T34/76、41年型・スローガン
(ロシア・1941年-45年)

ワールド・タンク・ミュージアム、
シリーズ3のNo.51。

 ニックネーム「ロジーナ(祖国)」をもち、第二次世界大戦でソビエト(現ロシア)に勝利をもたらした戦車が、このT34中戦車です。その誕生は新型の装輪装軌兼用の戦車開発から始まりました。1939年、コーシキン設計局長は装甲車両局からの仕様に不満をもち、仕様通りのA-20と装軌のみのA-32の2種類の試作戦車を作りました。結果、5個の大型転輪からなるクリスティー式サスペンションと、接地圧の低い幅広な履帯を持ち、高い走行性能を有するA-32が選ばれました。そして同年12月、対フィンランド戦での戦訓を活かして装甲を強化することとなり、ここに「中戦車T34」として正式に採用されました。1940年9月、1940年型と呼ばれる最初の量産車が完成。主砲には30.5口径76.2mm砲L-11を搭載し、車体には最大45mmの圧延装甲板を傾斜させて溶接しました。1941年2月からは1941年型に改良され、主砲を41.2口径76.2mm砲F-34(F-32)へ変更し、火力を強化しています。その後も装甲・エンジン・砲塔などが小刻みに改良され、生産が拡大するにつれて各製作工場ごとの差異も発生しています。ところで砲塔に書かれたスローガンは各部隊・各車様々で、代表的なものをあげると「祖国のために」「スターリンのために」「ファシストを粉砕せよ」や、変わったところでは「ゴーリキー少年少女団」「チェリアビンスク集団農場員」「ラゾ(国内戦時の英雄の名)」「戦いの伴侶」などがあったようです。

 

戻る