基本を疎かにするものは…。ビスやナット類で考える

筆者は現在の44ヨタハチに乗る前にスバル360に乗っていたことをどこかで書いたと思う。最近とみにそう思うが、旧車のキャリアをスバル360で始めたことが大きくプラスに働いていると感じているのがビスやボルト、ナットなどの管理だ。

ご存知のようにスバル360は昭和33年から作られていて、このボルトやナットの類に現在では規格にないものが多数使われている。旧中島飛行機独自の規格であるとか、旧陸軍の規格であるとかいろいろと噂がでているがその真贋は定かではない。昭和40年前半からISO規格のものが使用され始めたが、それとて一斉に換ったものではないために新しい年式のスバルに乗っていたとしても安心はできない。「ナットの1つも捨てられない」これがスバル車をやっている人たちの覚悟である。

44ヨタハチに乗ってから、トヨタ車とそのオーナーはナットやビス類に寛容というか、頓着がないというか、いいかげんなのにびっくりさせられたことが印象に残っている。レストアするのにナットひとつまで古いものを使ったと自慢する人がいたが、スバルから転向した筆者にしてみれば、基本中の基本。それほど自慢できるものではない。「だから何?」ってなものだ。むしろオリジナルにこだわりすぎてナットやボルトの機能を疎かにしていないか、早い話がネジ山が伸びきったようなものを使っていないか心配になった。一方でテールランプレンズを留めているビスの頭が平らなビスを使っているセンスにはあきれてものが言えなかったが、半分丸いビスに換えたからと言ってマニアックと言って憚らないセンスもどうかと思う。基本であってそれ以上でもそれ以下でもない。

こういった細部に神経が行き過ぎるも、逆に行かな過ぎるのもトヨタでは丁寧にナットやボルト、ビス類の補給がなされていたからだと筆者は思っている。ところがそれも今では崩れ始めている。どこかで申し上げたとおり、ナットやボルト類のメッキは黄色っぽいものから白っぽいものに変わっている。ライトカバーやテールランプレンズなどを留めるビスはなくなった。頭が半分丸いビスはあるにはあるが長さにバリエーションがなかったり材質がステンレスだったりする。ステンレスだとビス自身は錆びないがそれと接している鉄の部分が錆びてしまい結局1つもいいことがない。既にトヨタの古い車もスバルと同じ方向にあることを意識しないといけない時期にある。
11/30/2009

これで最後か…。ミニエースのエンジン完成

関係各方面の助けも借りて筆者がオーバーホールしたエンジンの3基目となるミニエースのエンジンがようやく完成した。自分の車のために行うエンジンのオーバーホールは恐らくこれが最後になるだろう。あれだけあった新品のエンジン部品も一部消耗部品を残して払底状態。あっても半端な中古の部品ばかりだ。部分的な補修はできるが、まるまる一基仕上げようとなるとそれはできない。

今度のミニエースのエンジンは恐らくすごいことになると思う。新品ピストンの補給の関係で1ミリオーバーサイズのピストンを投入。シリンダーは元のエンジンから1ミリ研磨して圧縮比をアップ。シリンダーヘッドはバルブガイドの交換はもちろん、バルブの研磨、バルブシートのカット、すり合わせなどを行っている。このエンジンはシリンダーヘッドのコンディション次第で好不調が左右されるので重要だ。その他にも細かいチューニングは多数しているのだが、列挙するときりがないので割愛する。

ここでこのホームページを読んでいただいている方に耳寄りな情報を1つ。現在ミニエースに搭載されているエンジンを比較的お求め安い価格にてお譲りしたいと思います。エンジンナンバー69万番台のフルフロー式エンジン。こちらがオーバーホールしたエンジンの2基目になります。オーバーホールのメニューや価格など、気になる所は筆者に直接メールにてお問い合わせ下さい。現在ですと、ミニエースに載った状態なので試乗いただけます。ちなみにこのエンジンが載ったミニエースは100キロオーバーで高速道路を走れます。オーバーホール後の走行距離は3000キロほど。

車体はレストア終ったけどエンジンまで手が回らなくて、でもすぐに走りたい…とか、おととい走っていたらエンジンが壊れた!なんて方にはお勧め。筆者もそうでしたが、このエンジンにとりあえず換装して、今載っているエンジンはじっくり直そう、なんて方にもいいのでは?何しろ載せた次の瞬間から何の不安なく回せますよ。
11/24/2009

なんたるボーンヘッド!ドレンボルトを締めるのを忘れる

何年かに一回、自分でも信じられないことをやらかしてしまう。なんとエンジンオイルのドレンボルトを締めるのを忘れていた。誤解のないようにいうが、ドレンボルトを付けるのを忘れた訳ではない。つけたはいいが締めていなかったのだ。

きっかけは前回オイルの交換をした後からだ。数日するとエンジン下辺りに少量のオイルが漏れていた。臭いをかぐとエンジンオイルだ。最初はベンチレーションチューブに入ったオイルが出ているものだと思っていた。ところが昨日、乗ろうと思ってガレージに行くと、オイルたまりが出来ていた。出所はドレンボルト。どうせすぐにオイルの交換もするし、なにより工具もなかったのでそれ以上のことは何もしないで出ていた。

そして、今日。エンジンオイルを交換するためにドレンボルトを手で触ってみると、そのままするっと回ってしまいそうな感じがする。まさか、と思い試しに回してみると回り始めるではないか。オイルリークの原因はこれだ。前回オイル交換の際、オイルを出してドレンボルトを付けたはいいがそれ以上締めてはいなかったのだ。それが証拠にドレンボルトを外してみるとガスケットが全く潰されていることなく出てきたのだ。これでは漏れて当然だ。前回から今回のオイル交換の間に300キロほど走っているのだが、その間にボルトが緩んでなくなっていたらと思うと背筋が凍る思いだ。

今日は再びオイル交換をした。今回はガスケットがつぶれる程度にボルトを締めたのを確認して、新しいエンジンオイルを入れた。まあ、ミッションオイルを入れるのを忘れて走り出してミッションを壊すのよりはいいか、とりあえずオイルは入っていたのだから。
11/16/2009

テストは好結果!燃焼式ヒーター、好調を保つ

今年は試しに燃焼式ヒーターのシーズンオフ時の手入れをしないで、乗るたびに短時間でいいからヒーターを稼動することにしたらどうなるか?を実験しているとどこかで書いたと思う。そのテストの結果が意外と好結果である。

ここ数日で東京地方はすっかり寒くなり、44ヨタハチに乗るときはヒーターが必須という状態になってきた。加えて今日の午前中まで激しい雨が降っていたために、たとえガレージ入っていようと湿っぽいかんじだった。こんな時は乗り出すに限る。

走行時間にしておよそ2時間。つけっ放しにしていると、セーフティスイッチが働く前に乗っている人が湯だってしまうので点けては消して、温風がなくなったら又点けて…を繰り返す。その間、異常に燃焼することもなく、ヒューズも切れることもなし。ノズルの詰まりもない。やはり、夏でも使うのが良かったのだろう。フューエルレギュレータの中にあるガソリンが古くなる前に次の新しいガソリンが入ってくる。電気の面でも、こまめに通電させるほうがいい。

ただし、デメリットもある。冬でも熱いのに夏にヒーターを点けるのは正気の沙汰ではない。点けるタイミングはよく考えないといけない。目的地に着く数分前にヒーターを点けてエンジンを切って自然にヒーターが動かなくなるまでその場に置いていたり、温風が来たのを確認したらカウルベンチレーターを開いて車室内に温風がこないようにするなど、工夫が必要だ。

今日は走り出すにあたってガソリンを入れた。ガソリンが新しいときの方が暫くタンクに入ったガソリンを使うよりヒーターからの温風が熱く感じるが気のせいだろうか?
11/15/2009

さすがは本職!ハードトップカバーの修理開始

思いがけず手に入れた純正のハードトップカバーの修理に着手した。着手といっても自分の手でするわけではなく、ここは信頼できる内装屋さんにお願いすることにした。

内容はカバーの内側に渡っているゴムの紐をリベットを解いて交換してもらうのと、実はこれが一番難しいのかもしれないが、その先端にあるフックを探してもらうことだ。フックは実は1つだけ新車時のままのものがついていたので、要はそれと同じものがあればいい。内装屋さんだから、沢山金具の入っている缶の中からちょいちょいっとひろって、「これだよね」…てな展開を期待していたのだが、そうは問屋が卸さなかった。金具を見るなり「あるのかもしれないけれど覚えがないなぁ」との答え。ただ、見本は現にあるので最終的にはこれをもとに板金屋さんに作ってもらうことになるということだった。定かではないが、確かハイエースの荷物を押えるバンドに使っていたようないないような…とのことだった。

ゴムの紐の方は、色こそ黒いがそれこそ昔のパンツのゴムのようなゴムひもだ。おおよそ何十年も使用に耐えられるものではない。同じ幅のゴムひもだとやはりもちが悪いので少し太いものにしたらどうかと聞かれたが、ここはオリジナル重視ということでお願いした。

しかし、やはり本職だ。このカバーがオリジナルであることをズバリと言い当てた。その証拠となったのはハトメである。筆者の持って行ったカバーにはアルミのハトメが使われていたのだ。筆者も、アルミのハトメはあんまり見ないよなぁなどと思っていたが、それがオリジナルの証拠になるとは思っていなかった。このハトメは昭和40年代ではアルミ製のものしかなかったそうだ。やがて真鍮製のハトメが流通し始めて近年ではステンレスになるという。アルミのハトメを見ただけでもこの品物が古いということがわかるのだという。そして、昔このハードトップカバーの修理は何度かやったということだ。
11/09/2009

汚れ、すごっ!44ヨタハチのエンジンオイルを交換

若干交換時期が過ぎてしまったが、44ヨタハチのエンジンオイルを交換した。出てきたオイルのコンディションはさほど悪くはなかったが、色に透明感はなく黒くなっていた。

筆者は走行1000キロ毎にエンジンオイルを交換している。交換時期から少し過ぎたと書いたが200キロほどである。夏の暑い時期を使った、44ヨタハチのエンジンはオイルにやさしくない、そもそもヨタハチのエンジンはエンジンにやさしくない、現在使っているトヨタ純正のエンジンオイルは清浄性に優れている…など、いろいろな要素が考えられるが、それにしても黒かった。出てきたオイルに粒子状のスラッジなどはなかったのは幸いだった。

今日、新しいオイルで60キロほど走ったがなかなか気分がよかった。先週まであったフィーリングの悪さはすっかりなくなり、実に伸びやかに回ってくれた。残留しているかもしれない汚れを取り除くため、今回入れたオイルは早めに出そうと思う。
11/01/2009