意外と目立つ?リモートコントロールカバー取り付け準備完了

クーリングシュラウドの塗装と同時に、別の部品も塗装していた。リモートコントロールのカバーである。ここは一目見たときにそのままでもいいかな?と思ったのであるが、下の部分がなにやらボンドのようなものが塗ったあとがあり。じゃあ、一度外してみようと思って内側を見た瞬間、再塗装を決定。内側には錆が出ていた。深刻なものではなかったが、見なかったことにはできない感じ。リモートコントロールを組み付けて、カーペットをひいてシートを固定したら多分十年以上は見なかったことになると思ったのと、同じ色で塗ればいいので再塗装することにした。

塗装のほうは難なく終わり。取り付けに際してはこの下縁のところにパッキンがつくが、元のパッキンは触っただけで文字通り粉々になってしまった。ここのパッキン、グローブボックスのフタの縁に付くものと同じで、経年変化で固まってしまうところである。見えない所は機能を重視する筆者は、ここのパッキンに窓の目止めのスポンジを買ってきて取り付けた。オリジナルのパッキンが手に入ってももったいなくて使えない。

内側の錆も出るのは仕方が無い。何しろフロアトンネルのところで外気に触れているのだから。もし再びダメになっても市販のものであれば手に入りやすいし、部品の神様にお願いしたらいつか手に入る可能性もある。

目止めのテープを縁に取り付けて、車体への取り付け準備は完了した。
05/30/2007

後は組み立てるだけ…クーリングシュラウド塗装完了

かねてより報告していたクーリングシュラウドだが、いよいよ塗装が完了した。いや正確に言うと既に数日前に塗装自体は完了していた。その塗装がいよいよいい感じに固まり、本日もともと付いていたゴムのダンパーを取り付けて塗装に関連する一連の作業が終了した。

さて、塗装が終わったら次は組立てであるが、こちらはエンジンに手がはいるまでお預けである。そのため、取り付けに必要なビス類の整備も同時にとりかかった。

クーリングシュラウドをとめるネジ類にも相当バリエーションがある。というのも前期のシュラウドをとめているビスは径や長さくらいは一緒だが頭がマイナスネジになっていたりする。じゃあ現在補給されているネジはどうかというと、これが全くの別物。そして筆者の車のクーリングシュラウドは、これが意外とまちまちになってしまっていてた。つまり、その車にもともとついていたと思われるネジと同じものを地道に集めて使うより方法が無かったのである。そのため、いつか直そういつか直そうと思っていて溜め込んできたシュラウドのねじを一挙に放出。新車当時と同じネジで完全に統一しようと、整備を進めている。
05/13/2007

美しきスポット溶接跡…クーリングシュラウドを見て考える

既報のとおり現在クーリングシュラウドを塗装中であるが、錆や塗料を落とした姿を見ると、意外と塗料が厚く塗られていたことに気がつく。ではなぜそのことに気がついたかというと、ブラスト前には気がつかなかったスポット溶接の跡がはっきりと現れたからである。

最近考えることがある。筆者はなぜヨタハチに惹かれたのか、という誠に根本的な疑問である。答えを出すのにこの連休を費やしたといっても過言ではない。疑問が氷解したのがクーリングシュラウドにあるスポット溶接の跡を見た瞬間だったのだ。

筆者は小さいときから何に興味を惹かれたのか考えてみた。小学生の時は鉄道、とみにEF58という電気機関車のみに興味があった。これについては現在でも号車ごとに特徴をそらで言える。現在は鉄道ファンも細分化され、乗り鉄やストラクチャー鉄などそれぞれで認知されている。通勤型電車に興味のある人に鉄道で行く旅の楽しさを説いても鼻で笑われる時代だ。自分で言うのもなんだが筆者はそのコアさでいけば時代を二歩も三歩も先を行っていたと自負している。

初めて写真を撮りに東京駅に行った時の記憶は鮮明だ。当時浜松機関区所属の1号機が牽く寝台特急紀伊・出雲が朝もや煙る東京駅13番線に入線した姿を見て震えた。初めて実物を間近で見たEF58が1号機…。僕は何者かに導かれている!唯一神の存在は信じていない筆者が「大きい神はいるかもしんない」と流石に思った瞬間だった。

その後、艦船、大戦機と興味は移った。じゃあこれらに共通するものは何か、と考えるとそれは『機能美』であると。…ちょっと待て、兵器で機能美はわかる。でもなんでEF58が機能美?となるだろう。

まずはあの台車。幾重にも重ねられた板バネがバランスロッドに押されて小刻みに動きながら前に進む様は、機械が正しく機能する整然さと無駄に放出されるエネルギー感が絶妙にバランスされていて美しく感じてしまう。だから台車にコイルスプリングが目立つ新型電機に筆者は全く興味が無い。そこへ持ってきて、あの旧型電機にあるまじき長い車体である。EF58は暖房用の蒸気発生装置(SG)を製造後に積むことになった。そのために初期に生産された車両は車体を換装したという稀有な歴史を持つ。必要に迫られてできた車体があの車体である。旧型国電の70型80型と言った当時のトレンドである湘南型の流れを汲んでいるが、そこに虚飾はない。機械が中に持つメカニズムと外観との間にある贅肉が薄い感じ、それが『機能美』であると筆者は思う。

ヨタハチには機能美がある。ただこの一点に筆者は惹かれているのだろう。空力を考えての設計ではあるだろうが、もはや車体の長さの約半分がウエッジシェイプになっている現代の自動車を見ると美しく思わない。空間のレイアウトに歪なものを感じる。どのクルマでも車格は大きいしグラスエリアも広い割りに狭く感じるのはそのせいだろう。外観ももちろんそうであるが、筆者はヨタハチの機能美を象徴するのがこのスポット溶接の跡であると思う。

スポット溶接の跡というと、ヨタハチのリア、バックパネル、左右のリアフェンダーの下側がフロアパネルとスポット溶接で留められているのに気がついているだろうか。実はここ、ドアを開けるなどのアクションもなく一番簡単にスポット溶接の跡を見られるポイントである。確かに『表面が平滑であること』が美しいとするならばスポット溶接の上にパテを薄く盛って研げばいい。しかし、どうだろう、『機能美』という点から見るとわざわざここを埋めてしまうのは美しくないと筆者は思う。

スポット溶接跡が消えないように薄くパリツと塗れますように、と祈る気持ちでスプレーでクーリングシュラウドを吹く。
05/08/2007

着々と進む!クーリングシュラウドの塗装本格開始

シュラウドのカバーに引き続いてクーリングシュラウドの大きい部品の塗装を開始した。

塗装の前といえばそれまでついていた塗装と錆を落とすわけだが、今回も近くのハーレーを扱っているバイク屋さんにサンドブラストをこの連休中にお願いした。頼んで4日後、早くも作業ができたという連絡を受けて取に行った。出来上がったクーリングシュラウドの部品は三十余年の垢が落とされて無垢の姿になっていた。この作業にかかったお値段は12000円。自分でやるとした場合、空研ぎペーパーの値段や作業時間そして予想される出来栄えを考えるとこのお値段は安い。高いと思う方は、一度シュラウドの部品を研いで見るといい。一つでも作業を終わればその値段が妥当であることがわかるだろう。

錆を落とした金属はきれいになる一方で酸化がはじまる。部品を取り行ってすぐに塗れるものから塗り始めた。
もう夕方だったが、天気のいい日だったので十分乾いた。塗料がなくなるのと同時に日が落ち始めたので、今日の作業は終わり。早いところ塗り終えたいものである。
05/07/2007

一体何が本物?シュラウドのカバーから考える

ミニエースやパブリカのエンジンをそのまま載せたときに、いざやってみてどうしようか?と困るものがいくつかある。このひとつが右のアッパーシュラウドについているダクト穴を塞ぐカバーだと思う。このカバーが無いばかりに、右のアッパーシュラウドにぽっかり穴が空いているものや、カバーを自作している車を散見する。

このカバー、何故かパーツリストには存在しないことになっていて当然部品番号もない。ではなぜこんなものが必要になるのかというと、パブリカでデミコン式のヒーターを搭載している車にはクーリングファンで送られた冷却風の一部を取り出して熱交換器に送風するためのダクトがつくためである。ご存知の通り、ヨタハチにはデミコンヒーターのついた車は公式にはないことになっているので、ダクトも当然つかない。ここにカバーを設ければパブリカに使うアッパーシュラウドと作り分ける必要はない。

ところがこのカバー、パブリカシリーズ全体でみると使用している車は非常に少ない。ヨタハチとヒーターレスかシュラウド式ヒーター、そして燃焼式ヒーター装備のパブリカに使われているものである。しかし、圧倒的にデミコンヒーター装備のパブリカの方が多いから、今となってはこのヒーターレスのパブリカを探すのが大変なくらいだ。勢いこれは希少な部品ということになる。

ある時、その希少なヒーターレスのパブリカをデミコンヒーター付にするとの事で、筆者は対価は労働で払いこの部品を入手したことがある。喜び勇んで筆者の44ヨタハチのシュラウドにあてがってみた。ところがである、このカバーが全く合わなかったのだ。シュラウドの凹凸にあわせて部分的に曲げているのにその曲がり具合が全くあわなかった。ボルト留めするための穴も面白いくらい合わなかった。そこでふと思いついた。このカバーに限らず、年式によってシュラウドはパーツでの互換性はないのではないかと。事実、もらったカバーはまだもこもこ塗装されたシュラウドを持つ昭和41年頃のもの。筆者のは言わずとしれた44年である。

後年の研究により、どうもその仮説は合っていたようである。まだ研究途中の段階であるが、ヨタハチ全年式を通して言えば、実に6種類くらいのシュラウドセットがあるようである。アッセンブリーでの互換性はあるが、部品レベルでの互換性はあまり期待できない。ミニエースのものまで含めて考えると、全く互換性はないものと思ったほうがいい。よほど近い年式のもので無い限りこのシュラウドを部品取りすることはできないようである。

筆者の44ヨタハチについていたこのカバー、表側の塗装はまだらに剥がれ落ち、裏側は錆が発生しつつあった。これを空研ぎペーパーで研いだ後、塗装を完了した。
05/02/2007