新宿御苑の
ラクウショウ(落羽松)


   
 2012.6月撮影  



呼吸根は雑草で見えないものが無数に生育しています。  
 
 
 久しぶりに御苑を散策する。メタセコイアに似た落葉針葉高木のラクウショウが新緑に輝いている。湿地帯の樹の周り地面にはごつごつ、にょきにょきと竹の子のように呼吸のための呼吸根が無数に出ている。この樹は北米原産のもので湿地や沼地に生育するのでヌマスギとも呼ばれ明治時代に植えられた樹齢100年を越える大木である。御苑に植えられた数本の木はその樹齢と気根の美しさは大変珍しく価値の高いものといわれる。

  もともと呼吸根は地中から上に向かって伸び空中に突き出して呼吸する膝根で気根の一種である。沼地や内湾などの酸素の乏しいところに生える植物に見られる。通気組織なでの構造をもつミズキンバイやマングローブなどに見ることができる。木根は表面がコルク層で覆われているので吸水は殆どしない。その必要もない。木の心材には精油を適度に含みながら気室を持つ細胞構造であるため軽量で腐朽しにくい特徴を活かし土木、船舶、建材などに利用されている。





  ラクウショウは秋になると鳥の羽のように落葉することから落羽松といわれている。紅葉はチョコレート色である。花は雌雄異花で開花期は4月頃、緑色の球形の実がなる。   御苑の約18万坪 周囲3,5km広大な敷地には沢山の古木、巨木があり訪れる人に感動を与えてくれるがここ新宿門近くに生育するラクウショウは樹の美しさ、呼吸根の無数の逞しい生育に多くのエネルギーを感じる。梅雨空に御苑に隣接する新宿高校の学生達の力強い声がこだまする。



本の樹が素敵なハモニーを構成している


モノクロで強調してみました。


 


 


 


コルク層で覆われた異形の呼吸根


 


青い果実が見えます


綺麗な葉


樹齢100年の大木