たかが木片、されど木片。学ぶべきプロの知恵

ミッションの改修を方々に迷惑をかけながらも7割方自力でやったのだが、やはりそれを職業としている人には筆者のようなアマチュアレストアラーは学ぶべきものがある。油圧式のリフトにあげられた車のサイドシル下には長い木の角材が添えられていた。これなら車体の重みをしっかり受けつつも、車体を傷つけることなくリフトに乗せることができる。しかも材木屋から端材をもらってくればいいから、実に経済的である。とかく、自動車の整備というと手間もお金もかけてしまいそうになるが、同じ結果が得られれば安価な方がいいのである。これを見て、筆者も思うところがあった。

ミニエースでもパブリカでもいい、ヨタハチの部品取りに解体を経験したひとなら覚えがあるかもしれない。部品は取ったがいいが、それを保管するのに難儀する。特にトランスミッションはそうである。

UP系車両のトランスミッションは他車に比べて特殊なところがある。普通、自動車のトランスミッションというと、クラッチディスクやクラッチカバーといった部品が入るスペース、いわゆるベルハウジングといわれる部品が独立している。しかしUP系はミッションケースと一体になっている。大抵のトランスミッションはインプットシャフトもこの中に納まっていたりするのだが、ヨタハチのミッションはこれが出っ張っている。これがために、ミッションを立てて保管することができない。筆者の場合、ただでさえ狭いガレージスペースにミッションが寝転がってのさばっている。百歩譲って横に置くスペースが確保できたとしても、横にしていたら床はミッションオイルでヌルヌルである。ミッションのアウトプットシャフトのところに嵌めるための使っていないヨークはそんなにないのである。

これを一挙に解決する方法が、この木片を使うことだ。要はインプットシャフトの出っ張り分を木片で逃がしてやれば、上下方向のスペースを使えることになる。アウトプットシャフト部が上になるので、ヨークがなくてもミッションオイルを入れた状態で保管できる。

早速近所の材木屋に行くと、なんとお誂えむきに木レンガと称して端材をうっていた。本当にレンガみたいなサイズの木片で、価格は12個で250円と非常にリーズナブルである。かくして、筆者のガレージにはこの木片を下にして、ミッションが林立することとなった。あまった木片は作業をするときの当て木に使ったりできる。
12/29/2005

感動の部品交換!トランスミッション改修 最終回

引き続きトランスミッションの改修作業を進めた。とりあえず、借りてきたトルクレンチでトルク管理をしながらエクステンションとミッション本体の本締めを行う。

仕上げはスピードメーターのドリブンギアの交換だ。そう遂にこの日がやってきたのだ。これで筆者の44ヨタのスピードメーターは正しい値を指すようになるのだ。

パーツリストを見るとわかるが、ヨタハチにはスピードメーターのドライブ/ドリブンギアの組み合わせが2種類ある。ドライブ/ドリブンが7:21と6:20である。この違いはデフのギア比にあり、前者がノーマルの3.3のギア比のもの用、後者が加速重視である3.56のギア比のもの用である。なお、後者のギア比はパブリカのそれと同じである。筆者の44ヨタは購入当初、というか走り出した瞬間からスピードメーターが渋く出ていたのが悩みの種だった。ミッションのオーバーホール時に一度外したドライブとドリブンギアには他車から流用したと思われるギアが使われていた。ドライブの歯数が6、ドリブンの歯数が20と組み合わせまでもいい加減だった。走ってみて、スピードメーターの値と回転数の値から、一時期加速重視デフが入っていると勘違いしたため、ミッションのオーバーホール時にはわざわざ加速重視用のギアの組み合わせを入れた。ところが、程なくデフがノーマルのものとわかり(いや、パブリカのデフが入っているヨタハチが多い中、純正ノーマルデフが入っていただけでもありがたい話であるが)、やっぱりメーターの値が渋く出ていたのである。それがこの作業でようやく普通に戻ったのである。ギアを保持しているスリーブをエクステンションの中に収めた時、涙が出てきた。
12/29/2005

長年の懸案が一挙に改善!トランスミッション改修 その1

本当なら今年の一年を振り返って…なんて話をしなければいけない時期なのかもしれないが、年末も押し迫ったここにきて我が44ヨタは改修が進んでいる。トランスミッションのエクステンションのオイルシール交換とスピードメーターのドライブギアの交換を完了したのである。両方とも、我が44ヨタ購入以来の懸案事項の一つだったのだが、ようやく改修の手が入った。

トランスミッション本体は数年前にオーバーホールが完了している。本当はそんなことはこのときにやっておけばいいと何度思ったかしれない。しかし、その当時、ミッションのフロントオイルシールからのミッションオイル漏れから始まってミッション本体のオーバーホール、果てはデフ本体のオーバーホールまで怒涛のごとく改修せざるを得なかったこともあり、いつも行っている修理工場で見なかったことにされてきたところである。そのため、いつまでたってもエクステンションの上部、シフトロッドの入る根元からミッションオイルの漏れがあったのだ。また上部からのオイル漏れで致命的に漏れる訳ではないので、その手はなかなか入らなかった。
一口にエクステンション部のオイルシール交換というと簡単そうに聞こえるが、結構面倒だ。このシフトロッドの類をすべて外してオイルシールを外して交換。プロペラシャフトの入るヨーク部のオイルシールからのオイル漏れもあるから、これも交換する。となると、エクステンション部だけでなく、ミッション本体も洗いたくなるのが人情。作業はミッションを洗浄することから始まった。

小一時間ばかりひたすらミッションの洗浄に専念したあと、ミッション本体からエクステンションを外してロッド類を取り外しエクステンションだけの状態にする。ロッドの入るところのオイルシールはこの寒い折、ドライヤーの親玉みたいなヒーターで暖めるとドライバーで簡単に外れたが、ヨークの入る部分のオイルシールは差し込みも深くてドライバーでは取りきれない。結局、ヒーターで煙が出るくらい暖めた後、スライディングハンマーにしかけたプーラーでなんとか引き抜いた。それぞれに新しいオイルシールを入れたあと、ロッド類を組み付ける。

次はスピードメーターのドライブギアの交換である。ここは筆者が44ヨタで走り出した直後からの懸案事項の一つだった。つまり、スピードメーターが、もっと言えば距離計も実際の距離やスピードより渋い値を示していたのである。テストをした結果、今考えると盲目的にだが、筆者の44ヨタにはオプションデフが入っていると信じていた時期もあり誤った歯数のギアをわざわざつけていたのである。果たして、デフは純正ノーマルの3.3というギア比であることがデフの修理の際にわかり、それに合ったスピードメータードライブギア(歯数が7)に換えたかったがなかなか変える機会がなく、とうとう10年という歳月がながれてしまったのである。しかし、10年来の懸案は実際に作業をすると10分で解決してしまった。ギアを留めているリングを外してギア本体を交換、再びリングを元に納めるだけである。もしここが直る瞬間を迎えたら感涙するに違いないと思っていたが、ちょっと拍子抜けして特別な感情は芽生えなかった。

一番難儀したのはエクステンションをミッション本体に取り付ける作業だった。この作業にはちょっとしたコツが必要のようだ。だからと言って、どうやって収めたのか解説はできないが入ってしまえば意外とあっさりと作業は終了した。この時点で辺りは真っ暗、冷たい風に晒された工具は握る手の皮膚を千切らんばかりに冷えていた。今日の作業はここで終了。明日は、エクステンションをミッション本体への本締とスピードメーターのドリブンギアの組付をしよう。
12/28/2005

新たな疑問発生!我が44ヨタ用リテーナーは?

44ヨタハチの修理のメインのひとつであるリアアクスルのホイールベアリングの交換のプランを練っている時のこと、ふと疑問が沸いた。ベアリングが違うと、リテーナーも違うのかという疑問である。
当ホームページの記事を読んでいただくとわかるのであるが、44ヨタハチの22型に使われているリアアクスルにはパブリカではバン、トラック用のホイールベアリングが使用されている。バン・トラック用のベアリングが使われているということから、パブリカバンのパーツリストを調べる。すると、ベアリングは違うが、リテーナー自体は同じ品番だった。一方、同じホイールベアリングを使っているミニエースの方はどうか。ミニエースはなんと昭和44年3月と昭和46年3月の二回、リアアクスルの構造が変わっている。前期の分はヨタハチ・パブリカと同じものだったが、中期は汎用のリテーナーに変わっている。ちなみに、後期は現在のトヨタ車と同じで、リテーナーとホイールベアリングが組で補給されているタイプに変わっている。昭和44年3月…。この時期を真に受けるなら筆者の44ヨタは変わっていることになる。筆者は44ヨタとミニエースを持っているという特異な環境にある都合上、全部の年式に対応できるように部品をストックしているのでまだいい。しかし本当のところはどうなっているのか、興味のあるところである。すべては外してみないとわからない。
12/27/2005

ページ更新を決意!ヒーター修理再開

コンピュータが新しくなったことで、ホームページ作りも俄然やる気になった。いつフリーズするのか、肝を冷やしながらやるとモチベーションが一気に下がることに気がついた。やる気になったその発露として選んだのがヒーターの修理のページである。実はあのページ、今の段階で参考とすべきことはそんなにない。むしろ、ヒーターの調子をかえって悪くすることになるだう。なぜなら肝心のことは一切書いていないからだ。
ヒーターのページは修理を進めないと更新できない。ゆえに、ヒーターの修理を再開することを決めた。折りしも十年ぶりの寒い冬などといわれている今年の冬。なおしてありがたい時期である。
12/17/2005

21日ぶりの更新!新コンピュータにて再開

当ホームページをご覧の希少なファンの皆様、長らくお待たせしました。44ヨタハチのホームページはコンピュータと使用するソフトを一新して再開を果たしました。今後ともどうぞよろしく。

今まで使用していたコンピュータはよく考えると5年もの永きにわたって使用していた。今年の春ぐらいから起動しようとしても立ち上がらない時があることはどこかでお話したと思う。この、時があるというのが車もコンピュータも処置に困る。いっそのこと完全に止まってくれたほうが踏ん切りがつくのに、なまじ動くから「この次でいいや」とか「見なかったことにしよう」ということになる。
だが、ついに先月末どうにもコンピュータが動かない事態になり、急遽コンピュータを買い換えたわけである。いやぁ、しかし新しいコンピュータはいい。何のストレスもなく動いてくれる。なにより今まで時間をロスしていたことをはっきりと認識させられた。これからは更新が頻繁になるものと覚悟してホームページをご覧いただきたい。
12/11/2005