陽のあたる場所−a PLACE in the SUN−

田舎から親戚を頼って出てきた青年が同じ職場の女性といい仲になってしまう。
でもそのすぐ後にお金も地位も、そして素晴らしい美貌までも持ったエリザベス・テイラーに気に入られてしまい、青年は付き合っていた女性が邪魔になってくる。
だけどその付き合っていた女性は青年の子供を妊娠してしまいなかなか別れてくれない。
青年は次第に追い詰められ元恋人に殺意を抱くように・・・。
最近のアメリカの映画は大金をつぎ込み大きな仕掛けを駆使したものや、CGなどの技術を使ったものが幅を利かせ、こういう人間の内部を見つめるような映画が少なくなったように思います。
そういう映画も好きだけど、もうちょっとこんな映画も意識して欲しいかな?
原作はセオドア・ドライヤーの「アメリカの悲劇」。
「アメリカン・ドリーム」と言われる明るい雰囲気の裏に隠されたものを描き出したと言われてます。
つまり陽があたる場所があれば、必ず影ができる場所もあるということなのでしょう。
全体的に暗い雰囲気の映画でしたが、そこにエリザベス・テイラーが光をわずかに注ぎ込んでいたような気がしました。
モンゴメリー・クリフトは陰のある青年役を好演しています。
こういう役が似合う人は少ないのではないでしょうか?
若くして寂しいまま亡くなったのが残念です。(享年46歳)

モンゴメリー・クリフト

出演 エリザベス・テイラー モンゴメリー・クリフト 
(1951年 アメリカ)

(余談)モンゴメリー・クリフトの写真を見るたび憂いを含んだ雰囲気がひしひしと伝わってきてました。
「なんとも言えない表情をする俳優さんだなぁ」と常々感じていたものです。
でも改めて描いて見るとなかなかのハンサム。
私としては憂いのある雰囲気のモンティに描きあげたかったのですが遠く及びませんでした。

(絵と文 2006年8月)

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