五年間お疲れ様。ミニエース整備のため入場。

44ヨタハチの改修もひと段落した。動いていなかった約五年の間、筆者の旧車ライフを陰日なたに支えてきてくれたミニエースをこの度、車検となどとは別に整備に入れた。預かっていただいた方にはこの場を借りて、よろしくお願いしたい。

当初、筆者のガレージに眠っていたヨタハチ仕様のエンジンを載せるつもりでいたが、寸でのところでその方針を転換。現在載っているエンジンを整備することにした。今回、フライホイール、クラッチディスク、クラッチカバー、レリースベアリングとクラッチに関する部品の一切を整備することにした。再びナンバーがついてからというもの、東は千葉、西は浜松まで、コンビニへの買い物からツーリングまでと世界で一番走っているミニエースと自負していたが、ここのところパフォーマンスが落ちていた。整備のために回送がてら現状を把握する。

速度が70キロを超えるとスピードが頭打ちになり、それでもアクセルを踏み続けるとエンジンブレーキがかかったかのようにリアアクスルを誰かにつかまれたかのように引っ張られる感じになる。原因はあまりよくわかっていない。燃料が足りない感じでもあるし、ホイールベアリンクがダメな感じにも似ているし。キャブレターを含む吸排気系にその原因があるようだが詳細は不明である。この傾向はナンバーがついたころから少しあったのたが、最近はちょっと看過できないレベルになっていた。とりあえずオーバーホールしたキャブレターとガスケット類をつけて持ち込んだ。この症状のために高速道路を走るのは危険、逆に言うと70キロまでは普通に動くので、東京都多摩地区の筆者のうちから千葉県は銚子までの道のりを一般国道で移動。陽が高いうちでは一体どのくらい時間がかかるのかわからないので負担を軽減するために夜中の移動となった。

もう1つがクラッチのトラブル。整備書にあるトラブルシューティングに出ているトラブルが全部出ている。特に、ハーフクラッチを当てる時間が長い時に出るジャダー音がひどい。クラッチに関係する部品の一切は交換したほうがよさそうだ。もっとも、20年以上惰眠をむさぼっていたミニエースで一切の整備もすることなく今までどうにか動いていた方がそもそも奇跡に近い。本当は動き始めたときに最初にやらなければいけないぐらいだったが、なまじ動いていたために今に至った。

となると、ミニエースの場合、エンジンとミッションをサブフレームにつけた状態でアッセンブリーで降ろしてしまうことになる。そこでエンジンの換装を…と考えた訳だ。しかし、筆者の仲間からの助言に従い、休眠しているエンジンをポンと載せて調子が出るまであーでもないこーでもないとするよりは、エンジンの機械部分でのトラブルは少ない実働のエンジンを適宜整備する方がよいと判断。今回の整備と相成った訳である。

とはいうものの、現在ミニエースに載っているエンジンとて何ぼのものかわからない。降ろしてみたら…目を覆いたくなるようなことが待ち構えているかもしれない。
06/14/2008

一歩だけ前進。ターンシグナルスイッチを交換

結局、元に戻してしまった。当初予定ではターンシグナルスイッチもオリジナルに戻すことになっていたが、暫定処置として後補給の部品に換えることにした。いつでも車検を受けられるコンディションにすることを優先して、スイッチはじっくり直すことにした。
06/09/2008

二歩ほど後退…。ターンシグナルスイッチに不良有り

ステアリング取付完了後、初めて44ヨタハチをガレージの外に出して走らせた。とはいっても、まだ車検がない状態なので公道に出る手前までだ。車の下が枯葉などで一杯になっていたので掃除がしたかったのだ。

異変はガレージを出てからすぐに起きた。ステアリングを回すとコラムのレバーが勝手に動いてターンシグナルスイッチが入ってしまう。要はステアリング裏のシャフトが何らかの理由でターンシグナルのキャンセラー部に触れてしまっているからなのだろう。今までは静止状態であったのでこんなことがあろうとは予測だにしていなかった。これでまたステアリングを外すことは決定だ。
06/08/2008

終わりを告げるホーン鳴る。自走可能までの道 最終回

いよいよステアリングを本格的に取り付ける。ホーンそれ自体をつけるのは簡単だ。問題はホーンが鳴らないことだ。試しにボディにアースさせてみるとホーンは鳴るので、問題はホーンボタンを含むステアリング側にある。

電気的に接する部分を空研ぎペーパーで研いで、ホーンボタンを組みなおす。ホーンリングを取り付ける前の状態でホーンボタンを押すと今回はホーンが鳴った。これで大丈夫。ホーンリングをねじ込んでステアリングの組み付け終了。試しにもう一度ホーンボタンを押すとホーンが鳴る。これで全て終了。このまま車検を通しに行ってもいつでも大丈夫だ。走るのを止めてから5年の時間が経ってしまった今回の改修計画だったが、その終わりはあっけないものだ。

エンジンをかけて今までやったところの動作チェックをする。ワイパー、ディマースイッチ、計器類…全て大丈夫だ。これでようやく普通のヨタハチオーナーになれる。
06/04/2008

いつでも勉強は必要だ…最近起きた出来事から

最近、やっぱり勉強は必要だなと思うことがいくつかあったのでまとめてみたい。

あるところでの出来事。ヨタハチのボンネットを開けて話をしている人が三人。「この部品ももう出ないんでしょうね」などといっている。どの部品のことを言っているのかと思うと、まだ補給がある部品。この三人ともヨタハチオーナー。ということは、この人たち共販なりディーラーで部品を頼んだことがないということを言外に言っているようなもの。折角パーツリストがあるのだから自分で部品を頼んでみればわかるだろうに。これでまじめな顔をして、ヨタハチを維持しようと言っているのだから呆れてしまう。まあ、無理だろう。筆者がヨタハチを始めた頃には、筆者以上に部品に詳しいひとがいてお互いの情報を合わせれば相当な情報になったものだったが、最近ヨタハチに乗り始めた人では残念ながらそういう努力を払っている人はいない。特にインターネットがより身近になり情報だけは入るようになってからはその傾向が強い。本当に価値のある情報は公にはされないのだ。公になっているものは案外どうでもいいかあるいは真贋が定かではない。

ベアリングやオイルシールはトヨタの品番でなくても代替品があるから大丈夫とよく言われている。だが、良く調べてみると代替品ではなくてトヨタの品番こそないものの探している部品そのものだったりする。規格品ならこれはありで、これで手に入ればいいが、中にはトヨタ独自の発注により作られているものがある。こちらはどう努力してもなかなか手に入ることはない。そもそもメーカーはトヨタ以外からの発注は受けられない。

こういうカラクリを知っているのかどうかはわからないが、ベアリング商やオイルシール屋さんにいけば簡単に手に入るものを、トヨタ独自の発注のものであり、さも特別に注文したかのようにして売っている人がいる。しかも、これが高い。勉強していなくてその部品をありがたく買ってしまう人は、申し訳ないがいい授業料だぐらいにしか思わないが、それを高い値段で売ってしまうのは商道徳的にいかがなものかと思う。たとえ商売でも原価の倍額はない。かつて同じようなことをしてそっぽを向かれたところがあるが、その二の舞にならないうちに改めた方がいい。
06/04/2008