。o◯。○゜。o◯。○゜o◯。始まりのお話し。o◯。○゜。o◯。○゜o◯





    




蝙蝠のような醜い翼
人を不安にさせる羽根音
口を開くとそこには肉を喰い千切るのに、
はらわたを食い破るのにちょうどいい鋭利な牙
鮮やかな青い光を放つ髪は
悪魔の印


俺達が美しいと言われるのは
人を惑わすために持たなければいけない武器だから
人間の汚い心に反映して俺達は美しくなる

青白く光る月のように
静寂しきった闇の中に溶け込んだ美しさ


そう、俺達は美しい
君に会うまでは・・・そう思っていた


所詮俺達は汚れた美しさでしかなかった・・・という事だ。







光を吸収する白い翼
人を包み込む柔らかい羽根音
口を開くとホラ、昔聞いた子守唄のような懐かしい
安心する暖かい声
光を反射してキラキラ輝く髪の毛は
天使の印


私たちが美しく尊くあれるのは
私たちを生み出した神の力・・・。
人間の純粋な心が私たちを美しくする


どこまでも続く湖の上で反射した太陽の光のように
小鳥の囀りが聴こえる暖かい空気に包まれた美しさ


そう、私たちは美しい
あの人に会うまでは・・・そう思っていた


所詮私たちは作られた美しさでしかなかった・・・という事に気が付いたの。





触れ合って抱き合いたいという感情
触れ合って愛し合いたいという感情


許されない


壊してしまうのは怖い
お互いに触れ合うのは禁忌だから
悪魔でも天使でもない形になる
それはきっととても恐ろしい形に


魔王の傍らに常にいる俺が
神の寵愛を受ける私が



何故こんな事になってしまったのか



「何も知らなければ・・・今まで通りであったというのに」
「何も知らなければ・・・こんなに苦しくなる事はなかった」


けれど・・・今更引き返せなかった
触れ合った唇は熱く
お互いの身体の感触を感じる
触れるたびに、呼吸が交わるたびに
お互いの愛しさで狂いそうになる


瞳から涙が零れ落ちるたび、君を強く抱きしめた
青く光る髪の毛が私の指に絡むたび、貴方を強く抱きしめた




明日から咎人の名をきる事になっても、どのような重い罪を贖わなければいけなくても
今日の夜を迎えなければ、これからの長い道を幸せを知らずに存在しつづけなければいけなかった。
そうする事が当たり前の永遠

そう・・・これは始まり
長い明日への




始まりにしか過ぎないのだ










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