更に笑えない?ヨタハチあるある その2

「この車、買おうと思った決め手は何?」と聞くと「ボディが良かったからです」との答え。口にこそ出さないが、「いやぁ、よく作ってるよ、パテで」という車とオーナーなんてパターンは普通にある。筆者はヨタハチに載る前にスバル360に乗っていた。その時かなりさせられた勉強のおかげで比較的穏やかなヨタハチとの旧車生活を送れてきたが、現行の車から何の勉強もなく旧車に乗り始めた方にはこういうパターンが多い。「これはいい車だ」と思う概念が違うのだ。やたら綺麗なものには刺さると致命的なとげが必ずあると思った方がいい。

高いお金を出せばいいヨタハチが手に入ると思っているオーナーにも困る。確かに普通の車に比べれば多少のお金はかかるが、実はそれと同じようにかかるのはオーナー自身の手間である。この手間を省くために高いお金を払って…という方は結構いる。お金は一時、手間は一生かかるのだ。

そもそも運転が下手な人はヨタハチによらず、旧車に乗るのはやめておいたほうがいい。自分が運転が下手であることを自覚している人ならまだいいが、その自覚がない人は困る。かといって「あなた運転下手ですね」といわれるのは、女性に「セックス下手糞!」と言われるのと同等かあるいはそれ以上に恥ずかしい。加えてなかなかそういう自分に向き合う勇気は持てないのもわかる。今までの運転歴で3回以上追突されたという方は要注意だ。あなたの後ろを走っているクルマの運転者はあなたのせいでそうとう怖い思いをしている。

言うまでもなく44のヨタハチですら生産後40年を経過している。何があっても不思議ではないが、レストアの過程で俄かには信じることのできない壊れ方をしていることがわかってしまったクルマも何台も見た。明らかに「この車運転した人、死んだ?」という車や、あまりありがたくないが、かつて人だった人が一緒に乗っていた…というヨタハチも。パブリカも含めると両手で数えられるくらいのサンプルがある。中には除霊までした…というものも数台知っている。
09/27/2009

効果は覿面!44ヨタハチ以外のヨタハチに乗る

ここのところ故あって44ヨタハチ以外のヨタハチに乗る機会に恵まれた。いや、同じ車であってもかなりの部分でフィーリングが違う。

ここでは主にエンジン、もっというとフライホイールの部分だけの違いを比べてそのフィーリングを述べさせていただくことにする。お預かりしたヨタハチは42年式。その中でも1月というから、実質41年に近い。この車のエンジンのフライホイールはノーマル。筆者の44ヨタハチは以前にも言ったとおり、20パーセント軽量化している。

ノーマルのフライホイールのメリットは低速時にアクセルを開けなくともとことこ前に進むところだ。街乗りするには楽だ。ただし、既に軽いフライホイールの44ヨタハチに乗っていると、総合的に考えてフライホイールが軽いことによるデメリットはこれ以外にはない。上まで回るのは速いし、加速もいい。ファミリーカーを目論んだパブリカなら低速時にトルクがあるのは歓迎すべきだろうが、見た感じだけでもスポーツカーというなら速く回った方がいい。とはいえ、筆者が44ヨタハチに乗っていてトルク不足を感じないのは、20パーセントの軽量化でとどめておいたからかもしれない。実際は25パーセント削ってもミニエースのフライホイールの重さとそう変わらない。クラッチカバーの重さまでいれると、むしろミニエースのの方が軽くなる。そんなミニエースでトルク不足を感じないのは、ひとえにデフのギア比によるところが大きいのだろう。
09/25/2009

笑えない?ヨタハチあるある その1

いまやお笑いの1ジャンルとして確立されているあるあるネタ。これをヨタハチに当てはめてみて小ネタを集めてみようと思う。しかしこれ、ちょっと笑えない。

「ぼくのヨタハチ、オリジナルのエンジンなんですよ」と、自分からいう人に限ってミニエースのエンジンが載っている。確かに、書類上は同じかもしれないが…。あんまり自信たっぷりに言われると、本当のことを言っていいのか悪いのか判断に困る。派生ネタで「エンジン、ヨタハチ仕様なんです」も困る。話を聞くとカムシャフトだけ交換しているということが多い。

手を加えすぎるのはヨタハチの寿命を短くする。カーペットが毛足の長いものに換えてあったり、クーリングシュラウドが全面メッキ仕様だったり、勝手にセンタートンネルとダッシュボードが繋がっていたり、果てはクーラーが載っていたり…。こういうモディファイ(って言葉も使いたくないくらいだが)は今流行のお薬のようで、使ったその場はいいが、飽きたときのオーナー自身の中での陳腐化が早い。面白くするために更に手を加えて…を繰り返した挙句ボロボロになる。筆者が解体したヨタハチのうち2台はこんなだった。

「タイヤはどんなのがいいんですか?」と聞かれて答えるも、次にあったときにはアドバイスを無視して70扁平のタイヤをつけて登場。その次に会った時にはリアアクスルから嫌な音が。丁寧にアドバイスをくれているうちはまだオーナーになって日が浅い。「好きなタイヤをつければいいよ」とは、アドバイスを黙殺され続けた古参オーナーの行き着く境地だ。派生ネタとしては同じことがホイールでも起こる。

最後に関東圏の方だけにわかるネタを1つ。お正月の箱根駅伝で、最後尾のランナーの後を走る赤いヨタハチを見ると、初夢に悪夢を見るという都市伝説がある。
09/17/2009

やれば簡単なんですけど。ダクトホースを固定

先日の雨の際に不具合があったダクトホースを固定した。作業はものの数分で終了。マイナスのドライバーが一本あればいい。しかし、こんな簡単な作業すら最近のガソリンスタンドはやらせてくれない。

ガソリンを入れたスタンドでこのダクトを留める作業をやるために、ピットを借りようと思って頼んだら、ピットは貸せないという。こっちは簡単な作業だから自分でやると気を利かせたつもりだったが、店員以外の人間を入れられないという立場もわかる。じゃあ言うとおりに作業してくれというと、それもできないという。もうこのあたりで相当頭に来ていた。

じゃあ、あの作業場は何するためのものなんだ!?

「このやろう、ここでずっと作業してやろうか!?」給油ポンプの前で頭にきていた筆者を見て、事態をようやく理解した別の店員が侘びを入れに来た。そのままだったら火を放ちかねないくらい久しぶりに頭にきた。おそらくガソリンスタンドを開業する建物の要件に作業場がないといけないのだろうが、使えないピットがあるくらいならいっそないほうがいい。そもそもそのガソリンスタンドもセルフなので、店員すらいらないくらいだ。
09/17/2009

時ならぬ雨!44ヨタハチを酷使 その2

この週末、故あって神奈川県は葉山まで44ヨタハチででかけることとなった。それだけ聞いていれば「なんだ、ドライブ自慢か?」と思われるかもしれないが、そんなにのんきなものではない。

行きは予定よりも早く現地についてしまったのだが、帰りは大事だった。既に出る時点で大雨。自分の呼気だけで窓が曇ってしまう。窓が曇るとなれば燃焼式ヒーターの出番だ。こんなこともあろうかと、いつも走ったついでに数分間だがヒーターを稼動させて調子を整えてはいたのだ。ダクトのフラップを左右とも9割方閉じて、暖気がデフロスタノズルに行くようにしてスイッチオン。みるみるうちに暖気が出てくるのはいいが、思ったよりも曇りははれない。

するとここで最初の失敗に気がつく。ノズルに向うホースが左右とも外れて外れていたのだ。たしかに夏場も動くことは確認していたのだが、ホースがついているかどうかは確認していなかった。とりあえず車の止められるところに行き、ノズルにホースを取り付けた。工具もないので手で入るだけである。救いは雨が強いときもあれば弱いときもあって、作業中は雨の勢いが落ちていたときだったことだ。

さて問題は高速道路だ。横須賀インターから横浜横須賀道路に入る。山間に走っている横浜横須賀道路は天気の影響を受けやすい。強く降ったかと思えばふと止んでいるなんて時もあった。もうすぐ保土ヶ谷バイパスというところでふと燃料計に目をやったときに思わず震えた。燃料計の針はエンプティを指していたのだ。ガス欠で動けない、しかも高速で雨の中?そう思うやヒーターのスイッチを切る。これで燃料切れを少しでも遅らせると安堵したのもつかの間、熱気が出ていなければ窓は曇り視界がさえぎられる。すると仕方なくもう一度ヒーターを動かして…。結局、ガス欠を避けるためにヒーターを切る→窓が曇る→ヒーターを点ける、を際限なく繰り返し、この途中にホースが外れて手で差し込んでというオカズが付くという非常に忙しい運転になった。

東名横浜町田インターの手前、数キロというところでノロノロ運転の上に最高に強く雨が降りだした。ここから先は16号と246号の交差点まで渋滞が予想される。何しろ早くガソリンを給油するためにこのまま渋滞にとどまり、視界が悪いところに渋滞で追突される(或いはしてしまう)恐怖にさいなまれるか、同じガス欠のリスクがあるなら空いている道を行って博打を打ってみるか、その二つを天秤にかけてた。少し悩んだ結果、道が空いている保土ヶ谷バイパスから東名横浜町田インターに入り、横浜青葉で出ようと決断した。

これが正しい判断だったようだ。横浜町田インターへの連絡路から保土ヶ谷パイパスをみると、やはり246までビッシリ渋滞している。あの雨の中では追突したりされるリスクの方が高かっただろう。東名高速道路に入り、横浜青葉インターで高速を下りてすぐにカソリンスタンドに駆け込んだ。

結果からいうと、ガス欠の心配は杞憂だった。満タンで22.65リッター。残は8リットル前後あった訳だ。同時に前回の給油から今回までの燃費の計算をする。400キロ走行していたので、リッターあたり17.66キロという好燃費。川崎市街で渋滞に嵌ったり油温を上げたりなんかした割にはかなりいい燃費だ。残っていたガソリンで余裕でうちまで帰れた計算になる。

うちについてみると、さっきまでの雨はどこへやら、すっかり天気は回復していた。まあ、こんなものである。結果からいえば、どこかで3時間ほど暇を潰して雨が止んでから帰ってくればよかった訳だ。とはいえ、この最悪のコンディションの中、調子よく動いてくれた44ヨタハチを労うべくガレージに納めた後、よく拭いて水気を取ることとした。前回雨の中を走ったのはいつか、もう記憶にないほど前である。たまにはこういうこともないと、持ち前のタフさはいざというときに発揮されない。
09/14/2009

久しぶりに100度オーバー!44ヨタハチを酷使

ちょっと反省している。昨年に復活なって以来、44ヨタハチはちょっと甘やかしている。たまには鞭を入れてやらないといざというときに持ち前のタフさが発揮されない。ということで、まだ暑い平日の日中にドライブに出た。

コースは都内を経由して東京湾アクアラインを通り木更津。帰りはアクアラインを通って戻り川崎市街を通り多摩川を登りうちまでだ。行きは何のことはなかった。アクアラインの橋の部分で強風に煽られるかと思ったがさほど強くはなかった。だが帰りが地獄。川崎市街で渋滞に嵌った。44ヨタハチの油温計は徐々にではあるが100度に近づき、遂には少し100度を突破した。まあそれでも実際のエンジンオイルは100度には達していないのはわかっているので気は楽だ。しかし、走っていて100度を突破するのと渋滞で100度を突破するのとでは大きく違うところがある。プラグシート部の温度だ。そうとう熱くなっているらしく、発進時に軽くミスファイアするようになったところで休憩することとした。

結局帰りの時間は行きの3倍かかった。帰りは途中で休憩を2回入れ、44ヨタハチと運転者のコンディションを整えながらの進行となったが、たまにはいい薬だ。
09/12/2009