動感が軽くていい感じだったが、アクセルオフ時に惰力で走っているときなど、リアアクスルからの入力があるときのフィーリングがいまいちで、なんだかザラザラした感じをシフトノブ越しに感じていた。ところが、元に戻すとこのフィーリングがすばらしく良い。

ただ、なんで以前換えたのか考えると、走りだして暫くのフィーリングが気に入らなかったというのを思い出した。特にこれからの寒い日はいい感じになるまで時間がかかるのだろうなぁ。
12/25/2009

もう一度ホイールアライメントを取るのもなぁ…フロントの車高を上げるか検討中

昨年10月公道に復帰して早1年以上が経過してもなお、どうしようか考えていることがある。フロントの車高を上げようかどうしようか…ということだ。

そんなの簡単じゃない。トーションバーのボルトをちょちょいと回して…なんて思った方は考え方が甘い。確かにそれで車高は上がるが、同時に折角いい感じでとれているホイールアライメントが狂うことになる。少なくともキャンバー角は変わるからいまのままで走るということはできない。

筆者の44ヨタハチは過去に二回ホイールアライメントの調整をしている。一回目にホイールアライメント調整をした時にはまあ劇的に変化したのを覚えている。というか、劇的に変化せざるを得ないほど元がだめだったというだけだ。キャスター角は左はネガティブだったのに右はポジティブ。キャンパー角は整備書の数値に近いものの、左右で差がかなり有り。はっきり言えばめちゃくちゃだった訳だ。これではしょっちゅう修正舵角をしていたんじゃないのか?と作業をしたいつもの修理工場の社長に言われたのだが、筆者はそんな意識なし。ところが調整したあとで筆者の44ヨタハチに乗ったところ、自分がしょっちゅう修正舵角を与えていたことを気づかされた。ハンドリングの危うげな感じをコントロールすることを古いクルマを乗りこなせてます感に無意識のうちにすり替えていたことに気がついた。なおかつそれでもコーナリングも直進性もいいと信じ込んでいたのだ。その自信の根拠はその時点ではまったくなかったのにも関わらずだ。

一口にアライメント調整というが、これは自分はこの車をどうしたいのか?という明確なコンセプトを持っていないと、いじり倒す危険性がある。極端に言えば何しろ眠っていてもまっすぐ走りたいのか、かみそりのようなコーナリングが欲しいのかで方向性はまったく変わってくるのはわかるだろう。整備書にある数値でいいという選択もあるかもしれない。基礎データとしてはないよりあるほうがいい。が、ヨーロッパ車に比べてその辺の意識が低い国産車でましてや40年以上になりなんとするクルマでそれをやって果たしてまともに走るかは疑問だ。コンセプトも鑑みそれぞれの車に合わせた調整が必要となってくる。作業をしてくれる人がこの辺の融通を利かせてくれるかどうか、というのも実は非常に重要なファクターだ。これは設備よりも経験がものを言う。ここまで言えばわかる通り、経験も機材もない人間がハンドツールに類する器具を当てて測ったからと言っていい結果がもたらされるものではない。

アライメント調整はハンドリングに影響を与えるものなのでついフロントホイールの方に意識が行ってしまいがちだが、実際のアライメント調整ではリアのホイールが大切だ。ここが決まらないとフロント側には手を入れられないものなのである。ヨタハチにありがちなのは、リアアクスルハウジングのポジションが悪く左右で何度か角度がついているとか、左右いずれかのホイールベアリングの不良で数値に狂いが出るなんてことがある。こうなると、そこから潰していかないといけないことは明白だ。ベアリングを換えろとはいわないが、少なくともブッシュの類は全て交換しないとアライメントは取れない。

本来、アライメント調整とハンドリングは別に考えないと理解しずらくなる。きちんと直進する方向でホイールアライメントが取れていれば極端な話、ステアリングは握っていなくていいくらいだ。それでも曲がらなければいけないのがクルマ。ステアリング系を何とかしたいのだが、ステアリングリンケージに使われているブッシュを交換するのは基本。それだけでハンドリングが劇的に変化するかというと、決してそれはない。ヨタハチ、パブリカ系で言えば、ステアリングギアボックスの中のウォームシャフトの磨耗とアイドラーアームのブッシュの具合がそのハンドリングに大きい影響を与えるようだ。ウォームシャフトの磨耗は、交換した記憶がなければまず間違えなくあると思った方がいい。40年前の道路事情を考えれば想像はつくだろう。舗装路は希で砂利道がほとんど。雨が降れば水溜りが出来てそこを車が走ればどんどん穴は深くなる。そんな環境で使われていたものが磨耗していないわけがない。

ギアボックスの上に大きい回り止めのナットがあるが、この中にあるボルトがナットの上の面よりも下にある…なんてギアボックスは相当磨耗が進んでいる。アイドラーアームのブッシュが磨耗していると始動一発目のステアリング操作でサブフレームから「バキバキ!」という音が聞こえる。こうなったらブッシュ交換。42年の終わりのほうからはこのブッシュが部品として設定されていないので、アイドラーアームのアッセンブリー交換が必要になってくる。見た目を気にするよりこういった必要な部品を集めるのに労力を費やした方が、長い目で見るとヨタハチの維持には有効であると思う。
12/25/2009

冬本番!ますますオーバークール傾向に

12月になり、最高気温ですら10度を下回るなんて日が現れるようになったが、その影響で油温計が指し示す価がかなり低い。やたらと温度があがるエンジンはどうかと思うが、あんまり温まらないのも不安である。やはり適当に温度が上がってオイルがいやでも伸びて広がるような温度で回したいものだ。温度が低いと高回転域を沢山使おうとは思わない。もちろんクーリングダクトは全閉。パフリカ用のアンダーガードのオーバークールに対する効果はかなりあるものの、それでも油温計の針は真ん中で立つなんてことはない。冷却対策だ、とかなんとか言ってクーリングダクトを外してしまった、あるいは入手したときからなかったなんてヨタハチは冬に走れるのだろうかと心配になる。
12/22/2009

冬でもオープン!久しぶりにハードトップを外して走る

筆者は44ヨタハチのハードトップを年に何回も外さないが、久しぶりに衝動的に外したくなった。折から燃焼式ヒーターが絶好調であるために窓を開けても足元が異様に熱いので、いっそのこと屋根ナシで暫く走ってみようと思った。天気の心配はなし。昼間が暖かかった分、放射冷却もあって夜はいつもより寒かった。

結果からいうと、屋根ナシでもヒーターが炊かれていれば十分暖かい。胸から下は暖かい空気が漂い、上は外気で攪拌されて冬の冷気が適当に混ざり頭を冴えさせてくれる。屋根がある状態ではすぐに温まる一方でスイッチで調整しないとのぼせてしまうので、こちらの方がいいのではないかと感じた。

調子が良ければこの燃焼式ヒーターは実によく出来ている。例えば電気を必要とする暖房器具と比べれば圧倒的に電気を使う量は少なくて済む。こういった暖房器具は局所でしか使えないが、燃焼式ヒーターにはキャビンを暖房してあまりあるくらいの能力がある。何よりクルマに収まるように出来ているから見た目にも綺麗。他の暖房器具をキャビンの中にいれたらこうはいかない。暖房用に燃料を別に積まなくてもいいし、燃費にもさほど影響がない。

結局一時間ほど近所を走って帰ってきたが、ヒーターが止まることはなし。ヨタハチならではの快適な冬のドライブができた。
12/03/2009