手間は惜しまず。シリンダーヘッドのシリコンシーラー除去完了

 どこの誰がやったか知らないが、シリンダーヘッドの下の部分にこのエンジンはたっぷりとシリコンシーラーを塗りたくってくれている。それでもこのエンジンはオイルまみれだったから、これらは何の役にも立っていないということである。コーヒーゼリーみたいなこのシリコンシーラーを除去すべく、ちょっと強引にステンレスのワイヤーブラシで磨いてみた。やってみると意外と早く綺麗になっていく。ちぎれるような感じで見る間にシリンダーヘッドの地金のアルミが姿を表した。シリンダーヘッドもさることながら、ロッカーアームカバーにもこのシーラーが付いていたのでこれでやる。
 次に、シリンダーヘッドのポート部分の清掃をする。両方とも、乾いたカーボンが強力に付着している。特にエキゾースト側のポートは酷い。これをある程度地金が見えるようにマイナスのドライバーでカーボンをほじくり返す。
 しかし、考えてみると整備書に書いているような作業はそんなに時間がかからない。むしろ、書いていないこと、例えばパーツの洗浄や整理、分別の方が時間がかかることに気が付く。ここで手間を惜しむといいものはできない。
05/01/2004

敵はシリコンか。エンジン組み立て進行

 休みとはいえ仕事以外が忙しい筆者にとって、エンジンの組み立てはもはや今日明日には終らない状況なのでじっくりやることにした。トルクレンチを再び借りてきたので、今日はコンロッドボルトを締め上げた上でシリンダーの取り付けと、オイルポンプカバーのOリング交換をやることにした。
 まずシリンダーの取り付け。ピストンを中に入れつつ、クランクケースにシリンダを組み付ける。シリンダー内側にエンジンオイルを塗り、そこにピストンを入れるのだがオイルリングを指で縮めてシリンダーに通す。このオイルリング、ずっと換えていないにもかかわらず、メッキも綺麗だし張りもある。寸法も合っていることなので、今回はピストン、リングは交換せずこのまま使用する。リンクに張りがあるせいか、ピストンがなかなかシリンダーに入って行かない。シリンダーを軽く叩きながらピストンを通す。
 もう一つ、オイルポンプカバーに付くOリングの交換である。このOリング、見たことのない大きさであるがここが古くてボロボロになっているがためにオイルが漏れているエンジンも少なくない。筆者のヨタハチのエンジンは間違えなくここからオイルが漏れているのでこの作業は是非やって見たい作業の一つだった。オイルポンプカバーを外してみると、オイルポンプのローターが一緒についてきてしまい、結局オイルポンプも外してきれいにすることになった。オイルポンプに傷はなし。綺麗に洗ったあとエンジンオイルを塗って組み立てる。さあ、肝心のOリングであるが、ほんの少し弾力はあるものの、基本的には形が復元しないような状態である。カッターナイフでほじくるようにOリングを除去。リリーフバルブに規定値以上の油圧でリリーフされるようにちょっと加工して元に収めた。この加工で油膜が更に切れずらくなることになる。
 さて、この先の作業を予想しつつパーツを洗浄したが、誰がやったのか漏れ止めに使った多量のシリコンシーラーを何しろ綺麗にしないとこのエンジンの組みあがりが汚く見える。
04/30/2004

もはやオーバーホール?エンジンの洗浄進む

 当初の予定では今日中に組みあがる予定だったが、思いのほか手間がかかっている。とはいうものの、確実に進んでいる。
 当初は外側を綺麗にして売ってしまう予定であった。しかし、綺麗になればなるほど許せないところが出てきた。オイルシール、Oリングの類はダメ、この調子では中も…。ということで、今はエンジン洗浄というよりも、軽いオーバーホールとなっている。そもそも、このエンジンに手をかけている理由は、来るべき筆者のヨタハチに乗っているエンジンのガスケットを交換するに際して、自力でその作業全てをやってみるのが目的である。そのため、このオイルリークがすさまじいエンジンを素材にノウハウを得るのが目的である。この時点で、オイルリークはひとつガスケットだけの問題でないことがわかった。
 今日の作業はまず、クランクシャフトリアのオイルシールの交換。オイルシールからオイルが漏っているなんてそんなのオイルシールじゃない!本来ならクランクシャフトをベアリングケースから抜いた時に換えるものであるが、ドライバーをリアから叩き込んで外せばきれいに取れて交換が可能である。外してみてわかったが、これは筆者のヨタハチのオイルシールも換えないといけない。そもそも30年以上経っているゴムの製品がまともである訳がない。外したオイルシールは既にオイルシールの適度なやわらかさではなかった。昔のバンダイのプラモデルのプラスチックもビックリという固さである。もとのオイルシールを外したあと、新しいオイルシールを満遍なく力を加えるために角材当てながらプラハンで叩いて入れた。
 次はコンロッドメタル。使えるようであればそのまま使ってしまおうと思っていたが、そうもいかなかった。ピストン側のコンロッドメタルは左右ともベースメタルが見えている。ご丁寧に偏磨耗までしている。これで換えなかったらちょっと良心が痛む。新しいメタルをコンロッドに入れた後表面にエンジンオイルを塗ってクランクピンに組み付ける。クランクピンには傷がなくいいコンディションである。クランクケースはオイルが汚れていた割にはほんのり狐色の綺麗な色をしている。この分ならクランクの前後のベアリングは換える必要はないだろう。左右のコンロッドをクランクに組み付けたところで今日は終了。コンロッドボルトは日を改めて本締めしようと思う。
 これでは先が思いやられる。気になってシリンダーのしたにあるバルブリフターのコンディションを観る為にプッシュロッドを一本取り出し、バルブリフターに当ててみた。ブランジャーがこの状態で苦もなく沈む…。バルブリフターも交換決定である。
04/26/2004

漸く本格化!ダニオくん2号のエンジン洗浄

 先週油うんことの格闘で終ってしまったダニオくん2号のエンジンを洗浄した。パーツ類の洗浄というと、灯油でやるのが古くから一般的であるが、今回筆者は軽油でやることにした。この灯油と軽油、一長一短があってj毎回選択に困るところである。灯油の長所は臭いがそんなに残らないというところであるが、それに伴なって洗浄力も今ひとつである。軽油は洗浄力は灯油に比べて高いが、揮発が進むとベトベト手に残るし、臭いはきつい。今回は洗浄力を重視。何せ人の工場の一角を借りてしかも油だらけにすること必至、廃油も捨てさせてもらうというおまけつきなので何が何でも1日で陽のあるうちに終らせなければならなかったからだ。洗浄力でいえば、ガソリンやシンナーという手はあるがいずれもこの場合は短所の方が非常に大きいので却下した。
 さあ、やり始めるとこれが進む進む。アンダーシュラウドはプッシュロッドカバーで通されているのでこれを外すと、いけない考えが頭をもたげてきた。どうせ、コンロッドメタルもみなくちゃいけないんだから。何よりシリンダーの下が汚れているのが許せない!ってことになって結局夕方にはシリンダーヘッド、シリンダー、ピストンのついたコンロッドが外れた状態になっていた。オイルフィルターケースなどは言うに及ばずである。
 しかし、最近の軽油は臭いが少なくなったような気がする。燃料はいつもモービルで買うのでこの軽油もモービルで買ったのであるが、軽油に含まれる硫黄分が少なくなる傾向にあるのでそのせいだろうか。
04/25/2004

唖然…。ダニオくん2号のエンジン洗浄?

 先日ダニオくん2号から外したエンジンに少しずつだが手を入れている。このエンジン、どこかで言ったかもしれないが、全体に満遍なくオイル汚れがある上に、夥しい量の油うんこである。オイル汚れの原因究明を兼ねてエンジンの洗浄をやろうといつもの車屋さんに持っていって作業をすることにした。
 エンジンの洗浄というと、灯油を含ませたブラシなどで洗っていくのが定番であるが、このエンジンの汚れは尋常じゃない。灯油よりも洗浄力の高い軽油で洗浄することにした。灯油ならうちの前でやってもそんなに臭いは酷くならないが、軽油は臭いがすごい。そこで車屋さんに持って行くことにしたのである。
 作業にかかる前に白日の下でダニオくん2号のエンジンを精査する。明るいところでみると、アンダーシュラウドの上に乗っている埃ともドロとも油うんこともつかない物体の量が凄い。プッシュロッドの根元のゴムのガスケットは既に硬質プラスティック並みの固さ。
 結果から言うと、エンジンの洗浄はこの日行えなかった。この油うんこを除去するので手一杯だった。あまりに油汚れが凄かったので、フライホイールも外してみたのだが、ここも凄かった。ということはどういうことかというと、リアのオイルシールからエンジンオイルが漏っているのではないかということである。エンジンを一時寝かせて油うんこ取りをしていたのだが、案の定リアのオイルシールからオイルが漏っていた。ということは、シール類が全部ダメということである。前途は多難だ。
04/21/2004